石鍛冶解禁後の緑トロン解説

※2019/10/10追記
本記事の英訳版を9/17に投稿しておりますが、こちらにも有料部分のテキストのみ記載しておきました。有料版の最後の部分に書きましたので、もしお知り合いに海外の方がいらっしゃったら宣伝してもらえると嬉しいです。
I posted an English translation of this article on September 17th, but only the text for the paid part was included here. I wrote it in the last part of the paid version, so I would be happy if you could advertise to foreigners who came overseas. Thank you.
※追記ここまで

こんにちは!おたっくんと申します。
今回で緑トロンの記事は3つ目となります。

これまでの記事はWAR前環境のプレイング指南(途中から有料)とWAR以降の創造者カーン構築に関するものになっています。環境が変わってしまているので参考になる部分は限られていると思いますが、お時間があればどうぞ。

さて先日、晴れTCにて行われたMCQで準優勝という結果を残すことができました。決勝で敗れてしまいましたが、SEは全て後手という状態でここまでこれたのは本当に運に恵まれていました。競技には何度も参加していましたが、これといった成績を残せたことは殆ど無く、今回の結果は自信につながりました。

(追記)先日9月7日に行われたモダン神トライアルでは同リストで優勝することができました!5-0からIDで1位通過、SEで勝ち抜けとこれまでにない戦績を残すことができてとても満足しています。

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最近では色々な角度からマジックを楽しもうと思い、MO配信(twitchリンク)や動画投稿(動画リンク)なんかも始めています。まだまだ拙いですが、見てもらえると励みになるのでよろしくお願いします。

目次
試合結果と今回MCQで使用したリスト
○禁止改定後の環境変化
○カードの選択理由
○マリガンガイド
○サイドボーディングガイド+立ち回り
○終わりに

試合結果今回MCQで使用したリスト

まずはMCQでの結果。以下の通りです。

R1 人間 2-0
R2 エスパーリアニ(長老型) 2-1
R3 バーン 2-1 
R4 青白石鍛冶 2-0
R5 エルドラージトロン 2-0
R6 緑単トロン 1-2
R7 赤単エルドラージ 2-1
R8 ID
6-1-1で8位
SE1 ウルザソプター 2-1
SE2 緑単トロン 2-0
SE3 RGヴァラクート 1-2
準優勝!!

ライフメモも残っていないので詳細は省きますが、本当に運に恵まれてました。欲しい時に欲しいカードを引くことが出来た上で、相手の事故も重なって勝てているマッチが多かった印象です。

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使用デッキは緑トロン。これを選択したのは使い慣れているからでした。このデッキとはもう4年以上の付き合いで、MOとリアルマジックを合わせると2000マッチ以上回しています。使いこなせる自信があるからこそ、競技モダンでは緑トロン以外を持ち込んだことがありませんでした。今の環境を見てもトロンデッキは非常に強く、良い選択肢であったと思います。

禁止改定の直後のMCQであり、サイドボードに頭を悩ませました。しかしながら、いくら考えても15枚のサイドボードで全てのデッキを見ることは不可能なので、採用せずに後悔しそうなカードを優先して使うことにしました。


○禁止改定後の環境変化

まずは、先日の禁止改定によって緑トロンデッキが受けた恩恵と弊害を考えてみましょう。

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・禁止
《甦る死滅都市、ホガーク》
《信仰無きものあさり》
・解禁
《石鍛冶の神秘家》

<トロンプレイヤーが受けた恩恵>
・これまでホガークによって押さえつけられていたフェアデッキが増加
・ルーティングBANにより墓地を利用したデッキが減少
(サージカルまで取る必要が無くなりサイドの選択肢が増える)
・石鍛冶を採用したミッドレンジ・クロックパーミが誕生
(石のような静寂をサイドに取りづらいフェアデッキ=トロンが有利)

<トロンプレイヤーが受けた弊害>
・墓地対を増し増しにしていたフェアデッキのサイドの枠が空き、土地コンボに対してクリティカルなカードが増加(大爆発の魔導士、減衰球、etc...)

皆さんご存じの通り、モダン界隈を揺るがす大きな禁止改定でガラッと環境が変わることになりました。(ここでは関係無いですが、MOにてヴィンテージのKarn Forgeを愛していたのでとてもつらい…)

トロン的には恩恵の方が大きいですが、その分フェアデッキに勝ち辛くなる可能性があることは予想していました。それを踏まえて今回使用したリストで採用/不採用に至った動機をお話しします。


○カードの選択理由


《大祖始の遺産》の採用枚数が0

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トロンデッキのメリットとして、自然に墓地対がメインから入れられることが挙げられます。それがこのカードの存在です。通常は2~3枚取られることが多く禁止前のホガーク環境の時なんかには重宝していました。
しかしながら、墓地を使わないデッキに対して序盤に引いてしまうとドローまでに2マナのラグが発生してしまうことがどうしても気に食わず、墓地デッキが少ないと予想していた今回は思い切って不採用にしてみました。

このカードの強みは、土地破壊カードが自然と入るフェアデッキ、例えば
・《大爆発の魔導士》が入るジャンド、BG
・《廃墟の地》がメインから4枚の青白コントロール など
がサイドから投入する《外科的摘出》でのイージーウィンを防ぐ役割もありました。今現在これらのフェアデッキのサイドに《外科的摘出》が入る枚数が減っており、意識する必要性が薄いというのも採用しなかった理由になっています。

しかし土地破壊を全く見ないままだとフェアデッキに簡単に負けやすくなる。それを解決したのが《魔術遠眼鏡》の存在でした。


《魔術遠眼鏡》の3枚採用

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やりすぎでは?と私も最初は思っていました。しかし《大いなる創造者、カーン》から持ってくるには遅すぎるのです。このカードの強みは2ターン目に出して《廃墟の地》や《大爆発の魔導士》の起動を止めることにありました。土地破壊カードさえ止めてしまえば、仮に《外科的摘出》を持たれていても問題ありません。それ以外にもウルザやヴェリアナ、石鍛冶、トロンミラーが使うPWなど今の環境では山ほど指定したいカードがあります。

石鍛冶の解禁により、ジャンドが《コラガンの命令》の採用を増やしていたりもしますが、これに3マナを使っている隙にフィニッシャーをたたきつけてやれば問題ありませんでした。

上記の理由から《魔術遠眼鏡》の適正枚数は3枚だと考え、採用に踏み切りました。実際に大きく貢献してくれていたので正解だったと思っています。

《真髄の針》と散らすことも検討しましたが、手札を見てプランを決める意味もあったので《魔術遠眼鏡》3枚にしています。ここは調整次第で変えた方が強いかもしれません。


《大いなる創造者、カーン》は必要?不必要?

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先日行われたMCバルセロナ2019にて緑トロンが優勝しました。その時に使われていたリストは従来の7マナカーンのみの採用で、4枚の《ワームとぐろエンジン》や3枚の《歩行バリスタ》、サイドは《虚空の力線》などに枠を割かれており、当時大流行していたホガークデッキに強い構成となっていました。

ホガーク亡き今、《大いなる創造者、カーン》は必要であると考えています(それどころか、創造者カーンが登場してから私のデッキから抜けた時はありませんでした)。常在型能力はあまりに強力で、場にいるだけで大きく戦況が傾くデッキが存在します。例えば
・鱗親和
・ウルザソプター
・トロンミラー
・バイアルキープした部族デッキ
など沢山のデッキを見ることができるほか、これ1枚でゲームが終わるため、コントロールデッキにはほぼマストカウンターとして機能してくれます。強すぎ。

カーンのマイナス能力で持ってくるシルバーバレットに関しては今回かなり悩みました。前回の記事を書くときにざっとモダンで使用できる全てのファクト、約1300種を漁ってみましたので良ければ一緒にどうぞ。今では少し評価が変わってしまってるかもしれませんがご了承ください。
今回採用したファクトを1枚ずつ見ていきます。

《魔術遠眼鏡》3枚
上記の通りが採用理由です。

《墓堀りの檻》1枚

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墓地対がデッキ75枚の内これ1枚のみでした。現在墓地対が減っているからこそ墓地デッキを使うプレイヤーもいるとは思いましたが、そこまで枠は割けなかったのでこれ一枚に頑張ってもらうことに。実際に一度リアニメイトデッキを踏んでクリティカルに刺さってくれました。

《罠の橋》1枚

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実質メインから罠の橋を入れることができるので非常に強い。3ターン目にカーン+罠の橋を置くことができ、返しに除去が無ければそのままマイコシンスでのイージーウィンも可能です。

《三なる宝球》1枚

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バーンデッキやストームなどのコンボデッキに刺さります。3ターン目にキャストが可能なので、土地の少ないバーン相手だとこれ一枚で勝つことも。なお3玉はカーンで生物化して殴ると効果が消えるので注意しましょう。

《歩行バリスタ》1枚

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取り合えず除去になって余ったマナを有効利用出来るため採用しています。罠の橋を自分だけくぐり抜けながら殴ったりもできるため本当に強い。

《マイコシンスの格子》1枚

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カーンとこれが場にあり、カーンが除去できないような盤面だと相手の土地からマナが出なくなります。ずるい
地味に忘れそうな点ですと、《マイコシンスの格子》の効果は全てのカードが無色になるため、これが着地してしまうと
・《活性の力》のピッチが打てなくなる
・ウギンのマイナスで何も流せなくなる
・《古きものの活性》でスラーグ牙を手札に加えられる
・《ウギンの聖域》の能力でスラーグ牙を手札に加えられる
など通常ではできない動きが可能になります。特にピッチが死ぬことなんかは実際に起こりえますし注意しましょう。MOでもリアルの試合でも複数回見たことがあります。

以上が実際に採用したファクトです。
今回採用を見送ったものの、調整次第では入れ替えるファクトも記載しておきます。

《防御の光網》
青白コントロール相手であればまず持ってくるカード。
元々有利が取れるデッキであり、光網で見れるデッキが少ないことから今回は採用を見送りました。

青白相手に3ターン目にカーンが通っても即これを出すのではなく、手札に抱えておきましょう。2マナのマストカウンターとして機能してくれるので、次のターンにマイコシンスor7マナカーンをキャストする直前に出す方が良いです。(4マナカーンが通る→《呪文貫き》は抱えている可能性があるなどの裏目が存在する)

《虚空の杯》
X=0で待機を使うデッキをつぶす他、自分よりも1マナを多く使うデッキ(以前ではURフェニックスなど)に当てることができます。三玉で十分ということもあり、今のモダン環境では不要だと考え不採用に。

他にも検討すべきファクトはあるかもしれませんが、取り合えずこの2枚が候補でした。


幽霊街の必要性

※ここから先は有料部分となります。ご了承ください。
一番下に本記事の英訳を書いている都合上、有料部分は日本語で約8000文字となっています。

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