エリクソン研究会記録『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』P474L5~P485L8 第17回

※本記事はめんたねにて2013年3月〜2017年6月まで行われたエリクソン研究会のメモ書きを文字起こししたものです。テキストは『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』を使用しました。メモ書きなのでテキストを読んだ前提でないと、わからない書き方になっていることにご注意ください。
またエリクソン研究会では現在は別のテキストの『2月の男』を読んでいます。
http://mentane.net/workshop/pg167.html

P=ページ数 L=行数
読んだページ数P474L5~P485L8

ローザの動きは目が閉じかけているのに、頑張って閉じないようにしている。
働きかけるとき泣き崩れそうになる

分散させたつもりでも、相手が変わってくれても思った通りになったという気持ちで台無し。
勝ち誇った態度を取ってはいけない
エリクソンにとって人間は歯みたいな物で、歯に対して怒っても仕方が無い
歯の中にはめんどくさい歯もある。
抵抗されたこと自体がエリクソンには自分への攻撃やダメージにならない。
エリクソンはこういう人の抵抗を自分への攻撃と取ってない
例えばザリガニをつっついて苛めたとする。すると、指を挟まれて痛い。
だからといってザリガニが自分を人格攻撃したことになるか?それはちがう。
ザリガニは本能にしたがってやっている。
人間には攻撃に感じるだけだ。

他者への攻撃は防衛になる
自分自身への人格攻撃は価値否定とは違う
人間性には関わらない
しょうがないじゃん嫌われるのは

例えば僕(尾谷)が全身麻酔の手術をしたとき、管を入れて抜くときに大暴れ手して大変だった。でもそれを医者は医者に対する敵意とは受け取らない。ソレに近い。

心理療法は心を扱う
心が暴れることは言葉、心で攻撃する形で出てくる。耐性には多分慣れが必要。
上手くなってくると抵抗を減らしたり、そらしたりする技は出てくる
小さく間違えることもその一つ
相手に優越感を持たせるのもムカツキを減らすことになる

コイツはこんなにアレなのに俺より上にいる
そう思わせている時点で優越感を持たせている
どこかしらツッコミどころを持たせるのは案外重要
ましてやエリクソンは障碍者で、車椅子に座ってるから自由に動くことが出来ない
クライアント側がの方が優れていると思う。意識では考えないけど
協力してあげたい様な気持ちになって来る

間違えると相手が上になる
上とか下とかが実存に関わるか
ゲームの場での上か下であって、演技という感覚があるか

しかしエリクソンにある生徒がイタズラをしたらエリクソンが大激怒したそうな。
治療の場とプライベートな場がパキッと別れているのが一点
立場・状況もある。生徒が先生にイタズラをするのを許さない。
怖く怒るか、イタズラしたことを後悔させる位にいやらしい罠をかけるか。

痛いところをつつくと話をそらすスタッフが居る。
スタッフは責められると感じて辛いのだろう
自分がダメだと思うのが辛い
指摘ではあるけれどあなたの身方ですよという姿勢を前面に出すことが大事だが
しかしそれだけでは足りないのだろう


P474L11
「私はあなたに~言いませんでした」
良くわからない何をやりたいんだ?とローザは思う
この思考に意識があつまる。そうすると裏の意味が読めなくなる。
訳のわからない雰囲気、嫌な雰囲気、此処にいたくないと思う。

目でローザを見ながらサリーに話す。
ローザに対して言っている部分もある。
これがエリクソンのやり方
普通はクライアントは気がつかない。嫌な感じはするが。

P474L17~18
「サリーは気づきませんでした」
サリーはローザが自分が言ったように動かない(目を閉じない)ことでいっぱいいっぱいになってエリクソンの意図を考える余裕が無くなっている。

P477L4~9

ドライカース?アンスバッハーか?自覚の有無で対立か?

本人が同意する形を取ると文句を言いにくい
自分の発言に責任を負うことになる

エリクソンにずっと反発していた。間違いを訂正をするだけではエリクソンの試みには気がつかないからこのケースは気がつかせたのでしょう。

絶対に自分は北に行くんだという人を、位置を西に南に仕向けて、最後に南に向かせる
あなたは最後に南を向いて居ますね。私の意見と同じです。というような感じ。
最後に気がつくと自分の望んでいる方向と逆の方向に向いている事実
自分がエリクソンの意見に同意していることに気がつく

P478L6~7
似たような状況は恋愛場面に見られる
自分を打ちのめしてくれる異性を探しているのに、やってきた異性を打ちのめす
矛盾している行動・心理
(カウンセラーに)治して欲しいけれど、自分を保ってもいたい
上手いこと私の思惑を任せて、無意識に望む物をやって欲しいと望んでいる

どちらかが勝つかは本人の中でも葛藤がある。
だが、勝つことそれ自体にはこだわっている。

「目は閉じていて」→暗示に反応している何故?望みの一つとしてローザはトランスに入りたい→これがないとローザはトランスに反応しない
そして目を閉じるのはトランスに入る動き
「手の方は動いている」
覚醒する動き
トランスと覚醒する動きが混ざって葛藤している

心のどこか無意識でエリクソンに勝って欲しいとローザは思っている
そうでなければワークショップに来ない
無意識では同意してYesセットになっているが、ローザの意識では今まで通り、私を保っていたセルフイメージを保っていたい

周りの人に話すやりかたはエリクソンはよく使う
暗示に入れている

P478L12「さあ、目を閉じなさい」
「今すぐ目を閉じなさい」という指示で、ローザは今すぐは嫌だと反発した
時間の概念を入れる→目を閉じるか否かではなく、いつ閉じるかに焦点を当てた。
閉じることは前提になる

最初は警戒される→まあいいかと思う
意識的努力でどうにかなる物では無い
モチベーションを持たせるような努力・話し方が誘導者には必要
この人(被験者)はどんなことを考え、何に興味を持っているのか?
このやりとりがトランス誘導

ワークショップで反応して入らない人は居ない
基本は入る
ローザは入るモチベーションがある
抵抗されても従う


P479L13
「さあ、そのままにしなさい」
閉じて開けるから閉じたままに
抵抗する人はこのパターン
何度も閉じて開けている

閉じては開ける→ローザは抵抗している
初めて催眠を受け、トランスに入る人→不安
自然と起こる抵抗

P480L1~2
入らない方に強化されないか?
ローザは褒めても否定するタイプ
だから抵抗をしている
ボールの投げ方
「あなた(ローザ)は抵抗している」と言うと、「そんなことはない」とローザは言いそうだ。
Yesセットになっている。言ったことが当たっているのがミソ
ここが勝負のポイント
「何に?そんなことは無い。悩ませてなんて居ない」ローザはと思う
→トランスに入る
わざと話間違えて相手を一段上に上げる
見せる弱点は催眠と関係のないところで。
閉じそうで閉じない人には背中の話とか音の話とかをして意識をそらす
「なぜ私があなたをなやませているのかわかりません」
は抵抗を分散させる。悩みについて考えるので。


P481
「あなたはとても上手にトランスに入っています」
承認の言葉をかけて暗示にしてしまう
相手が出来ていないことを出来ていることにして褒めたたえる。

トランスに入ると腕浮揚など、普段の自分の感覚からすると異様な感覚になる
普段通りの動くのかを確認したりする動きに出て頻りに動いたりする
まばたきも同じでいつもと同じように確認する動きである
トランスに入りかけていこうとする人は良くする。
トランス誘導をして覚醒して戻ってきたら体を触って体感覚を確認する人が多い
トランス中は感覚がなくなっているから
抵抗する人はトランスに入っても何も変わらない、いつもの自分と同じであることを証明したい
腕浮揚が起き始め「上がってますね」と言うと下げたり
凝視法だと眼球を動かしたり抵抗をする
裏を返せば入りかけるとヤバイと言うのがある。
そこを広げるとやりやすい
対して反応が薄いタイプは暗示への反応が薄い
トランスには入る
トランスに入っても暗示に反応するかは別である。
エリクソンはあまり切り離しを許さない

P481L16~17
「ジェフ~初めての人です」
これはウソ。暗示的に言っているだけ。ゼイクにこれをやれと。

P482~483の辺り
子供時代の感覚を引っ張り出す
Early learning set
抵抗の強い人に対しては立場を逆転させる
エリクソンが子供で、クライアントが親という形
入り口は親であっても、働きかける側である子供の気持ちを思い出す。
昔のフレーム、無意識が活性化する。

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