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オトラボ営業部長の第4章

2022-12-19


もうすぐクリスマスですね、皆さんいかがお過ごしですか?
出口です。

第四章
<光を失ってから勝ち取ったもの>
ちょっと私の思いとか、なんとか熱く書いてます。

なんか 重い感じを受けられた方も多いかもしれないですが、
もう少し我慢して読んでもらったら嬉しいかもです。

私、先天性視覚障がいを持つ、働き盛りの50代男性。
花嫁募集!は、ちょっと冗談ですが、
でも男50で自分の顔に責任を持て!
なんて言われますが、
もう そんな 時間が経っていたんですよね。

なんか、長いようで短いような不思議な気持ちです。

約10年前から
段々と視力が落ち始め、6年前の夏頃に光を失った。

そうそう、あの頃 
あれは… 
自宅で治療院を開院し傍ら
他の治療院に勤めて無理していた頃 
勤務先に向かってる途中の道で
急に、全然見えなくなってきた
 
そんな、記憶がよみがえってきました。

どこにいるのかパニックになり、
人通りの少ない近所のありきたりの道で
お店の人に、今私はどこにいるのか?と
尋ねた記憶もよぎってきました。

職場に状況を電話したら
「今日は休んで、この埋め合わせを違う日に設定してくれ」
と冷たい返答。

でも自分が選んだ勤務先なので、それを受け入れ
しばらく無理をし、

その年の秋頃

勤務先から帰る電車の最寄りホームから転落し、
這い上がったものの… 
でも幸い、左かかとの骨折だけで命はとりとめ
入院を経て、
しばらく引きこもっていた状態で…

(でも こんな事 何年もやってる訳にはいかない     
早く 立ち直らんと…
 まだ 若いんやし )

自分自身に言い聞かせながら、家族に背中を押され。

まず始めたのは、
訪問指導で点字を学んだ。

半信半疑でとりあえず(読み)だけでも、
盲人の文字をマスターしたい。
そんな衝動にかられ、
音声パソコンもろくに出来なかった私を、
逆境の奴が奮い立たせてくれた。

お陰様でなんとか読みは、
一通り点字雑誌の「点字毎日」と言う 
視覚障がい当事者の事を記事にした
毎日新聞社が発行している点字の新聞を 
なんとか読めるようになっていた。

読みさえすれば
なんとか生きていける、最低限は。

でも、所属している当事者団体で理事選挙があると言う事で、
点字の訪問学習中に講師の方に、
私の所属団体に点字を広める部署を立ち上げてほしいと、
要望が私にあり、
以前から私も危惧していた、視覚障碍者の点字離れを払拭するべく、
点字講習会を四年前に立ち上げました。

でも当初はまだ理事になる前、
講習会とは程遠く講師の先生も呼んでくれない状態。
理事就任二年を経て、
やっと講師を呼べる講習会にふさわしい形になって
現在に至っています。

点字が読めさえすればそれでいい、
と言う衝動に加え更に「もっとスキルを上げたい」
   
そんな当たり前の衝動が芽生え、
って言ったら、格好つけ過ぎ。

実は 実は
私が団体の理事に就任する前
(パソコンなんか出来なくても理事は務まる)
って言う、上の人のいう事を真に受けとめてしまい、
理事就任後 パソコンの重要性を凄く痛感させられました。

理事就任一年目の全国大会に出席した時、
パソコンを持ってない私は スマートフォン録音機能と、
icレコーダーの二刀流で大会の記録をして、
その日の夜中に個室でテープ起こしをし、
その内容を何日もかけガラ携帯に打ち込み、
上司にせかされ送信していた頃を思い出してます。

今 思えば(よくそんな面倒な事やってたな)
 
P Cなら、私たち全盲のものでも簡単にこなせるのに…

見えていた時は、パソコンは得意でないものの、
記録をつけたり、よくコミュニティーサイトでコメントなど書いたり
自分自慢をやっていましたね。

あの動画入りの自分は
今は記憶と共にどこか遠い場所に
埋没してしまったんだろう。

全く見えなくなってから、
苦手だった音声機能に頼るしかなかった。
良く見えていた時 
「見えなくなった時の為、音声機能を始めた方がいい」
と言う他人の意見に全く耳を貸さず、
白黒反転の一見、目にやさしそうな文字列で
目を酷使していた後悔の念も、
もう遠い記憶に埋もれてしまった。

音声機能ソフトを設定したパソコンに思い切って替え、
やがて作業効率がグンと向上し、
理事での仕事が楽しいと思える程、
余裕が出てきました。

理事の報告書・申請予算書・決算書等
まだエクセルでの作業は大苦手なものの
ベタ打ちでの数字を要する作業も、
自分なりにこなしています。

理事会義で以前オンラインズームを使った会議を試験的に行ったことも有ります。

パソコンを使えない理事も参加出来るよう、
ガラ携帯でのチャット機能を併用し、
議事に臨んだ事もあったものの、
ハウリング等不具合で断念した経験も有りました。

でもこんなささいな失敗も、
肥やしになっています。
今では固定電話でも出来るチャットで、
十人以上の参加出来る会議にも望んだりしていますね。

ちょっと長くなってごめんなさい。

ここで感じる人も多い疑問は、
全く見えないものが
パソコンで
音声に頼りながら
エクセルやズーム、特にそのホスト機能を使いこなせるのか
と言う思いが当然ある事でしょう。 
   
幸い、私の近くに音声パソコンを使いこなした健常者の方がおられて、
指導してくれたのが、私が見えていた時より
パソコンが好きになり、
スキルを上げてくれた恩人の存在だったんですね。

その方は視覚障碍者に特化した事業所の職員ですが
私の恩人の一人です。

だから見える方もちょっと音声機能での、
エクセルやズーム機能を試されてみてもいいのでは…  

視覚障碍者のサポートをしながら
それを学ぶ機会もあるはずですね。

ちなみに、
先天盲の方でエクセルをこなす方もおられて、
その方も私の恩人の一人です。

それでは、また次回。