【今日の】#8 リクルートの口癖

「本質的に考えて…」

人の口癖にはその人の思考が強く反映される。
僕の場合、無理、無駄、ムラを嫌い、
形式的な "パフォーマンス" を忌避する考えが
"本質的" という言葉にも表れている。

「起業した今でもリクルートの考え方は
 自分の中に残っていますね」

真面目な話をする時だけ敬語になる
僕の尊敬してやまないお兄さんは
元リクルート社員だった。

01. できないことを努力でやらなくていい
02. たたきのたたきをつくれ
03. 最近どう?
04. 仕事で楽しかったことを教えてくれ
05 自分がどうしたいかを考えるのが仕事
06. 何で社長に電話しないんだ?
07. 理屈じゃない。


01. できないことを努力でやらなくていい

苦手なことをやる必要はない。
苦手な分野を得意な人にやってもらい
自分はその分の成果を別の方法で貢献する。

できないことをできないと言える風土、
得意なことで積極的になれる仕組み

この体制ができているというのは、
そもそも組織内で不足人材をカバーするような
業務的多様性が認められいることだと思う。

02. たたきのたたきをつくれ

新人がどうやって企画力を伸ばすのか。
それは「揉まれる」ことである。
ただ、企画の難しさは2つ。
1つ、(抽象的/無尺度で)フィードバックできない
2つ、形にしすぎると数を打てない

この2つを解決するために
下記4点だけは押さえておき、たたきをたたく。
・目的(ゴール)
・ターゲット
・傾向
・対策

これにより方向性がある程度決まり、
その目的と手段との整合性を確認し
企画の数を打ちながらも
一定の形を担保することで
人から抽象的でない
フィードバックをもらうことができる。

03. 最近どう?

リクルート内で意味するこの質問は
「最近あなたの仕事はどんな調子だ?」

この質問には双方向性のメリットがある。
質問者: 人とビジネスに対する興味を強くし
    質問力と関係性向上に繋がる
回答者: 「特になにも」というつまらない回答を
    しないためにもネタを作る習慣が付く

誰かに会えばこの質問が来る、という
定期的なアウトプットの強制は
半能動的なインプットの姿勢を作る。

04. 仕事で楽しかったことを教えてくれ

・オフサイドミーティングで
 仕事の本質的な話を会社外で
・誰が言ったかでなく何を言ったか

入りたての人が飲み会でも仕事の話をしてると
「暑苦しい、ここでも仕事か」と息が苦しくなる。
ただそれは年次を気にせず話せる場所、
その風土を直接見せることで新規参入者も
意見をぶつけていいんだと認識させる。

アウトプットに自信が付く、
発言する癖がつくと
人それぞれの意見が飛び交うようになる。
それはやがて、「○○さんが言ったから」という
属人的な効力から、何を言ったか、という
より組織的に健全で本質的な議論に昇華する。
僕の属する組織では
そこまでのレベルに至っていないので
「それは誰が言ったのですか?」
「○○さんからのオーダーです」
という質問や補助語が必要とされる。

05 自分がどうしたいかを考えるのが仕事

「君はなんでそれがいいと思ったの?」

報告に対して上司がこの質問をして
どうしてそのアウトプットにしたかの過程を
見てあげることで部下や後輩の考える力が伸びる

それはリクルートの有名な口癖でもある
「君はどうしたいの?」という
圧倒的な当事者意識を育てることに繋がる。

06. 何で社長に電話しないんだ?

決裁者にたどりつく。
営業のゴールは窓口で提案することでなく
"成約"をすること。
「提案できました」で満足するのは
やってますアピールでしかなく
本質的に一歩を進めたわけではない。

07. 理屈じゃない。

机の前でどれだけ理屈を整理しても
何も進まない。特に企画段階では
それぞれが「わからない」に対して
自分から動くことでのみ道が開いていく。

だから理屈を並べずに
ただひたすら手を、足を動かす。
それが企画初期での王道的な動き。


最後に。

この本を通じてお兄さんが何を伝えたかったのか。
正直なところ分からない。
「会社に不満をいうだけの輩になるな」
「楽しさを感じるのは自分の行動」
「その考え方じゃ成長しないぞ」

あるいはその全てかもしれない。
ただ今回の「本最後まで読みました」では
僕は先輩にとって一般人で終わってしまうと思う。
だから違いを見せるために、
たたきのたたきを10個くらい
用意しておこうと思い、次の日にバトンを渡す。

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