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階層思考入門

物事は全て階層的に積み重なった
重層状態にある……

目の前の事実や現象といった具体的な事実も、
それを発生させた原因となる物事があってのことだ。

よく例に出す話題は、
『とても惨めな午後を過ごした』
という一行日記だ。

正直、これではよくわからない。

なので、階層的に考えることにしよう。

まずは単語に分解する。
『とても』『惨めな』『午後』

そこから、抽象度の高さ(抽象的で大きな言葉)から並べ直す。

『午後』『惨めな』『とても』

だが、ここで考えてほしいのは、

 ・これらの言葉の前後にキーワードが隠れていないか?
 ・限定的に表現しているが、他の認識はないのか?

ということ。

『午後』よりも抽象度が高いキーワードは『1日』
『惨めな』よりも抽象度が高いキーワードは『感情』
『とても』よりも抽象度が高いキーワードは『度合い』

ここから再度階層的にしてみると、

日記
— 一日
—— 午前
—— 午後
———-天気
————晴れ
———-出来事
————よい
—————談笑
—————友人
—————カフェ
————わるい
—————-連絡
——————-病気
——————-失敗
———————-叱責
————————-感情
—————————-惨め

こうなる。

単語だけで表現されているが、
より具体的にイメージできるし、
惨めな感情になったのが、午後全体ではなく、
一部の出来事に起因しているのであって、
良かった事もあったかもしれないのだ。

最初の『とても惨めな午後を過ごした』では
表現が浅く、事実とは異なる事を
日記にしてしまっている場合があるのだ。

もし、あなたやあなたの周囲の人が
階層的に物事を考えられず、
限定的な思考に陥っているのだとしたら、
一緒にひもといていってあげよう。

あなた自身の事ではなく、
誰かの悩みでこの考え方を練習するのが
最も効果的だから。

臨床共育メンター(R)齋藤 信
作業療法塾 主宰

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齋藤信@シゴトバ
「臨床共育」の研究と実践の資金になります。論文化、書籍化のあかつきには、優先的に講義をしに伺います! あなたの情熱にありがとう!