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大人から始めてもピアノは上手くならない?上達できる楽しい方法とは

あなたは少し、または数ヶ月くらいピアノを弾いています。先生についているかもしれないし、アプリで一人で練習しているかもしれません。

最初の数日くらいこそ、指を乗せて音を出すだけで十分楽しかったけれど、なんだか全然変わりばえがしないような気がしてきていませんか?

良いお知らせですが、大人のピアノ学習者は、みんなそういう状態を経験したことがあるんです!

大事なのは、そこからよくある間違いを見つけ出すことです。
上達を妨げているやり方を取り除けば、大人の初心者でも子どもと同じように、ひとによっては子どもよりも何倍も早くピアノが上達していきます。

最もよくある、大人のピアノが上達しない原因

1.練習中にしばしば気が散っている

ピアノの練習を進めたい場合は、できるだけ高い集中力を維持し続けることが重要です。

きちんと集中して、練習を始める前に今日は何をテーマに練習するか決めて、練習のようすをきちんと録音・録画し、練習終わりに今日の練習を振り返って一人反省会を行います。

このようにきちんとした段取りで練習した30分は、だらだらと練習した10時間にも相当します。
かなり長い期間ピアノの練習を続けているのに、いつまでもレベルが変わらないというひとのほとんどは、このような適切な段取りと集中をできずに、どんどん楽しい曲にチャレンジして(弾けないで)いることが原因です。

一回の練習時間が長過ぎる・短すぎる

ピアニストにはよく、一日の練習時間を誇っているタイプのひとがいます。
これはあまり褒められたことではありません。

ショパンの一日の演奏時間は4時間以内でした。シューマンは練習のしすぎでピアノが一生弾けない手になり、作曲家に泣く泣く転身しています。

大人の趣味の練習の場合、4時間ですら指への負担は相当なものです。土日でいくらまとめて頑張りたいからといって、一般的な練習時間としては2時間くらいを目安に設計をしましょう。

逆に、一回の練習が10-20分しかないという方は、指があたたまって血流が行き届く前に練習を終わってしまっています。
本当はすでにあなたの手にはもっとハイレベルな実力があるのに、毎回それを出しきれないままにレッスン時間が終わってしまっているのです。

ピアノに限らずどの楽器でも、とくに初心者の場合、ウォームアップで適当なものを演奏して身体を試運転する時間が10分は最低でもかかります。

これを意識して、今練習時間が毎回長過ぎるというひとは、別の曜日と分散させられないか?あるいは短すぎるというひとは逆に合体させられないか?少しカレンダーを見ながら考えて直してみましょう。
練習の効率がだいぶ変わるかもしれません。

練習の題材にしている曲のレベルが低すぎるか、あるいは高すぎるかもしれません

曲のテクニックがあまりにも難しいものを練習の題材にすると、意識を向けられるのが指の動きだけになってしまいます。
それは時々は必要な練習ですが、その際あなたが本来意識を向けて訓練できていたはずの暗譜の技術や、楽譜の新たな要素、音楽の聞き取り、ペダリングなど、さまざまな要素の練習が総合的に遅れてしまうことに注意しましょう。

ピアノ曲の難しさは、指先の速さで決まるわけではまったくありません。(亀のようにゆったり遅い曲で、相当熟練のピアニストでないと手が出ないという曲もザラにあります。)

ピアノの先生についていて、いつも何となく簡単すぎるか、手も足も出ない曲が多すぎるなという場合は、自分から曲目を先生に提案してみましょう。
先生は、自分が子どものときに習っていた曲のレパートリーと同じものを、大人の生徒の練習曲としても提案することがほとんどです。

これは基本的なエチュードであればうまくいきますが、子どもと大人では手の大きさも、理解の得意・不得意な領域も違いますので、かなりカリキュラムの構成に違和感が出てくることも少なくないのです。

多くのピアノの先生は、演奏のプロであっても、特に大人向けのカリキュラムづくりについては専門的な勉強をしたことが残念ながらありません。
違和感を覚えたら、すぐに先生にレベルが高すぎる・低すぎる気がすると伝えてみることが大事です。

一人で独学で勉強していて、市販や無料で手に入る教材にマンネリを覚えている場合は、安くて、かつ本格的なカリキュラムを提供しているピアノアプリまたはオンラインレッスンの受講を検討しましょう。

何か致命的に悪い手のクセがついているかもしれません

ピアノを弾く時に1,2を争うほど大事なことは、手や腕に力を入れず、すとんと鍵盤の上に脱力して置くことです。これによって、腕の力で人為的でぎこちなくデコボコとした音を出すのではなくて、重力に頼ったなめらかなフレーズを作り出すことができます。

腕をブンブンと上下に下ろすように弾くスタイルが一度ついてしまっていると、練習するほどにむしろ逆効果になってしまうかもしれません。

また、初心者で、特にアプリで練習している大人に多いのが、手のひらを丸くできていないことです。
プロのピアニストのYouTube動画を見てみてください。彼ら・彼女らの手のひらは、常になにかを自然に握るようなポーズをとっています。

大人の初心者は、手を握りすぎるか、あるいはひらたく開きすぎていて、これまた腕の動きと同じように、一音だすだけで手がバキバキとロボットのように動く羽目になっているひとがとても多く見られます。

こうなってしまうと、長期的にもう一定以上の曲を弾くことが難しくなってしまいます。毎週対面で先生に見てもらう必要は、忙しい大人の学習者にとっては全くありません(むしろ毎週の宿題でストレスがかかって、本質的な練習がしにくくなるひとも多くいます)が、ときどきはオンラインや単発レッスンで、有名な先生から根本的なフォームや練習スタイルについて助言をもらうようにするとよいでしょう。

一人ぼっちで独学していませんか?

孤高のスタイルで練習をしている場合も、うまく練習を設計すれば、教室通いの大半の大人よりもはやくピアノが上達するでしょう。

都会のど真ん中にいるのでなければ、自分にあった先生が必ずしも近くにいない場合も多いですから、多くのひとにとっては独学が合理的な選択肢なのもそのとおりです。

ただし独学では、ほかのひとの演奏にあわせて弾くという経験が致命的に足りなくなります。ピアノはある程度以上のレベルになると、オーケストラの真ん中で弾くことを念頭につくられた曲の割合が多くなってきますが、伴奏やBGMの確保できない独学練習者の大人が詰んでしまいやすいのがこのあたりです。

少しレベルが高いピアノ学習者なら、YouTubeでピアノ協奏曲をいくつか検索して、お気に入りのものを探してみましょう。
ピアノ協奏曲第11番 (ハイドン)なんて、いかがですか?

ピアノ抜きの演奏をネット上で見つけることもできるので、こうした音源にあわせて演奏してみましょう。
大きなピアノ教室でも、こうして伴奏と一緒に弾けるような経験は数年に一回できるかどうかですから、普段からこうした曲を選曲して練習していれば、教室学習者以上にアンサンブルに慣れたアマチュアピアニストになることができます。

ジャズやポップスで、バッキング・トラックにあわせて弾いてみたいなら、iReal Pro(1,500円くらい)をダウンロードしてください。あらゆるスタイル、拍子記号、楽器のキーで、ほぼすべてのジャズ曲を演奏できます。

今の先生は、曲の構造についても教えてくれていますか?

アマチュアでも大きなコンサートに出たり、かっこよくストリートピアノを弾いたりしているピアニストの場合、彼らは一般的に、大手音楽教室にふつうに通っているのではなく、自分でかなりピアノの引き出しを増やすような習慣を持っています。

その基本は、普段から曲の構造を意識しながら、自分が弾く練習曲でないものについてもたくさん聴いて研究することです。

面白いリズムを持っている楽曲、特徴的な和音がなる曲、ちょっとつかみにくい長丁場のメロディの連続、いまは弾けなくても、面白いなと思う楽曲をいろいろと聴いて手元にまとめてみましょう。

できれば自分で研究することに加えて、先生に「この曲のコード進行の特徴はどうなっていますか?」「音階の形がここから変わっているようですが、これが曲の雰囲気作りにどのように影響していますか?」などと聴いて、助言ももらうようにしましょう。

大人のレッスンに慣れている先生なら、必ず曲全体のつくりの面白い点があるか即答できます。それが、作曲家が意図したことの半分くらいを占めているからです。

逆に、指のトレーニングだけに特化した先生なら、この質問に答えることはできないでしょう。大人は、直感的に脳が成長しながらレッスンを受けていく子どもとは違い、ある程度ピアノ曲を言語化して理解しなければ、一定以上にうまく弾くことができません。こうした先生の場合は、もしかすると大人のレッスンより、子どものレッスンのほうが向いているかもしれません。

大人がもっとピアノを楽しむ方法

独学でピアノを学んでいたり、いまの先生とのレッスンがマンネリになってきている場合、大人専用のピアノのオンラインレッスンや通信教育を追加することで、あなたのピアノライフは圧倒的に便利になるでしょう。

ピアノについても、2013年頃からかなりたくさんの革新的な学習法が登場してきました。もうアメリカでは、2020年以降実に6割くらいの楽器愛好者は音楽教室には通っていません。みんな、アプリや動画で勉強しているのです。過半数のひとがです!

現代では、最寄りの教室に一人だけ所属している先生に教わって、最寄りの教室主催の発表会に2万円払ってよしみで出演して終わり、という学習スタイルはスタンダードでないことを覚えておきましょう。

まるで個人にテーラーメイドで設計してもらえる旅行プランのように、世界中から世界中から自分にぴったりのレッスンをオンラインで選んで、また同じような音楽の嗜好をもったアマチュア同士で集まる発表会や同好会を地元で探してお互いに感想をシェアしあい、自分のブログやSNSを開いて毎日の練習成果や悩みを共有するのがこれからのスタンダードのピアノ練習法です。

ピアノの学習アプリのスタンダードとして、Yousicianがあります。
また、英語の分かるかたなら世界的な動画レッスンのUdemyがおすすめです。

36万人が高く評価している講座が、世界のどこからでも受けられます。

英語の講座は厳しいという方の場合、時間の定めなく受けられるピアノレッスンで日本で1番生徒数が多いのはフォニムです。プロの奏者が自分の練習に日々アドバイスや感想を届けてくれるのが目玉となっています。

無料のYouTube動画でも、とても質が高くて見入ってしまうようなものがたくさんあります。


独学用の本も、対面レッスンより質の良いものがたくさんあります。

ちょっと本が小さいので譜面台に置いて練習できないのが玉にきずですが、周りでも実際に無理なく続けられたというひとの多い名著です。本についているコードから、スマートフォンでお手本動画の視聴ができます。

本当の初心者、初めてピアノに触る方向けで、多少経験があるような方は物足りないかと思いますが、とてもわかりやすい本です。

DVDも、先生の声や姿が載っているものは珍しく独学で始める方にはとてもありがたい名著です。目で見てしっかりピアノが理解できるでしょう。