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第1回声劇挑戦大会の一次選考と感想

3月11日17:47追記
こちらの発表日が3月11日になっておりましたが、正しくは3月18日となります。失礼いたしました。

どうも、バナナおじさんです。

第1回声劇挑戦大会へのご応募ありがとうございました。
一次選考の通過作品を掲載いたしました。
一次選考について通過作品の選定は本当に悩みました。

一次選考を通過できなかった作品の中にも面白い(気になる)作品はたくさんありましたが、総合的に判断して、どうしても一次選考を通過できなったという作品があります。
今回、自分が一次選考で基準にした点や重視した点について解説しますので、第2回声劇挑戦大会の参考になればと思います。


一次選考の評価軸

自分が一次選考で注目した点は5つの軸で評価しました。
・声の演技力
・作品の演出力
・音のクオリティ
・アダルト感
・オリジナリティ
です。

国木田先輩のシーンについて

この作品は、国木田先輩の
1:添削の会話
2:昨日の件
3:告白
3つのシーンで構成されているのですが、添削シーンは作品の演出力を重視し、告白シーンは声の演技力を重視しました。その上で演技と雰囲気で作品全体の流れに変化がつけられているか。
この点を審査基準として選考しました。
国木田先輩と泉君の距離感を掴んでいる作品が一次選考通過作品になります。音質については、たしかに良くないものもあるのですが、それよりも作品全体としての世界観づくりがうまくできているかどうかを重視しました。
そこに加えて、国木田先輩のアダルト感(エロさ)とオリジナリティでプラスしました。

声の演技力について

声で演技できているかなのですが、
①:今回演じてもらった国木田先輩のキャラの理解度
②:台本を読んでいるだけになっていないかどうか
この2点で審査しました。
①は国木田先輩というキャラクターをどこまで声の演技で落とし込んでいるかという点です。
色んな感情がぐちゃぐちゃになっている告白シーンが本作のクライマックスです。クライマックスシーンまでに国木田先輩の持っているコンプレックスや感情、性格をうまく出しきっておかないと、この告白シーンが活きてきません。
今回は国木田先輩というキャラクターを演じる、がテーマの一つなので、国木田先輩というキャラクターイメージとズレていないかどうかです。特に告白シーンにおける国木田先輩のセリフからキャラクターイメージを掴んでもらい、そのイメージでスタートできているかどうかを選考基準にしました。
②は冒頭から添削についての細かいやり取りが続くので、国木田先輩の性格を聴いている人に印象づける必要があります。(セリフはないけど隣にいる)泉君との会話なので、一方的に話をすると、読んでいる感じが出てしまいます。ここは泉君とのやり取りを意識しているかどうかを基準にしました。
声の演技力で一番重点を置いたシーンが、告白シーンです。告白シーンは感情がいくつも重なり合うシーンなので、性欲的な爆発から起きる激しい、視聴者を興奮させる演技だけではなく、性欲的な爆発と一緒に、コンプレックスや愛情といった重なり合う、国木田先輩の心を声で演じる必要があります。このシーンを上手く演じられたかどうかについて、声の演技力があったかどうかを審査しました。

作品の演出力について

これは会話と会話やシーン変化が起きるときの「間」の使い方です。チャイムや椅子の音などの効果音はオリジナリティとして加点要素にしていますが、ここでいう演出力で大事なのは「間」の使い方です。
この作品、後半から一気に動的となるので、前半の静的な会話でジワジワと聴いている側と皆さんが演じる国木田先輩の距離感を詰める必要があります。
最初のセリフから間の取り方で国木田先輩の印象がかなり変わります。
ちゃんと台本を読まないと…と思って、最初からかなりテンポの速い方もいらっしゃいました。思っている以上にテンポが速くなっているので、ゆっくりとした会話を意識しないといけないのが本作の前半です。最初のセリフの出だしが速いと、添削アドバイスシーンの展開全体速くなってしまいます。そうなると視聴者は置いてけぼりになってしまいます。
この作品の世界観に視聴者をどう引き込むかが作品の演出力です。

添削シーンから昨日の件を話すシーンに、一つ大きな「間」があります。添削シーンから昨日の件について、国木田先輩が話すシーンです。
ここで添削シーンと昨日の件を話すシーンの間に「この後、何かが起きる」と視聴者に意識させる演出する必要があります。間のタメだったり、ちょっとした言い方に工夫を入れる等のひと手間がその後に活きてきます。
告白シーンになると、演技が激しくなって国木田先輩のキャラクターがブレちゃってしまう(応募者の素の声になる)パターンもありました。激しい行為の演技はとても良いのですが、そのことに引っ張られてしまって、告白シーンの重要性を見失ってしまう感じでしょうか。
告白シーンでキャラを一度コントロール制御するために冷静になる必要がある(録りなおすことや、告白の前に一拍置くなど)ことを認識するのが演出力かなと思います。

音のクオリティについて

口のリップ音やノイズをうまく整音できているか。要はキレイに録音できているか、です。
高度な技術を審査対象にはしてません。聴いた感じで極端に音が小さい、大きい、あとは激しいシーンになると、ノイズが大きくなってしまうなど、全体的にノイズ等が作品を聴く上で邪魔になっていたかどうか、です。

アダルト感について

これは「国木田先輩のエロさ」につきます。恋愛要素はありながらも、R18作品として重要な点が「国木田先輩の欲望(アダルト)表現」です。作品の演出や、演技力とも関わってきますが、ココはとても重要な要素です。
上で説明した①→②→③の要素すべてに関わってくるのが、国木田先輩のアダルトな表現です。
めちゃくちゃエロいなあ!と感じる声の方もいらっしゃいました。で、それを感じさせるには序盤から国木田先輩のキャラクターイメージを声で表現する必要があるわけです。

オリジナリティについて

例えば、ASMRにしてささやきを入れるとか、チャイムや効果音をうまく入れてながら世界観づくりをしているか、等の作品づくりへの細かい部分まで作り込んでいるか、という点です。
ココをしっかり作っていた方も多かったです。皆さん、本当にディレクターに向いてるなと感心しました。

最後に

第1回声劇挑戦大会に70作品以上の応募がきたというのが本当にありがたかったです。ありがとうございました。
ちなみに第2回が「なぜ女性なのか?」という意見も見かけましたが、これは2本分を一度に収録した2本録りという製作的なコストバランスが目的です。
女性→男性と交互にできればよいのですが、その辺は第3回、4回以降でどうするか決めていきます。

国木田先輩というキャラクターをどう演じるかだったので、また別のキャラクターだと違った結果になると思いました。
もう少し年上のキャラクターや明るい性格のキャラクターが登場する作品から選ぶことも考えています。
男性ボイスも作品として審査しました。男性だからダメだということはなく、審査基準である上記に照らし合わせてみました。

大賞、準大賞について自分は特に審査しませんので、古河徹人さんがどういった審査するのか楽しみです。

それでは3月18日の結果をお待ちください!!

OTOBANANA運営プロデューサー
バナナおじさん

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