別れの朝 振った彼も泣いていた。

片付けもある程度終わり、時計は25時を過ぎていた。

別れを告げられて、2時間位が経っていた。

彼はお酒を飲み出した。

私 「4年かぁ」
彼「そうだね」

「これから ご飯とかどうするの?普通に家政婦雇ったら?」
などと、笑いも混じえながら普通に喋っていた。

26時になり、そろそろ寝ようと私は寝室に行った。
彼も遅れてやってきた。
ベッドが2つ並んでいてそれぞれで寝ている。

片付けをしている時に、懐かしいものが出て来てそれを眺めていた。
付き合って1年記念日に私がつくった、アルバムだ。
そこには、まだラブラブの2人がたくさんいた。

「この時痩せてるー」 「ここ懐かしいね」

なんて話していたあの時間、あの空気、今思うとおかしいよね。
別れる2人なのに何してたんだろ 泣笑

寝た。
彼は5秒で寝れる人なので、すぐ寝息をたてて寝始めた。
私はと言うと、寝られない。
寝られるわけが無い。
右を向けば彼が寝ている。
翌朝、荷物を持って鍵を置いて、さよならをするんだ。
寝られるわけが無い。
色んなことが頭をぐるぐる。
別れることに関しては異議なし!
正直な気持ちで間違いはない。

でもなんでこうなったんだろう…
そんなことを考えてほとんど寝られなかった。


翌朝、車に荷物を積むので早めに起きた。
彼ももぞもぞと起き出してきた。
すると、スマホから音楽を流し始めた。

玉置浩二のメロディ だった…
“こんなにも 好きだった… ”

この始まりに、涙が溢れた。
ドラマのように、涙がつつつ…と流れていった。

「泣かすねぇ」
私は笑いながら、泣いていた。

すると、彼も眼鏡の下で泣いていたようだった。

ベッドから起き上がり、寝室の窓からいつも見る風景をぼーっと眺め、ここから見る景色も最後かぁと心の中で思い現実の世界に意識を戻した。

1人でバタバタと片付け、彼の家の中には私の私物はほぼなくなった。
一緒に住んではなかったが、細々と色々な物があって軽い引越し状態だった。


「さて、そろそろ出ようかな」

鍵をテーブルに置いた

玄関に移動する

彼も私の後ろに続く

靴を履き、振り返る

彼の目は涙で潤んでいた

私ももちろん涙でいっぱいだった

「ありがとね」

私から握手をして、

「んじゃ、」

ドアをしめた

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