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この季節になると山桜がいち早く咲いていて、山がぽつぽつピンクになってる景色を見ると、日本ってええ国やなぁと思う。もし山の木が全部桜やったら「ピンク山脈」って呼ばれるんかな?と思うとかわいい。

昨日は白浜我忘さんでメトロロと2マンライブということで、ツイスタで練習を終えてから車に飛び乗る。新しくできた和歌山南インターでETC専用を初体験。その時、脇に間違えて入ってしまった人用の迂回路もあってなるほどと思いつつ、昔のことを思い出す。まだ免許取り立ての頃、和歌山北インターを下り側から出たのに、右折場所を間違えてもう一度上り側へ入ってしまったことがあった。しかも行楽シーズンで混みがひどく、結果次の降り口の阪南インターまで1時間かかった。 最悪な気持ちになりながら車内で再生してたのは、当時発売仕立ての泉まくら「愛ならば知っている」で、前作までのポップさを捨てつつも奥ゆかしくなった作品にループするたびに度肝を抜かれてた気がする。あのアルバムは泉まくら史上1番好きかもしんない。

白浜に着いてから、ライブの演奏順をメトロロのGtVo.アニさんとジャンケン。8回のあいこの末に後攻に決まり、メトロロの後にライブすることに内心焦る。メトロロといえば、和歌山の中でもトップクラスに実力と個性があって、ジャンルを超えて好きになれる素晴らしい音楽をするグループ。アニさんの作る、どこか寂しいのに気がついたら口ずさんでしまう曲、それをケンタさんのギターが支えつつ"ハネ"を増長させていって、ドラムのユウスケくんがまとめ上げる。CDも良いんだけど、ライブで見ると毎回「今回が最高やな…!」となる(笑) 本当に素晴らしかった。1時間と言わず2時間でも3時間でも聞いてたかった。昨日はアコースティックセットだったので静かめなのかな?と思ったら大間違い。激しいフォークロックとグルーヴがうねうねと渦を巻いて、気がついたらのみこまれていた、そんな感じ。いや、最高だった!

そんで私の演奏はと言うと、多分これまで音楽をしてきて1番いいライブだったように思う。歌が上手く歌えたとか、ミキサーが手元にあって好みの音を作り上げやすかったとか、体調もすこぶる良かったとか色々あるけど、1番はお客さんと我忘さんとメトロロの理解だったと思う。普段、音楽をする中で「誰がどう感じてもオッケー」ということだけ意識するようにしている。例えば私の演奏を見て、最高とかクソやなとかよく分からんとか感動したとか、どんな感想を抱いてくれても人の自由。ポジネガどっちでも、感情が動いてくれたなら嬉しい。なのでMCで「こういう苦労があって」とか「こんな思い入れが」とか言葉にしないようにしてる。それをしちゃうと、お客さんにどう受け止めて欲しいかのレールを敷いてしまう気がする。勿論それを心の底から思ってる人たちのMCはグッとくるし、うるっとすることもあるけど、私は自分の人生に距離を取るタイプなのでそれはできそうにない。嘘になるし。

以前、対バンの人に「ともみちゃんはなんで音楽してるの?」と聞かれたことがあって「?、好きだからです」と答えると腑に落ちない顔をされたことがあった。それは多分「届けたい想いが」とかってのを期待されてたんだろうけど、勝手に感じて自分で考えてくれって感じだった。色んな人がいる世の中で、いいと感じるものもタイミングも全然違う。そんで私には敢えてストレートに言葉を使うほどの、誰かに分かって欲しいこともない。私の歌を聞いて、私と同じ風景を描ける人はいないし。むしろ「その人がどう感じるかの(友達の言葉を借りて)余白」が音楽の楽しさだと思う。クラブで踊ってる人がいたとして、みんな違うことを感じてるからおもろい。そして昨日の我忘がすんごい面白かったのは、和歌山という田舎で感じ方が近い人たちが集まっていて、私が良いと思うところをそれぞれの形で良いと感じてくれていたことだと思う。お客さんの数は多くなかったけど、共感ではない共有がそこにあって、とても楽しかった。いいライブだったなぁ!また行きたいなー!

最近外食続きで、何とは言わないけどアレなので、アブクラッシュせねばです。

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