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【今日の】#5論理だけでは美に至らず

⓵今日の「デザイン」 
■「円」と自然なレイアウト

論理だけでは美に至らぬ

前回のような枠や四角というのは
「整いすぎている」ため
デザインとしての論理性を含むが
それだけで美しくなれない。
論理だけでデザインが美しくなれれば
頭のいい人だけがデザイナーになれるが
そうでない故にデザインは難しい。

確かに、直感をもって見た時に
「あぁ、この部分は列を水平にして
 視線を誘導しているんだね~」
という感想は出ないだろう。
多くの人にとってデザインの初見は
「美しいかどうか」で判断されるだろう。

なるべく多くの人にとって
美しいと感じさせる基礎が構図や色遣いだが
デザインだけでクリエイティブと呼べるには
説明できない壁を超える必要がありそうだ。(続く)



⓶今日の「動画編集」 
■「高さ」を見せるモノは地面にカメラ

地面から上に向かって動線を引く構図。
IGやTikTokの動画撮影方法をシェアする
インフルエンサーたちの動画を見ていると
必ず紹介されるテクニックの一つ。

但し誰もこの構図がいつ役立つのか?
この質問に対して答えていなかったため
実際に撮影をしてみて分かった答えが

「縦に長いものを撮影するとき」

これを聞くと
「そんなもん言われずとも分かるやろ~」
という自分がいると思うが、例えば
お寺や庭園、崖では見劣りした。
逆にシンデレラ城や森、五重塔では
このテクが輝きを見せる。

【注意点】
ぞのさんっの動画は前半と後半で
2か所しかピントを合わせていない。
途中でタッチもしくは
徐々に奥にいく対象がないと
ピントがいつまでも
地面に合わさったままの動画になってしまう。

【応用】
上級テクとして下を向いている時は
地面や落ち葉にフォーカスしているが
ボールを転がす、走っていく犬、
人が歩いていく、等の工夫で
ピントが徐々に変わっていき
動画内の立体的な深みが増す撮影ができる。


【チェックポイント】
✅ 縦に長いかどうか   +1点
✅ 地面に反射するもの
   または堆積物があるか +1点
✅ 手前と奥で色の差   +1点
✅ 手前から奥に動くもの +1点



⓷今日の「素敵」   
■「芸術」を良しとする決裁者

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金沢城は石垣の博物館石垣デパートと呼ばれるほど
その城内で多種多様なスタイルを拝見できる。
石垣は織田信長の岐阜城が原点とされているが
元は城を高くしつつ
崩れないようにするための旧来の建築様式だ。
そのため実用面では当然
・崩れない→ 内側に向かって狭く整頓した積み方
・登れない→ 急で大きな岩を使用
等の配慮がなされている。

一方でこの金沢城では
色紙短冊積石垣(写真下部)という
戦いの地である城に文学要素を入れ込んだり

金場取り残し積みという
石の輪郭だけ削り綺麗にして
中は粗い石の自然さを醸し出す様式
なんかも見受けられる。

こうした設計は戦を取り仕切る城主としては
浪費、不要、無駄である。
ただ数百年が経つ人々の心を動かしているのは
こうした無駄と思われる心のゆとり、
美しいものを良しとする心があってこそだった。
時代を超えても、
無駄なものでも美しいと感じる
人の心の営みが素敵だった。

⓸今日の「学び」   
■「説明できない」美しさ

前回の何をもってデザインとするか、から
今回は何をもって美しいとされるか、を
考えてみる回となった。

金沢の21世紀美術館でまさに
これを象徴する出来事があった。

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引用:SCAI THE BATHHOUSE

アニッシュ・カプーア「世界の起源」こちらの作品は
空間認識ができなくなる自分とモノとの関係性を
考えさせる哲学的なアートだ。
これを見た後、隣の部屋では
黒い砂時計のような形をした一枚の鉄板があった。
外側から見ると反射でかなり遠くから見えるが
内側から覗くと自分だけが映されて見える。

「なるほど、これは人間の内面は
 他者から観察される角度で異なるようで
 本当の内側は自分にしか見えない、という
 哲学的な作品なんだ!!」

そして友人と作品紹介を読むと
書かれている字数全てが造形美に関する記述で
哲学のかけらもなかった……

確かにあの場で
―――人は他人との関わりの中で
   世界の要素として存在する――― なんて
ハイデガーの哲学を具現化するようなら
一瞬にして冷めてしまっていただろう……。
だがこの作品は説明されることもなかったのに
「よく分からないものを美しい」
僕は感じた。感動体験だ。
現代社会でいじめや嫉妬は
自身の理解できない異物に対して生じやすく、
日本人はその抵抗力がとりわけ強い。
今や21世紀美術館は若者の映えスポットとして
認知されてしまったが、
館内の他のアートは撮影禁止、徹底した作品保護等
芸術の啓蒙を通じて若者の内なる成長に
一躍買っているのかもしれない。

⓹「今日」を振り返り 
■予約システムは次のステップへ

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コロナウイルスの影響で
「予約のみ受付可能」なお店や観光地が増えてきた。
21世紀美術館も対策はされており、
マスクの着用や消毒はこれはもう徹底されていた。
が、抜け穴がもうガバガバすぎた。

チケット販売の列はどの時間帯でも
4~5列以上は並んでいたが、
中には若い人もちらほら見えた。
ネットで予約購入できるのだが
人数制限もしない緩めの入館であれば
ネットのみ購入可能にすれば
あの入り口で厳しい検問をしたのち
入り口目の前で密な列を作ることもないだろう......
美術館を訪れる
高齢者→受付のチケット
 若者→ネットのみ受け付け可能
等すれば観光客も安心だと思う。

二つ目に、
かの有名なプールだが1時間館内で立って並んだ。
なぜこのシステムは18世紀以前のままなのか?
スタッフを詰問したかったが
1m置きに人が列を作っている中で
やはり形式上の対策で満足してしまい
本質的な改革ができない古い仕組みを持つ組織
はなかなか変わり切れないのだと痛感した。

夕食は「赤玉」というお店にいったのだが
武蔵小杉でも見る店頭での待ち受け票発券機
これはお店側としてすごくありだと思う。
従来のネット予約は連絡なしキャンセル、
遅刻等で収容回転数が活かしきれないという
デメリットがあったが
このファストパス制にも似たシステムでは
順番が回ってきた人が戻ってきた上で
一番早い列に並べる、という仕組みだ。
これであれば番号が後ろの人でも
前の人が遅れてきたときは先に入れて
前の番号の人は入った人と順番が前後する。

具体的には代替策として
これしか思い浮かばないが
21世紀美術館をはじめ、
予約を取っていない場所は
こうした予約の仕組み上
お店側が損をしてきた問題を解決しようとする
新しいシステムにも目を向けてほしいな、と
思う一日だった。




頑張れ!の気持ちをもらえると力になります><


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