肯定の人らっだぁさんは時代の勝者である。

目次

第一章 肯定の人らっだぁさん。
第二章 時代の勝者としてのらっだぁさん。
第三章 ら民出身のゲーム実況者は輩出されるのではないだろうか。
余談


第一章 肯定の人らっだぁさん。
 らっだぁさんを知ったのは日常組とコラボしてマイクラ青鬼をしている動画を見た時だ。初めて見た時は人気の理由がわからなかった。しかし見れば見るほどらっだぁさんを魅力的に感じた。声が良い彼の声には色気がある。聞けば聞くほど親しみを感じる。
 彼は自分を「陰キャ」を称している。動画を見る限りどう見てコミュニケーション能力は高いのだが、本人曰くネット弁慶とのこと。なお本来陰と陽はどちらも対等なものであり、自虐としての「陰キャ」は誤用だ。しかしこれはらっだぁさん以外も誤用している。
 らっだぁさんは自分のことを「陰キャ」でコミ症と話している。自虐も多い。しかしとても楽しそうにしている。それが彼が人気である理由だ。
人気者にはいくつかのタイプがある。アイドル的な人気を持つ人もいる。しかしらっだぁさんが活躍し始めた時代のニコニコ動画で、アイドル的な人気の人と同じ数、もしくはそれ以上にいたのが、らっだぁのように自虐しながらも楽しそうしている人だ。
自虐は時にして不快感も与える。ならばなぜらっだぁさんは人気があるのか。その理由は彼が自分を肯定してくれるからだ。

 しあわせになるためにはこれまでの自分や今の自分を変えないといけない。それは間違ってはないが、それはこれまでの自分の否定でもあり、行き過ぎると生き方、人格の否定にも繋がる。

  彼が行っているのは「変わらないといけない」という価値観からの解放だ。別に「陰キャ」のままでもコミ症のままでもいい。大人になってもゲームをしていて良い。そのままの自分でしあわせになっていい。私の解釈ではそれがらっだぁさんの主張であり彼が支持される最大の理由だ。

 らっだぁさんは愛のある暴言のようなこと言ったり、言われたりしている。コメントなどでも結構失礼なことを言われたりしている。それを見て不快な気分になったり教育上悪いと思う人もいるだろう。しかし良いのか悪いのかなんで誰かが決めることではない。人それぞれの他者との関わり方だ。
 しかしそのような周りが見たらドン引きするような態度や、言葉が飛び合う場所を運営することは難しい。この人たちは本当は自分のことが好きだとわかっていても精神を病んでしまう人もいる。
 らっだぁさんは自分の世界観の創造と運営に成功している。誰が言い始めたかはわからないが、「らっだぁにどれほどひどいことを言っても実はみんならっだぁのことが好き」という雰囲気が出来ている。
 らっだぁさんの配信には視聴者が登場する。その視聴者はらっだぁさんに結構ひどいことをする。らっだぁさんも結構ひどいことをやる。事実だけ書き出せば、ファンが配信者に、配信者がファンにして良いことを超えていることもある。
 しかしらっだぁさんの世界観ではそういうことをしている人はみんならっだぁさんのことが好きだという暗黙の了解がある。実際彼の配信に登場している視聴者は原則として、彼に最低でも毎月数百円支払って参加しているので、実際彼のことや彼のノリが好きなのだ。
 もちろん、自分の周りに自分の好きな人しかいないとしても、上手くコミュニケーションをして面白い状態にできることは並大抵のことではない。それができるのは彼の高いコミュニケーション能力と器の広さ、カリスマ性の表れである。


 第二章 時代の勝者としてのらっだぁさん。
 突然だがらっだぁさんは時代の勝者である。彼はら民という事実上のオンラインサロンにたくさんの有料会がおり、彼らとともにした企画を動画サイトに投稿し、その広告収入でもお金を儲けている。
 オンラインサロンは元は社員が社長にお金を払って働く会社というのが元になった考えだ。らっだぁさんのオンラインサロンはらっだぁさんにお金を払い、彼の配信や動画に出演し、彼の動画のネタになることをすると言うもので、元のオンラインサロンの考えが成立している。
オンラインサロンには特に大きな弱点が二つある。一つ目はファンが勝手に雰囲気を作ってしまって、主催者の考えとは違う方向に進んでしまうことだ。二つ目は参加したものの、見ているだけで何もしない人も出てきて、サロンが盛り上がりにくくなるというものだ。
 しかしらっだぁさんはその二つの問題点を難なく解決している。
らっだぁさんの動画はサロン内の出来事を編集して公開していることとも言える。その動画は彼が一番面白いと思ったことを動画で上げている。サロンメンバーにとっても彼の動画を見ることだとても楽しいもので、サロンメンバーのほとんどが見ていると言っても過言ではない。
そのことかららっだぁさんは結果的に自分のサロンの理想的な在り方であり手本でもあるものを常にサロンメンバーに見せ続けることに成功している。
それは自分が動画にするような一番面白いと思ったことを参考にする人の増加にもつながり、サロンが自分の意図しない方向へ暴走しないよう制御することにも成功している。
 また彼のオンラインサロンはらっだぁが直接サロンメンバーに話しかけて回る方式であり、会話に参加しないということが難しいようになっている。そもそも見ているだけで満足する人は配信や動画だけを見ていればよいので、そもそもらっだぁさんのサロンに参加すること自体がらっだぁさんと会話したいと思う人の割合が多い。
さらに話しかけられた時に上手く返せなくていい。らっだぁさんが面白い感じにしてくれるし、らっだぁさんの世界観自体が上手く喋れなくても面白い雰囲気になるようになっている。そもそもらっだぁさんの世界観では上手く喋れない人も肯定されている。
 らっだぁさんは結果としてオンラインサロンの弱点を解決したオンラインサロンの運営をしていると言える。
 ちなみに彼のオンラインサロンの名前はら民だ。これかワタミとかけていると思われる。
ワタミは過労死も出しており、本来それをもじった名前を組織の名前として使うことはふさわしくないのだが、それをあえて名前に使っている。

 彼は切り抜き動画(誰かの動画を好きに編集した動画)を公開することを許可している。それ自体は良くあることなのだが、彼は切り抜きを自分の管理しているチャンネルに投稿させている。これもオンラインサロン的な思想だ。
 それはつまりファンが編集制作した動画を自分の動画として上げることが出来るということだ。
 らっだぁさんからすれば、自分の収入になるし、自分のイメージとは合わない動画は没にできる。
 視聴者からすれば安定した品質の動画を一つの場所で見ることができる。
 編集者からすれば自分の編集した動画を公式チャンネルに投稿することができる。
 編集者がただ働きしていることを除けば(もしかしたら私が知らないだけで編集者に給料が出ているのかもしれない)誰から見ても得する仕組みである。
 ただし最近は編集方法の変更もあるようだ。
 


 第三章 ら民出身のゲーム実況者は輩出されるのではないだろうか。
 ら民はらっだぁさんのことが好きな人の集まりであり、ゲーム実況の好きな人たちの集まりでもある。
 ゲーム実況者はだいたい誰かのゲーム実況を見て自分もしてみたいと考え始めている。らっだぁさんも過去の配信で、自分が影響を受けたゲーム実況者の存在を話している。
 最近ではらっだぁさん世代のゲーム実況者に影響を受けて実況者デビューした人たちの活躍が目立ってきている。
 そんな中でらっだぁさんに影響を受けてデビューした実況者はいるのだろうか。おそらく現在活躍されている実況者の中で昔らっだぁさんを見ていて好きでしたという人はたくさんいるだろう。
しかし「実況者の中でらっだぁさんのことが一番好きな人で、らっだぁさんとは別組織で活躍しつつ、たまにらっだぁさんと絡んだりしている人」は私は知らない。
 これは私の想像なのだが、そういう人はら民に参加するので、らっだぁさんと別でゲーム実況を始めたりはしないのだ。
 見方によれば、その結果、らっだぁさんは自分の思想や考え方、話し方を受け継いだ後輩実況者が出てこず、もし何かあって、らっだぁさんが、活動できなくなってしまった時自分のノリを受け継いだゲーム実況が途絶えてしまう恐れもある。
 らっだぁさんは見る人の悲しみや苦しみを肯定してくれる。そしてさらにたったの月額数百円で一緒に遊んでくれて動画を編集することもできる。
 例えば「いつか憧れと一緒に仕事するために自分は有名になってやるぜ」と言う人は結構いたりするが、その憧れの人がらっだぁさんの場合月額数百円で一緒にゲームでき、場合によっては自分とらっだぁさんの会話が動画にもなることだってある。。
 「いつかあの人に会うために努力してやるぜ」というギラギラしたものはらっだぁさんファンには必要ない。
 それは一見悪いことに見えるが、見方を変えれば良いことでもある。ギラギラしたものには良い面と悪い面があって、何か目標をもってそれに向かって一直線に進んでいけば目標は叶うかもしれないが、それ以外の大事なものが見えなくなる恐れがある。
 そもそもらっだぁさんの自虐や「陰キャ」、コミ症の肯定はそういうギラギラとしてことをしなくても、しあわせに生きていけるんだという考えだと説いているのだ。
 
それならば、らっだぁさんから一番影響を受けた実況者は出てこないのだろうか。それは違う。これから数年でどんどん輩出されていくだろう。
 私はその第一弾は緑色さんではないだろうか。彼はらっだぁ運営と言うらっだぁさんのサポートをする組織のメンバーであり、事実上のらっだぁさんのチームメイトと呼べる存在である。彼はこれまでらっだぁ運営として長い間活動してきた人だ。
 現在らっだぁ運営には緑色さん以外にも金豚きょーさん、レウクラウドさん、コンタミさん、近海の鯖さんがおり、らっだぁさんの配信の運営を担当したり、らっだぁさんと一緒にゲームをしたり、ソロ活動を行ったりしている。
 そんな緑色さんがらっだぁ運営に所属しながらこの数カ月急にらっだぁ運営、ら民と直接的な関係がない人とコラボすることが増えていった。
 彼はもともと自作ゲームを制作し、それをユーザーに遊んでもらうなど、実況者として、らっだぁさんに近いことを行っている言うならばらっだぁさんの配信から影響を受けた実況を行う実況者だ。
緑色さんはもともとらっだぁさんがゲーム内のコマンドをできる人を募集した時、コマンドが出来ないにも関わらず、出来ると話、コマンドの勉強を初め、コマンドを習得し、らっだぁの運営を支えた人だ。
それは前述『「いつかあの人に会うために努力してやるぜ」というギラギラしたものはらっだぁさんファンには必要ない。』というものとは違うのである。なお明確な日程は不明だが、緑色さんのらっだぁ運営加入は当時はら民もらっだぁさん運営の切り抜きチャンネルもなかったはずだ。
 これまでらっだぁさんのチームメイトを中心にソロ実況をたまにしているという感じだったのが、ソロ実況やコラボ実況をしていくことは急に増えた。それは彼がらっだぁ運営に所属しながら、らっだぁさんと並ぶゲーム実況者になろうとしていることの表れではないだろうか。緑色さんはらっだぁさんから多大な影響を受けた実況者としてこれからこれまで以上に活躍していくのではないだろか。
 緑色さんだけでない。金豚きょーさんも彼単体として、ヴィレッジヴァンガードとのコラボグッズが発売されている。時期的にはらっだぁさんがヴィレッジヴァンガードとコラボグッズを発売した時と近いので、彼のファンが購入することも考えた上で発売だと推測できるが、金豚きょーさんのグッズにはらっだぁさんのらの字もあえて書かれていない。
 コンタミさんもらっだぁ運営外の人とコラボしている。またこれは2019年のことだがVTuber化もしている。所謂VTuberと異った雰囲気を持っているが、本人がVTuber化したと自称している以上VTuberである。
 このようにらっだぁ運営のメンバーはこの一、二年急にらっだぁ運営関係外の実況を増やしている。中でも緑色さんが特に積極的にコラボ活動をしていっている。
 彼らはらっだぁ運営としての活動も積極的に行っている。それをしながら個人の活動も行っているのだ。

 私の予想ではこれからら民出身の配信者、動画投稿者は増加する。これまではらっだぁさんは自分たちを肯定してくれている。そのため今の自分が不幸な人がしあわせになるためにするがむしゃらな努力はしないで良い。
 しかししあわせな人はそのしあわせをかみしめた後、さらにしあわせになるための努力をすることは出来る。
 近年配信者、実況者、動画投稿者の社会的立場が上がった。以前だったら意味のないことのように扱われていたが、最近では将来の夢になるような仕事としている。現在ではYouTuberへのスーパーチャットランキングに日本産のYouTuberが上位だったりする。また日本のVTuberが海外向けに仕事をしていることもある。
 これはある構造に似ている。アニメだ。かつてはアニメや漫画、ゲーム、特撮などを大人になって楽しんでいることは変なこと扱いされていた。
 しかし今ではそれが海外でも人気があると言うことで、お金を稼ぐための手段として評価され、結果的に「日本が誇る文化」のような扱いを受けるようになった。現在では政治にも利用されている。
 後10年後には配信者や動画投稿者もアニメや漫画、ゲーム、特撮などと同じようにお金を稼ぐための手段として評価され「日本が誇る文化」となる可能性が高い。最もそれはいいように利用されているだけとも言える。
 それ以外にも単純に動画サイトを見て育ってきた世代が社会を担うようになってきたことで、動画サイト文化自体がやや美化されて再評価されつつあることも関係していうだろう。
 このように様々な要因により配信者や実況者、動画投稿者が社会的に憧れられるような仕事になっている。
ら民メンバーはらったぁに月額数百円払うぐらいにはゲーム実況のこともらっだぁさんのことも好きで、親しんでいる。らっだぁさんの動画が撮影されている場所に何度も立ち会っているとも言える。おそらく私の何倍もらっだぁさんに詳しいし、らっだぁさんのノリも理解しているし、らっだぁさんのどこが好きなのか、どういうところがいいのかもわかっているはずだ。
 今はまだ配信者や実況者、動画投稿者が社会的立場が弱い。そのためあえてする必要がないが、時代が変わりそういうことをすることが好まれる時代になればら民のサロンメンバーの内何割かが自分でも活動を始めるかもしれない、そしてそのうち何割かは成功するだろう。

 ゲーム実況者の社会的立場は今後上がっていく、前述したような理由で「日本が誇る文化」になるかもしれない。らっだぁさんや彼の親しい実況者たちが、歴史に名を遺す可能性だってある。
その場合どのように名を遺すだろうか「視聴者参加型の実況者として長年活躍し、自身で管理する切り抜きチャンネルや、ゲーム実況者が行うオンラインサロンの成功例を示した実況者」として名前が残るかもしれないし、「あの歴史的実況者に影響を与えた人」としてかもしれない。
 10年後のらっだぁさん切り抜きチャンネルで一番再生されている動画は「あの人気配信者がデビュー前にら民として活動していた頃の活躍集」や「あの人気動画投稿者が編集して切り抜きチャンネルに提供した動画」かもしれない。


余談

 将来らっだぁさんが歴史に名を遺すならば、この文章は歴史的人物の同時代を生きた人の反応として研究の素材となるかもしれない。


 私はここ最近好きな実況者について書いている。それは好きな人の好きなところを他の人に知って欲しいからだ。
 書いていて嬉しい反響をもらうことが多く、書いている中で自分の書いたことが、将来、ゲーム実況を読み解く上での資料として使われることがある可能性を感じている。
自分が好きなものの好きなところをブログやnoteで書いていくことで、自分が思うその人の魅力が人に伝わりやすくなる。そして未来には今の時代を生きる私たちが何をどのように好きだったのかを知る資料になるのではないだろうか。
私の場合過去と言うほどではないが、アニメや特撮などの昔の作品が当時どのような反響があったのか考えていた時があり、その上で当時のファンの書いた文章などが参考になることがあった。
自分がそういう資料を見て楽しんだことがあるから、自分の好きな人たちのことのことは本気で考えて、魅力を文章にしてネットに投稿している。
しかし私一人の証言では偏りが生まれるのでいろんな人が書くことが望ましい。得にらっだぁさんの場合は私よりももっと詳しい人がたくさんいる。そういう人たちがらっだぁさんについて書いていくことで、らっだぁさんの凄さがたくさんの人に伝わるのではないだろうか。私も是非読みたい。
動画投稿者や配信者のことを「好きです」と短めの文章を書いている人は多くても、ある程度の長さで自分はどういうところが好きなのか書いて、いろんな人に見やすいところに公開している人はまだ少ない。
これは動画投稿者や配信者に関わらず他の娯楽作品にも言える最近の傾向であり、正直不気味でもある。
好きな人について書いていけば自分が相手のどこが好きなのかを改めて考えるようになる。そして読んでいる側からしても共感できるところがあってとても楽しい。
 この文章では私が思うらっだぁさんの凄いと思うところを書いた。しかし私が知らないらっだぁさんの魅力がまだまだたくさんあると思う。らっだぁさん以外にもこれまで私が書いてきたたくさんの人やものについて、私とは全く違う切り口で考えている人が何人もいるだろう。そんな人たちが書いた文章を私は読みたい。

追記

この記事を書いた11カ月後に短めの続きを書きました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?