ヒデキ
久しぶりのおじさん図鑑。
彼の名前はヒデキ。
顔は控え目に言って竹野内豊だが、身長が低く中身がとんでもなくくずである。
無鉄砲にお酒を飲むのだがすぐに酔う。
そしてすぐに寝る。
先日は、友人と飲んでいたが深夜に目が覚めたら道端で寝ていたらしい。
今回はそんなおちゃめなヒデキの話だ。
彼とは何度か飲みに行っており、先日は一緒にゴルフに行く予定だったが雨で中止となり、取り敢えず昼から飲みに行く事になった。
11時半。
亀戸餃子でビール大瓶3本。ヒデキは電気ブランを4杯追加。
12時半
ヒデキの提案でなぜか錦糸町へ移動。
酔ったヒデキが「何で錦糸町に来たの？」と言い出し既に嫌気がさす。
マイバスケットで酎ハイを買って飲み始める。
13時
ヒデキの提案で浅草へ移動。
酔ったヒデキが「何で浅草に来たの？」と言い出しもう帰りたくなる。
取り敢えずホッピー通りへ向かうもヒデキは合羽橋へ歩き始める。
すれ違う人々へ「いぇーい！」「その動画、YouTuber？」と話し掛け始め私が終始謝る。
捨てて帰りたい気持ちをグッと抑えホッピー通りへ連れて行く。
13時半
ホッピー通りでハイボール。ヒデキはビール。
お店のお姉さんをナンパしている。
14時
ホッピー通りに飽きたヒデキは急に徘徊を始める。
一つのお店に腰を下ろせないらしい。
1時間程カラオケに連れて行くも「ここどこ？」と何度も言う。
ハイボール。ヒデキはジンライム。
トイレに行って帰って来るとジンライムを盛大にこぼしてマスクをびしょびしょにしていた。
捨てて帰りたい。
15時半
終わり方が分からない私は途方に暮れる。
取り敢えず浅草の隅田川沿いで休憩しようと、ビショビショマスクをしているヒデキの手を引いて歩く。
目を離すといつの間にかストロングゼロをコンビニで買って来た。
更に横断歩道で頭から転ぶ事3回。
こめかみ、左肩、両膝下から流血をしている。
周りから不審な目で見られながら、42歳のおじさんの手を引き隅田川へ向かう。
16時
ストゼロを飲みながらうたた寝をする血まみれのヒデキを横目に途方に暮れる。
酩酊流血おじさんを捨てて帰る訳にも行かず、苦肉の策を実行する。
17時
浅草にある数少ないさびれたラブホへ入る。
ヒデキは入るなり爆睡。
2時間後に起こそうとアラームを掛ける。
「使用不可」の張り紙が貼ってある、エアシューターのあるレトロな部屋だった。
19時
ヒデキを起こす。
起きない。
20時
ヒデキを叩き起こす。
起きない。
置いて帰ろうとするも、精算しないと部屋から出れないシステムだった。
21時
ヒデキを叩き起こす。
起きない。
22時
ヒデキを叩き起こす。
起きない。
23時
ヒデキを叩き起こす。
やっと起きる。
23時半
二度寝したヒデキを叩き起こす。
スマホと財布がないと騒ぎ出した為、訪れた店に電話をして後日取りに伺うと告げる。
その間ヒデキは優雅にシャワーを浴びる。
24時
休憩3時間に加えて、延長4時間の精算が2万6千円。2人で絶望する。
財布をなくしていたヒデキの代わりに私が立て替える。
スマホと財布を取りに行くヒデキが明後日の方向に向かうのを是正しつつ、嫌気が限界に達し先に帰宅する事を決意をする。
ラブホに行って本当に何も無かったの？
そこまで優しくしたんだから恋愛感情があるんでしょ？
なんでそんなクズと何度も会うの？
と言われてしまうかもしれないが、ヒデキとはそういう関係になりたいとか恋愛感情は全く湧かない。
ではなぜそこまでしてあげるのか？
もうお気付きだろう。
ヒデキは憎めないキャラなのだ。
読んでいるそこの貴方もヒデキに夢中なはずだ。
皆さんの周りにいる、ちょっと憎めない「ヒデキ」の話も聞かせて欲しい。
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