一般社団法人100年の森づくり長万部のご紹介
「一般社団法人100年の森づくり長万部」は、北海道の長万部にある森を拠点として、子供からお年寄りまでその自然を楽しめ、感動と癒しを与える里山の森の再生を大きな目標として活動しています。
長万部町は、北海道の心地よい自然と歴史の交差点に位置する、魅力あふれる地域です。1669年のシャクシャインの戦いから始まり、幕末には幕府の直轄地となり、南部藩の警備が置かれました。明治時代には、近代国家組織の一端として町の基盤が築かれ、この地は多くの重要な出来事の舞台となりました。渡島半島の首に位置し、日本海への入り口であるこの町は、交通の要衝としても発展します。安政2年(1855年)には、幕府による番屋が建設され、旅行者や役人の宿泊施設として利用されたことで、地域はさらに賑わいを見せました。
20世紀を通じて、長万部は多くの進化を遂げ、現代では東京理科大学のキャンパスや高架橋工事といった新しい施設が加わり、更なる発展を遂げています。この町はその豊かな自然環境、歴史的な背景、そして現代の発展が織りなす独特の魅力で訪れる人々を魅了してやみません。
そんな長万部に残る広大な森を、植林等を通して守る活動を我々はしています。
2010年にナショナルトラストとして長万部の土地7万坪を会の発起人7名で購入し、この森をクラインガルテン※長万部の森と名づけ、この森の自然保護を目的にクラインガルテン長万部会を設立し、活動をスタートしました。
※「クラインガルテン」とはドイツ語で「小さな庭」という意味します。
その後、ロッジを建設し、そして、長万部森林組合のご協力のもと、笹の伐採をすすめ、 ブナとイタヤカエデを合計2.5千本を植樹しました。
その間、会員は14名に増え、14万坪の土地を共有するようになりました。100年前、開拓民が入り耕作、植林していた里山が耕作放棄地となり、笹山と化し、人の入ることもできなかった森が大きく変わりました。今や、森には東西南北に道があり、季節ごとの森の 変化を楽しみながら歩くことが出来るようになりました。
この里山の森は、小川に挟まれた台地に数万本の38の樹種があり、中には樹齢100年を越える木が何本かあります。シカ、キツネ、ウサギ、リス、そして、多くの鳥が生息しています。
今までのクラインガルテン長万部会の活動をベースにより発展させるため、2018年8月に一般社団法人100年の森づくり長万部を設立しました。
これからの目標として、子供からお年寄りまでその自然を楽しめ、感動と癒しを与える、里山の森の再生をすることを目標として活動します。そのためには、ここに住んでいる地域の人々の知恵と専門家の科学的な知見をふまえ、関係各位のより大きな力を得て、森づくりを進めていきます。
そして、これらの活動を「里山を再生して、100年続く森づくり」と総称したいと思います。
※ 本記事は2018年社団法人設立時に書かれた文章を、ホームページ改修を契機に転載したものです。
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