見出し画像

ボーズの工場再生品がぶっ壊れていた

クレーマーみたいになると嫌なので、三連休に投稿するかどうか迷い続けながら本記事を書いていましたが、僕と同じ状況で気づかないまま手遅れになる方がいるといけないので投稿します。

この記事で最もお伝えしたいこと

Bose の工場再生品を発注したらぶっ壊れたヘッドホンが届きました。購入された方は、到着後速やかにノイズキャンセリング機能も含めて、確実にテストされることをオススメします!

時系列まとめ

  • 2023 年 7 月 4 日に工場再生品の紹介メールを受信

  • 2023 年 7 月 5 日に購入

  • 2023 年 7 月 7 日に商品が到着し、視聴して右耳に異常を確認

  • 2023 年 7 月 7 日に返送、交換品待ち

  • 2023 年 7 月 12 日 航空機アダプター到着

  • 2023 年 7 月 13 日にアメリカから無音の電話

  • 2023 年 7 月 14 日に謝罪の電話で返金で終了

前提

僕は、愛車も BOSE のスピーカーがついているからという理由で購入を決めましたし、BOSE の音の作りが好きです。BOSE 社に恨みなどありません。

今回のやりとりには学びが多くあり、BOSE の対応はカスタマー・オブセッション経営の逆側にあると感じる部分があるものの、外資の企業らしい毅然とした対応は一部、日本の企業も見習うべきところがあると感じています。

また、中古ではありますが、もう一台購入しました。
めちゃくちゃいい音です!

購入までの経緯

工場再生品の紹介メールを受信

7 月 4 日に BOSE から工場再生品の紹介メールが届きました。

メール本文に記述されたのリンクを開くと、Bose Noise Cancelling Headphones 700 (以下、ノイキャン700)  が対象に入っていました。

高い品質と記載があるものの

ホームページに以下の記載がありました。徹底的に検査、テスト、調整が行われるということで高い品質に期待が持てましたし、

何より新品よりも 1.5 万円近く安かったので即決でした。

到着から故障を認知するまで

壊れていたのは右耳のノイズキャンセリング機能

7 月 5 日に発注・購入し、7 月 7 日の午前中に佐川急便から商品が届きました。

以下のようなニュースもよく見ますし、我が家にも金曜日に到着予定だった Amazon Prime の荷物が月曜日の夜に届きました。今、運用業界は大変な状況にあるとみています。
うちに来られる配送担当の方もヤマトと郵便局の配達員さんは丁寧ですが、それ以外の配達員さんは正直微妙なところがあります。
BOSE の梱包にも問題があり、段ボールは非常にコンパクトで緩衝材が端にしかなく、投げるとかなりの衝撃がかかると感じました。

※ 製品が投げられて壊れて届いたという記事ではありません。

故障箇所

ヘッドホンが届いたので早速試聴を始めました。
Bluetooth 接続や操作感は全く問題ありませんでしたが、ノイズキャンセリングの値を上げていくと、一時的に右耳にラジオノイズのようなザーといった感じの雑音が聴こえました。

「あれ?」

と思い、ノイキャンの値を下げると解消したので、しばらく使ってみることにしました。

打ち合わせが始まると右耳に強い痛みが…

15 分ほど利用したところで、打ち合わせが始まりまして音声の遅延もなく心地よく議事録を書いていたところ、だんだん右耳が痛くなってきました。最初、何が原因かわからなくて、とりあえずヘッドホンを外しました。

写真はイメージです

打ち合わせが終わってから右耳と左耳を付け替えて確認をしていくと、ヘッドホンの右側だけおかしいことが分かりました。ザーと音がなったり、無音のようでもだんだん耳が痛くなる状態がありました。

保証対象外

「これは壊れている。。」
そう感じて、急いでサイトを確認しました。ページに記載の 新品同等の保証付き のメッセージに安心したのも束の間、

新品同等の保証つき
こちらはBoseに一度返却された商品です。その後、徹底的に検査、テストを行い、通常商品と同様の厳しい品質管理のチェックをクリアした商品です。
(中略)
通常商品と同等の保証期間があります。

https://www.bose.co.jp/ja_jp/products/certified_refurbished/refurbished_headphones/noise-cancelling-headphones-700-fr.html#v=noise_cancelling_headphones_700_fr_black

製品登録をすると、以下画像の通り保証対象外の文字が。。この後、サービスを依頼から進めると、「2 万円ちょっとで修理できます!」といったニュアンスの文字が。。(スクリーンショットを取得するため、同じ操作を行いましたが、返品処理が完了したためか表示されなくなっていました。)

その夜、友人にも確認してもらいました。ノイキャンを上げたり下げたりして 5 分ほど視聴したあと、
「なんか、右耳おかしいね。」
という結論に至り、なんとか修理を依頼しようとしましたが、ホームページには電話番号もメールアドレスも問い合わせフォームさえも掲載されておらず「ナニコレ詰んだ。」とその日は終わりました。

本ブログを記載するためにサイトを注意深く確認していると、以下ページにカスタマーサービス 0120-235-250 を見つけることができました。

翌日、チャットにて交換に応じてもらえるも

翌日、ホームページを開いて確認し直すと昨日の夜にはなかったチャットアイコンが表示されていました。営業時間しかチャットが表示されないような仕組みになっているようです。

質問すると、以下長文が返ってきました。

「Noise Cancelling Headphones 700工場再生品でございますね。2023年7月5日のご注文記録を確認させていただきました。これより改善のためのトラブルシューティングのご案内をさせていただきますのでご安心くださいませ。」

「尚、初期不良交換、及び返品に関しましては、Boseカスタマーサポートの窓口で直接ご案内をさせていただいております。弊社公式サイトのサポートページでは初期不良交換、及び返品のご依頼が出来かね、また、お客様ご自身にて弊社公式サイトより通常交換のお申込みされた後、取消ができない場合がございます。ご不便をおかけしている中、お手数をおかけしますが、ご依頼される際には必ずカスタマーサポートへご連絡いただきますようお願い申し上げます。」

「間違ったルートを進むと詰むよ。」といった案内はかなり違和感がありました。ホームページには、カスタマーサポートという文字はありません。

うちのスタンスはこれだよ。文化を理解してから問い合わせてもらって、気に入らないなら買わないでいいよ。といったような、毅然とした対応はある程度必要だと感じました。

お客様は神様ではない。使わせてもらってありがとうという感謝が大切。

日本の企業だと、お客様に間違ったルートを通っていただかないように慎重にナビゲーションを設けることが多いので注釈も長くなりますし、オーバーサービスで客がつけ上がる風潮があると思います。こうしたドラスティックな対応が一般に普及すると、自立した客が増えるとも感じました。

先日、docomo に行って LINEMO から irumo に切り替えました。LINEMO だとサイトから自分のペースで変更できましたが、irumo の切り替えは 5 分ほど契約に関するムービーを見たり、スタッフの方が蛍光マーカーで用紙を塗りながら丁寧に説明をされるのを聴いて、結局 1 時間半以上かけて回線を切り返えました。
総務省とクレーマー顧客とルール通りに対応しない代理店と、さまざまなステークホルダーにかき回されて、何重ものオペレーションが重なった日本の応対にはやり過ぎ感を感じます。

話を戻しますと、BOSEのオペレーターの方が機器のリセット方法を詳しく案内してくださいました。ですが、改善はしませんでした。再度問い合わせをすると、交換か返金のどちらが良いか?と聞かれ、交換をお願いしました。

結果的に望んだ交換は叶わなかったので、客に選択させる前に在庫を確保しておくべきだと感じました。叶わない可能性が高いと感じていた要望が通ると満足度が上がりますが、叶うと言われていた要望が通らなくなると落胆しかありませんので。

オペレーターさんより、ヤマト運輸の着払いで返送するように依頼されました。
心の中で
送ってくるときにこそ、ヤマトさんを利用した方が良いのでは?
と思いましたが、口には出しませんでした。伝票の備考に受付番号を記載するように依頼されました。届いた状態のまま、納品書以外を梱包してパッキングしました。

アクセサリーが入っていなかった

スマホからヤマトの送り状を作って、コンビニで出荷しました。その際、プリントされた用紙には備考欄がなく、バーコードでビニールシートに挟み込む必要がありました。これは依頼されていた Bose の受付番号が書けない!と思いました。日本の企業だと、PC スマホから依頼される場合は、予め入力フォームに Bose 受付番号を入力しておいてください。と案内するかも知れません。こうした案内はオーバーサービスだと思いますが、案内しておかないと結局後からもう一度問い合わせが入るので、案内しておいた方が効率的だと個人的には感じました。

<追記>
購入し直して分かったことですが、アクセサリーはキャリングケースに内蓋があり同梱されていた可能性があります。(返品してしまったので、入っていたかどうかは不明)

受付番号が記載できなかったので、再度、ホームページからチャットで問い合わせをすることになりました。営業時間しかチャットが表示されず、連絡できるのに 3 日ほどかかりました。
この問い合わせを行う際に、製品のページを確認していたら、工場出荷品には充電用USB-Cケーブルと音声ケーブルが同封されていると記載がありました。

写真を撮っておけばよかったと後悔しました。僕の手元に届いた商品にはアクセサリーが含まれていませんでした。そして既に返送済みでした。心配になってチャットで聞いてみました。すると、しばらくして以下の回答を受けました。

  • 返品は別の担当が昨日受領済みだったことが分かった

  • 交換品はまだ出荷していない。担当者を催促しておく

  • アクセサリーがなかったのは申し訳なかった

  • 次に届くものには入っているから安心して

製品が返品された時点でフラグが立つようにデータを整理していないところに在庫管理の甘さを感じました。また、新品同様とホームページで謳っているのにアクセサリーが含まれていないような雑な管理をしているのかと非常に不安になりました。

ケーブルが入っているならと追加発注

かなり前後しますが、しっかり商品のことを学んでおくべきだとホームページを注意深く確認していきました。すると、飛行機で利用するためのアダプターが販売されているのを見つけました。
商品に有線ケーブルが同梱されているのであれば、このアダプターは買っておくべきだと感じ、交換品の到着と並行して注文しました。

修理品が届くよりも先にアダプターが届きました。

返金で終了

アメリカの番号から不審な電話が

7 月 13 日にスマホが着電しました。番号が +1 から始まっていました。不審に感じましたが電話に出ると無音でした。仕方がないので電話は切りましたが、折り返しはしませんでした。その夜に 7 月 13 日の夜に BOSE からメールが届きました。

  • 何度か電話をしたが繋がらなかった

  • 在庫がないから返金になる

翌日、また同じ電話番号からかかってきて、今度は音声が聞こえました。日本国内からの電話番号しか着信を受け付けていない場合はどうしているのだろうと不安になりました。
クレーマーにはなりたくないので、状況把握だけさせていただきました。

「僕は商品が使いたいので修理してもらえないか?」→ 無理。
「次の再生品まで待つので、できたら送ってもらえないか?」→無理。
「入荷の案内だけでもお願いできないか?」→入荷案内サービスはない。
「僕はメルマガから入荷を知ったが?」→個別ではやっていない。
「こういった返品は考慮していないのか?がっかりさせると思うが。」→たまにある。申し訳ない。

という感じのやりとりをして返金に応じました。

約款は最終防御手段だと思う (持論)

約款を確認すると、(C)製品の返品と引き換えに、元の購入代金の一部または全部の払い戻しを 提供します。とありました。なので、別に BOSE の対応はルール的には間違っておらず、文句を言われる筋合いもないです。
ただ、日本人がそう感じるだけなのかも知れませんが「お金さえ返せばいいんでしょ。」という対応だと、お客様満足度が下がると思います。(少なくとも最初に言っておくべき。)

Apple のような品質を担保するには

高品質な工場で決まったルーティンで生産される新品と違い、人の手垢のついた爆弾のような精密機器を整備するのはすごくコストがかかりリスクがあるビジネスだと思います。
他社がやっていて成功しているから、うちもやってみよう。といった方針で始めると失敗するのではないでしょうか。

しっかり在庫を抱えて、万が一欠品したときのシミュレーションもせずに事業をスタートしているとしたら、お粗末だと思います。

僕は、新品で購入した iPhone がちょうど一年と一週間使ったところで真っ暗になり動かなくなったことがあり、Apple Store に行ったところ、保証対象外にも関わらず丁寧に対応をしてくださった体験があります。別に Apple 信者ではありませんが、少なくとも Apple という会社には良い印象があります。

モダンなカスタマーサービス

今回の交換→返金事案を受けて、感じたことをまとめてみました。

  1. 商品の梱包が甘い (乱暴な輸送での損傷を考慮していない)

  2. ホームページのサポートの導線が洗練されていない

  3. 営業時間しかチャットが表示されない (と思われる) ようで、案内がない (記載があったとしてもわかりづらい)

  4. 在庫を把握しないまま、客に交換か返金か選択させてはいけない、期待値が下がるだけ

  5. 再生品を修理して返送することはやっていないのに、返品を考慮して在庫を抱えていない

  6. コンビニ郵送の際は、受付番号が手書きできないことを案内した方が結果自分たちの負担が軽減される

  7. 日本国内の電話番号を用意しておかないとお客様と電話が繋がらなかったり、不審に思われる

  8. 在庫がなかった際のお客様の満足度低下を考慮していない

  9. 製品が返品されたことがシステム上で連携されていない (と思われる)

  10. 自社のホームページで案内している内容を理解していない (これは人によるかも)

これは想像でしかないのですが、システムでフォローする仕組みが足りていないのではないか?と感じています。問い合わせ対応のツールですぐに在庫を管理できる仕組みがあり、お客様からの返品物の到着を把握する仕組みや、返品をお伝えする際に在庫を確保する仕組みがあれば、今回の事案は発生していなかったと思います。

自社の対応にも活かせる教訓となりましたし、システムを作る上で大変参考になる事案でしたので、ある意味感謝しています。そして、繰り返しになりますが毅然とした対応は素晴らしいと感じましたし、何より BOSE 製品は良い製品です。手元に残ったアダプターが有効活用できるように工場出荷品の再販をお待ちします!

本記事を最後までお読みくださりありがとうございました。是非、再生品を購入された方は手元に届いたら真っ先に動作確認してください!!

以上です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?