鏡が落ちる時
一昨日のこと。
私は家の掃除をしていた。
とても穏やかな気分で、リビングをほうきで掃いていた。
あ……
鏡……
突然そう思った私は
ほうきを片手に洗面所へ向かった。
洗面所の壁に備え付けてある
大きな鏡の棚の前に立つ。
何だか集中力が途切れてしまい
キッチンの換気扇の下で煙草を吸っていた。
しかし、どうにもこうにも視線を感じる。
洗面所から、ジッと視線を感じる様な気がして、
煙草の火を消して再び洗面所へ。
鏡をジッと見つめる。
私が映っているだけの鏡。
人差し指で優しく
つんつんした瞬間
30キロ程の鏡の棚が
丸ごと落ちてきた。
不思議と驚かなかったので
踏ん張って両手で支えた。
中の硝子の板も3枚とも無事。
鏡も無事。
娘の洗顔中でなくて、本当に良かった。
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