僕のターニングポイントは毎年ある
暑かった。
みんなの想いも熱かった。
福岡で開催された、第53回日本作業療法学会。
4000人を超える参加者が、ポスター会場、オーラルセッション会場、メインホールに所狭しとあふれていた。
僕はOTになって12年になる。たぶん。笑
OT学会は、すべてではないけど、9回くらいは来てると思う。
そしてここ4年はすべて発表者として参加してる。
はじめの5回は、参加だけだった。
時代の流れに置いてかれたくなくて、必死にしがみついてた。見知らぬキーワードを調べるのに精一杯で、統計用語や研究のことがわからないまま、結語をそのまま読んでわかったフリをしていた。
でもそれは、その場ではレベルアップしてるように感じてても、臨床で使わなくなって、儚き知識として廃れていた。
きっと皆さんの中にも、やる気だけが空回って、うまくいけているのか不安になる人もいると思う。
僕もそうだった。
その不安は、inputだけではまったく変わらなかった。
………………
ある時、僕は1人職場になって、OTってなんだろう、自分のOTが正しいのか、不安でたまらなくなった。
以前に職場に先輩や同僚がいたころは、比較対照がいて、先輩や同僚と比べて「自分はマシだ」といつも思っていた。
なのに、その制限がなくなって、自分の好きなようにできる環境になった途端、責任と不安が大きく膨らんだ。
言い訳が、できなくなったんだ。
教えてくれる人。
答えに近づけるための“何か”が知りたくて、僕は学会で報告することにした。
ただ、その道のりは思ったよりも遥かに険しかった。
研究報告をするときは、統計解析の手法や研究デザインについて、毎回のごとく必死に勉強した。
背景と考察を深めるために、たくさん文献を調べて読んだ。
症例報告をするには、はじめのうちから患者さんの同意をもらって、目的に合った評価を忘れずにやるようにした。
初めは評価が抜けたり、何が新規的なのか分からなくなることが多かった。
でも、いつからか日々の臨床の中で、研究的な視点を持つことが普通になってきたし、スタンダード(標準的治療)と新規的な介入の線引きが見えるようになってきた。
はじめは報告をすることは、自分の学びのためだった。
ただ、経験を積むにつれて、自分の学びが、社会にとっての課題解決につながることが増えてった。
初めから全部できる人なんていない。
失敗を繰り返して、僕らは強く、賢く、成長していく。
僕が学んだことは、outputに伴う学びは強く残り、そして自信につながるということ。
そして、outputをし続けていると、もう一つ良いことがある。
それは……
【仲間】
1人で悩んで、outputを始めて、細く続けてきた。
いつのまにか、こんなにもたくさんの仲間に恵まれて。
作業療法の未来を創る仲間たちがこんなにも増えた。
それは、作業療法学会という場所があったから。
今年のテーマはターニングポイントだったけど、僕にとっては毎回のOT学会が。ターニングポイントになっている。
いや、ターニングポイントにするべく、準備と計画を練っていると言った方が正しいかもしれない。
さあ、来年のOT学会は新潟。
あなたは来年の今を、どんなターニングポイントにしたいですか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?