ドクターこどかん

主に小児にまつわる感染症、あるいは小児の情報を発信します。備忘録、メモも兼ねています。…

ドクターこどかん

主に小児にまつわる感染症、あるいは小児の情報を発信します。備忘録、メモも兼ねています。投稿は全て個人の意見及び考えです。臨床応用への責任は負いかねます。

最近の記事

豚レンサ球菌感染症

和病名  :豚レンサ球菌感染症 英病名  :Streptococcus suis infection 病原体  :豚レンサ球菌 / Streptococcus suis 病原体分類:細菌 (GPC chain) 媒介者  :豚 流行地域 :世界中どこでも 曝露歴問診:生豚肉との接触歴(肉に串を刺す、殺解体など)       豚の敗血症、髄膜炎、肺炎などをきたす 感染経路 :ヒトヒト感染の報告はない 急性期症状:高熱、倦怠感、嘔吐など(髄膜炎症状) 合併症  :豚と同様 確定検

    • 小児のセフィデロコル / cefiderocol (フェトロージャ®︎)

      小児投与量 添付文書:記載なし(小児等を対象とした臨床試験は実施していない) Lexicomp:記載なし ref1:下記のTable.参照(年齢と出生週数で定義される) ref2:体重34kg未満は、60mg/kg/回 8時間毎 3時間かけて投与 ref3:60mg/kg/回 8時間毎 成人量投与 添付文書:2g/回 8時間毎 3時間かけて点滴静注 Lexicomp:2g/回 8時間毎 ※CrCl 120ml/min以上は2g/回 6時間毎 ブレイクポイント ・CL

      • 鼠咬症

        和病名  :鼠咬症 そこうしょう 英病名  :Rat bite fever 病原体  :①Streptobacillus moniliformis, ②Spirillum minus, ③Streptobacillus notomytis (稀) 病原体分類:①GNR, ②らせん菌,③GNRで①と同様 媒介者  :齧歯類rodents(ネズミ、モルモット、リス) 流行地域 :世界中で発生(国内発生あり)①米国、②アジア、③日本 曝露歴問診:齧歯類との接触、咬傷、齧歯類の唾液や

        • マールブルグ病

          和病名  :マールブルグ病 英病名  :Marburg virus disease (MVD) 病原体  :マールブルグウイルス / Marburg virus 病原体分類:RNA virus 媒介   :オオコウモリ / fruit bat / Rousettus aegyptiacus 流行地域 :サハラ以南アフリカのみ 問診   :アフリカのオオコウモリの糞、洞窟 感染経路 :ヒトヒト感染する アウトブレイクあり 潜伏期  :3〜10日(2〜21日)

        豚レンサ球菌感染症

          テトラサイクリン系と歯牙黄染

           総括 ・特に8歳未満へのテトラサイクリン系抗菌薬はなるべく避ける ・必要性がある場合、ドキシサイクリンで治療開始することを検討する テトラサイクリン系と歯牙変色に関するReview Int J Dermatol 2004;43:709-715. 【機序・総論】テトラサイクリン系は、カルシウムイオンをキレート化し、歯などの石灰化している組織に取り込まれる。沈着量に影響を与える因子は、投与量、投与期間などである。歯の変色は、体重に対する投与量や薬剤によって、黄色、グレー、

          テトラサイクリン系と歯牙黄染