スカイリム VR MOD 導入覚え書き

スカイリム VR は素晴らしい。まさに「ゲームの世界に入る」が実現した。

しかし VR はオブジェクトが様々な角度からよく見えるため、通常版ではバニラで遊んでいた筆者でも、だんだんとグラフィックの粗さが気になってくる。そこで MOD を入れるわけだが、スカイリム(無印)の情報は大量に存在するが、VR(Special Edition; SE ベースらしい)の情報はかなり少なく、古いものも多いので、メモを残しておく。

この情報もすぐに古くなるだろうが、発売から 1 年弱経過し、現時点(2019/10/5)では更新は落ち着いているように思える。

当然ながら MOD の導入は自己責任で。当記事は責任を一切負わない。

(0)筆者環境

・Steam 版 SkyrimVR 日本語版(exe version 1.4.15.0)

・Oculus Rift S

・Windows 10 version 1903

・intel core i7 4790K、DDR3 8GB、GTX 1660 Ti、1TB SSD

Skyrim の描画設定はプリセット高で、だいたいの場所では 80 fps(fpsVR 調べ)ぐらいは出ているが、滝などの動くものがあったり、遠影の場所では 40 fps 程度まで下がることがあり、これはプリセット中でも同じなので高で適当に設定を下げてやっているが、つらさを感じる。(※注1)

(1)普通に日本語版をインストール

スカイリム(無印、32 bit exe)で MOD を入れてプレイする場合、必ず英語版をインストールし、リソースファイル類だけを日本語版のもので上書きする、いわゆる英語版日本語化の話になる。これは英語版の exe(実行ファイル)と日本語版の exe が異なるため、英語版前提で海外の人が作った多くの MOD が日本語版では使用できないことがあるためだ。

しかし筆者は今回、この作業を行わず、普通にインストール(日本語版が入る)しただけだ。それでも目当てのグラフィック改善関係の MOD の大半をインストールすることができ、特に問題ないと感じている。

これは、VR のベースとなったスカイリム SE(Special Edition)が 64 bit exe なので、多くの無印の MOD、特に Unofficial パッチや SKSE に依存するものが使用不可になり、SKSE も長らく対応されなかったため、その間に依存関係を取り除く対応作業を MOD 作者の方々が行ってくれたおかげらしい。感謝しよう。

(2)SKSEVR をインストール

MOD を使うと、バニラとはセーブデータの互換性が無くなり、Steam の実績も解除されなくなる。

これはちょっと嫌なので Achievements Mods Enabler という、MOD が入っていても実績を解除できる MOD(以後「実績解除 MOD」)を入れる。この MOD は SKSE64(Skyrim SP 版 SKSE)が必要なので、まずは VR 版 SKSE64 である SKSEVR をインストールする。

Current VR build 2.0.10 (runtime 1.4.15): http://skse.silverlock.org/beta/sksevr_2_00_10.7z

SkyrimVR.exe のバージョンは、英語版でも 1.4.15 で共通なのだろうか?(未確認)とりあえず日本語版でもバージョンは一致するので動きそうだ。

この記事の(2)を参考にした。

私の場合はデフォルトのインストールパス(以下をゲームフォルダと呼ぶ)

C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SkyrimVR

以下に、上記 7 zip ファイル(.7z)を展開して中身を手動でコピーした。7 zip ファイルの展開は

を使う。そして以下の内容の SkyrimVR\Data\SKSE\SKSE.ini をメモ帳等で作成しておく。

[Display]
iTintTextureResolution=2048

ゲームフォルダ内を直接変更するので、事前にフォルダごとバックアップ(コピー)しておくと良いだろう。(時間はかかるが再ダウンロードすれば良いだけなので、面倒ならやらなくても良い。筆者はネット回線が細いので時間がかかる。)

SKSE はバージョン依存するので、SE 向けの SKSE64 前提 MOD が SKSEVR でも動くとは限らない(普通は動かないと思ったほうが良い)が、今回は SKSE 依存 MOD は実績解除 MOD さえ動けば良く、この MOD はバージョンに依存しないと書いてある。

さて、実績解除 MOD は、SKSE64 に加えて、以下の DLL LOADER MOD が必要と書いてある。展開して  DINPUT8.dll と ini ファイルを SKSEVR と同じ所にコピーする。

実績解除 MOD に限らず、ここからは多数の MOD を導入するので、毎回いちいち圧縮ファイルを展開してコピーしていては面倒だし、何をコピーしたのか管理するのは大変で、何かミスがあった時もすぐには戻せない。そこで MOD Organizer(MO)という管理ツールを導入し、常にそれを経由してインストール、アンインストールを行うようにする。

(本来は上記の DLL LOADER も MO で入れるべきだが、実績解除 MOD の解説に MO を使うなと書いてあったので、今回は手動でコピーした。)

(3)Mod Organizer 2 (MO2)をインストール

nexus のアカウントを持ってないならば作る。ログインして Download: MANUAL からインストーラをダウンロードしてインストール。(こういう非公式なインストーラをうかつに起動すると変なマルウェアを入れられる場合があるので、zip 版を展開して使う方が良いのかもしれない。筆者は特に何も考えずにうっかりやってしまったが、特に問題は起きていない。)

Mod Organizer というアイコンがデスクトップにできる。(追記:バージョン 2.2.2.1 だと、インストール時に選択しないと作られないようだ。)起動する際には右クリックして「管理者として実行」した方がトラブルが減る(Program Files 以下など、管理者権限が必要なところをいじるから?)という話もあるが、あまり気にしなくても良いようだ。

起動して、インスタンスを SkyrimVR という名前で作る。ちゃんと VR に対応しているらしい。日本語設定も特に不要で、最初から日本語だった。(バージョン 2.2.1)スパナアイコンをクリックして Nexus タブから関連付けを行う。

この記事の(3)を参考に、SkyrimVR を SKSEVR 経由で起動するためのショートカットを作成する。

追記(2020/6/22)

ここが少々わかりにくかったようなので補足。PC が変わったので改めて環境を作り直した所、今の MO2 のバージョン(2.2.2.1)だと、一度 SkyrimVR を起動してチュートリアルを終わらせ、ゲームファルダに SKSEVR と DLL LOADER を展開した状態で MO2 を起動して New Instance を作ると、以下のように SkyrimVR が選択でき

画像3

最初から SKSE が選択済みになっているようだ。なのでそのままデスクトップに SKSE のショートカットを作成し、以後はそこから起動すれば良い。(また、以下のように、実績解除 MOD は右側に移動しなくても問題無いようだ。これは順番が関係ない MOD だからだろうか?)

画像1

以前のバージョンでは SKSE が自動で作られなかった(と思う…記録が残っていない)ので、歯車アイコンから以下の内容を登録し、ショートカットを作成したのであった。

画像2

実行ファイル:C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SkyrimVR\sksevr_loader.exe
開始フォルダ:C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SkyrimVR

追記ここまで。

今後は、SkyrimVR を起動する際には、常にこのショートカット経由で起動することになる。(インストール時に作成されるショートカットや、Steam から起動した場合は、MO2 で管理する MOD が反映されない。)

ジグソーパズルのような「ツール」アイコンから「INI エディター」を起動し、最後に参考記事の設定をコピペしてみた。


; https://ch.nicovideo.jp/S-Thurk/blomaga/ar1715286
[VR]
bAllowVRCheating=1 ;NPCに近づいた時に強制的に離されるのを無効にする
bLoadVRPlayroom=0 ;起動時のチュートリアルモード画面を無効にする
fVrScale=69 ;世界の大きさを修正・数値はお好みで
fActivatePickLength 20 ;ものを拾える距離を短くする
[Archive]
bInvalidateOlderFiles=1

ちなみに参考記事の(1)で設定している

 [Launcher]
bEnableFileSelection=1

は最初から skyrimvr.ini に書いてあるので、何もしなくても良さそうだ。

ここまでで一度、作成したショートカットからの起動を確認しておく。もし起動しなかったら作業ミスが無いか確認しよう。

(4)実績解除 MOD をインストール

いよいよ当初の目的の実績解除 MOD をインストールする。MOD を編集する時には、SKSE のショートカットではなく、Mod Organizer のショートカットを起動する。MO2 には、zip や 7z などの圧縮ファイルをそのまま読み込ませることができる。

インストールした MOD を右クリックして「エクスプローラで開く」して、AchievementsModsEnablerSSE\Plugins\SumwunnAchievementsModsEnabler.ini の

iIgnoreExpectedProcessName=2

に変更した。(「or VR」と、VR 版の exe 探索も対応済みっぽいので、現在ではこの設定はやらなくても動くかもしれない。おそらくこの MOD は Fallout4 と共通になっていて、通常は exe ファイルを検索してモードを自動設定するのだが、2 を指定した場合、常に Skyrim SE モードで動く、みたいな意味なのではないかと想像。)

通常 MOD を入れてセーブすると、セーブデータに [M] マークが付くのだが、これが付かなければ導入成功。(※ 注2)一度 [M] が付いたセーブデータでも、もう一度セーブすれば消すことができる。(その際、今まで見えていたセーブデータが消えたように見えるが、[M] 無しセーブデータのみが表示されるように切り替わっただけで、[M] ありのセーブデータも残っている。全てのセーブデータを表示すれば確認できる。)

(5)いろいろな MOD をインストール

後は nexus からいろいろ MOD を同様にインストールする。以下の記事を参考にした。

一つ一つ起動と効果を確認しながら入れて行く。MOD MANAGER DOWNLOAD で直接 DL & インストールしても良いが、進行具合がよくわからず不安になるので、筆者はなんとなく MANUAL DL してそれを MO に読み込ませている。(最初の子ども美化 MOD のみ MOD MANAGER、他は MANUAL でインストールした。)

以下の2つは依存関係があるようなので、記載順に入れた。Bijin Warmaidens 単体では依存関係は無いと書いてあるが、インストール中に Body Type は UNP or CBBE Body ? と聞かれるので、入れておいて UNP を選択した方が良さそう。(もしかしたら、選択した Body MOD がインストールされてなかった場合、自動的にインストールしてくれるのかもしれないが。)この 2 つはこれまでの MOD と異なりいろいろと好みのタイプを質問されるので、適当に選択する。

ドラゴンやヴァンパイアに襲われると村や街の NPC が家の中に隠れる MOD も入れたが、スカイリム SE からヴァンパイアの襲撃は無くなったらしい(SE 未プレイなので未確認)ので、この MOD は不要かもしれない。

2020/6/22 追記:誤って以下の Unofficial パッチ MOD も入れてしまった人がいたようですが、入れてはいけません!(使えないという注意書きです。)

Unofficial パッチの VR 版は無く、SE の Unofficial Skyrim Special Edition Patch(USSEP)は exe のバージョンが大きく異なる(1.5.80)ので使えないようだ。USSEP に VR 用のパッチを当てたり、USSEP 4.1.2a なら大丈夫だ、みたいな話もあるようだが、よくわからないので今回は入れなかった。

後はご自由に。

更新が 1 年前だが、VR に対応している MOD のリストがあったので、ここから良さそうなのを探してみると良いかもしれない。

スカイリム VR の体験者がもっと増えることを祈る。

以上。

※注1

筆者は 2016 年に全身性エリテマトーデス(SLE)という難病を発症し、闘病のため長らくゲームから遠ざかっていたため、PC が古い。

VR 導入にあたり GTX 1660 Ti を新規購入(Gigabyte 3.5 万円)したのだが、通常版のゲームでは GTX 1070 に相当しそれなりにパワフルなこのグラボでも、VR では常にパワー不足を実感する。可能ならば RTX 2070 SUPER 以上をおすすめする。それぐらいのパワーがあれば、Fallout 4 VR も快適にプレイ可能だろう。

首や身体の動きと映像の連動が命の VR ではフレームレートの乱れは即 VR 酔いにつながるので、パワーはどんなにあってもありすぎることはない。ちなみにレイトレーシングに対応している VR ゲームはほとんど無いので、必要なのは純粋な GPU パワーのみであり、RTX の恩恵は無いだろう。個人的には 1660 Ti 同様にレイトレコアを取り除いてワットパフォーマンスと値段を改善した RTX 2080 相当の、GTX 1680 Ti みたいなのが欲しいのだが。6 万円ぐらいで。

※注2

ただし、この記事を書いている時点では、筆者はリバーウッド周辺の山をうろうろしていただけであり、本当に実績が解除されるかどうかはまだ未確認である。

以下余談。

既に筆者はメインクエストの「開放」と「祝福」をクリアしてしまったので、ハドバル兄貴ルートの次の実績は「ブリーク・フォール墓地」が最短と思われるが、「金の爪を取り返したのに実績が解除されないな?」などとアホな勘違いをして何度も設定をやり直してロードを繰り返したり無駄な時間を浪費していた。当然ながら墓地のクエスト開始はもっと先、ホワイトラン到着後と気付いたのが昨日である。この記事では最短のインストール手順をまとめているが、実際は MO2 を導入していろいろ試していたのが先であり、SKSEVR を導入、実績解除 MOD が正常に動作にし、セーブデータの [M] が消えること(そもそもこれで正常動作が確認できること)が確認できたのは、まだ動いてるかどうかよくわからないが、忘れないうちに非公開でメモだけしておこうと、この記事を書き始めながらいろいろ確認している最中であった。やはり記事を書くのは自分のためにもなる。

ちなみに動かなかった原因は、

The dll loader version does not work with Mod Organizer. You must install via NMM, manually or use the SKSE64 version.

を、「このバージョンの dll loader は MO では動かない。NMM(MO と似たようなツールなのだろうが未確認)か手動でインストール、もしくは SKSE64 版を使う」、つまりこの MOD には SKSE 版と DLL LOADER 版があり、どちらか一方でロードすれば良いのだろう、ならばよくわからないローダーではなく、VR にちゃんと対応してそうな SKSE でロードしよう、とななめ読みして誤読し、実際エラーも出なかったため。実は dll loader を SKSE64 経由で使用せよという意味で、両方必要だった。


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