ブラウン管料理

料理をしたい。

正確に言うと料理の実験をしたい。

組み合わせを開拓して遊びたい。
時々えも言われぬ旨味に遭い、
しばしば吐瀉物を食した方がマシだと思うような
産業廃棄物に遭う。
そういうスリリングな体験をしたい。

ここで私のベジ教を思い出して頂きたい。
そう。皆さんならご賢察願えると思うのだが、ベジ教徒は殆どの野菜、植物を宗教上の理由で食す事ができないのだ。

かくいう私も毎週木曜日には必ずスーパーへ行き、野菜コーナーを見つめて涎で瀧くんを作っている。この間も2、3時間無心に祈りを捧げて居た。
本当は私だって野菜を食べたいのだ。
しかし野菜は神聖なる我が主の食事、私のような下賤な屑が食べていい代物ではない。

長々と前置きを話しすぎたが、とどのつまり野菜を食べられないが故に私の料理にフルカラー写真はもったいないと言う事だ。
256色で事足りるだろう。寧ろ256色あれば美麗も良いところだ。
そして組み合わせの可能性が狭すぎる。
鶏肉と卵と調味料位しか組み合わせるものがない。
皆が何万何億と言う組み合わせに「今日はどんな料理をしようかな」と胸躍らせている一方、私と言えば「今日は醤油をご飯にかけよう」「味の素は最高やで、、これは牛肉や...(鶏肉)」「生卵おいしい」と人権の存在を疑われるような白黒テレビを見続けている。
私だって皆のように8kテレビの料理を楽しみたい。

遂に私も人という枠を超え、悟りを開いて涅槃に入る時が来たのかもしれない。そうすれば私も野菜を食す事が許される。
こうしてはいられない。こんな下らない文などさっさと書き終えて野菜と自分を一体化させるのだ。
ベジタリアン様に幸あれ。

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