怒りを持たない酔っ払いはとにかく大丈夫
パートナーとお気に入りのイタリアンに行った。
いつものようにサラダとチーズを食べ始めたところで、ドアが開いた。
「私は白ワインが好きです。」
低めのよく通る声に思わず振り返ると、黒いコートに火野正平が被ってるみたいなニット帽、もみあげから口までつながる立派なヒゲの男性が、若干笑みを浮かべながら開けたドアの前に立っていた。
一瞬で「何だかこれはまずいかもしれない」と私のセンサーが反応した。
「開いているお席へどうぞ。」と声かけがあったが、ここのお店のお姉さんは結構声が小