蒼影

(作品全てはフィクションであり、実在する人物、団体等は一切関係ありません。)

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最近の記事

鎮魂歌 モーツァルト ニ短調  K.626

人付き合いなんて適当で良いんじゃないだろうか? わざわざ人を好きになる必要あるとも思えないけど。 嫌いになる必要も無いかもだけど。 適当に当たり障りないように生きていけば良いじゃんね? 俺ってば物心ついた頃から、家でも外でも一人きりだっな。 別にそれが当たり前だったから、自分を可哀想だなんて思った事も無いんだけどさ。 それより、人ともっと関わりなさいってって言葉の方が違和感どっぷりだわ。 一人で何の問題があるんだか。 パートナーとかいるのか? 1人が楽で良いさ。 今更、ね。

    • 逃避行

      「あんたのお母さん、可笑しいね」 婆様はロングのタバコをふかしながら、そう言うんだ。 婆様のタバコを吸う姿は、それはそれはカッコ良くて。 俺は婆様が何を言ったかなんて聞き流して、ただその姿をボーッと見つめてた。 これが唯一の、俺と婆様との思い出だ。 時刻は真夜中、ふと目が覚め俺はそんな事を思い出しながら煙草に火を付ける。 確かに母さんはちょっ様子がおかしいんだよな。 「やっべ」 3日後に、母親の誕生日であるのを思い出し、何も準備してないのを思い出す。 困った時の唯一の友、

      • 人生紙一重

        俺の人生、空白が多すぎんだわ。 何十年も生きてきたけどさ、思い出す事があんまし無いんだわ。 ほんと困っちゃうんだわ。 俺さ、ここ数年、人と思い出を語り合う事をさ、しなくなったんだわ。 何故ならさ、記憶が皆んなと違うんだわ。 話すイベントは一緒のイベントなのにさ、内容が全く違うんだわ。 連れとさ、過去の話題になる時はさ、恐る恐る自分の記憶を晒す様になっちまってさ。 ちょっとずつ、正解である事を確信しながらさ。 その記憶の外堀から埋めていくわけ。 でもさ、イベントの核の話まで行く