エリクソン研究会記録『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』P469L7~P474L4 第16回

※本記事はめんたねにて2013年3月〜2017年6月まで行われたエリクソン研究会のメモ書きを文字起こししたものです。テキストは『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』を使用しました。メモ書きなのでテキストを読んだ前提でないと、わからない書き方になっていることにご注意ください。
またエリクソン研究会では現在は別のテキストの『2月の男』を読んでいます。
http://mentane.net/workshop/pg167.html

P=ページ数 L=行数
読んだページ数P469L7~P474L4

P469L7~

エリクソンの狙い
サリーにローザを指名させる
ローザは入りにくそうでものすごく抵抗する
これは使えそうだと思う
ローザが入らないと指名したサリーが間違えることになる。
エリクソンはサリーが間違える場を作りたい
ローザがトランスに入ったらそれはそれでおいしい
どっちに転んでもおいしい教育的アプローチ

P469L10~11
「先生 彼女は「x、y、それにw」というように~」
ここでいうアルファベットは代名詞的表現
xさん、yさん、wさん
アルファベットは同じメンバー

サリーはここでほかのメンバーと同じ一員となった
自分を特別扱いすることをやめる
周りの人間と同じ
自分を特別扱いすることはトラブルを招く
アルファベットの一員だと健全になる

サリーのセルフイメージは特別で間違いのない神のような存在
間違いに耐えられない、決して生徒になれない
サリーのそうした点に教育をする
ほかの生徒と同じように扱う

トランスのデモンストレーション
必ず抵抗がある
抵抗を使ってどう教育するか?デモでは重要なこと
上手く活用すると学習効果が高い
抵抗して貰うから催眠の性格を学べる

P470L3
「だれかを見落としたとおもいませんか」
サリーがローザを指名する布石

サリーとローザの対立状況をエリクソンは仕掛ける
エリクソンは集団での立ち回りが上手い
場の力学、人の絡みをコントロールする
家族療法もこの感覚
エリクソンは夫婦が正しい形で言い合いをさせる
この時エリクソンはどちらの身方にも成らない
エリクソンの言葉で「車輪の中心にカウンセラーはなる」

P471L1~2
「では彼女を見なさい~」
サリーにローザを見させる
サリーの言ったとおりになるかどうか
P471L3
「足をもとにもどしたくありません」
ローザは抵抗するサリーには苦痛

P471L11
「それはとても教育的なことです」
教育的ということは、気持ちよくさせることでなない

P471L12
「私はあなたにいやな気持ちでいるようにとは言いませんでした」
原文では
「I didn`t tell you to be uncomfortable」

「uncomfortable」はnot付きの言葉
直訳すると「いやな気持ち」だがニュアンス的には
「気持ちよくない気持ち」「快適でない気持ち」か
この言葉を投げかければイメージは快適に向かうか?

間接表現のアプローチでもある
支配M対支配M
ローザのいやな気持ちは解ってますよと暗に伝えている


P471L14~16
「(先生)私はただこの女性に~期待するようにローザを見る)」
トランスに入る様子を想像させる言葉
尋ねるだけだが、内容は暗示になる
「ローザを見る」
視線で期待を伝える
語られていないメタメッセージ
なおかつダブルバインドにもなる

トランスにはいることが快であり
入らないことが不快になる状況設定をつくるその準備をしている

ローザも反応する
ローザは不思議に思う
かってこうなる自分自身を認識する

抵抗の強いクライアントに腕浮揚をやる
「いいですね、上がってますね」
というと抵抗して下がる
「いま、その話をしたら下がりましたね」と言う
言葉に抵抗して上がったり下がったりする
無意識の心があることをクラインとは認知する
頭で考えていることとは別に体が動くと言うことが解る
それがクライアントの学習になる

P472L5
「彼女は目を閉じ、それから開けました。あなたが目を閉じて~」
「あなた」はサリーかローザか解らない言い方
どっちの文脈なのか迷う
「you closes them」と間違えることで抵抗が分散される
間違いを指摘させて一段上に立たせると抵抗が経る
ケチを付ける要素は大事
サリーからもローザからもエリクソンへの抵抗は分散される
そして「閉じる」という単語自体は否定されない
混乱と、抵抗分散と、閉じるという暗示が狙い

P472L14
「サリーが離れていたのです」
エリクソンはいつでも相手の頭の中での考えを推測してコントロールする
サリーの言ったことが間違っている状況
危機的状況
トランスに入りやすい

トランスに入れた状態でローザに目を向けさせる
直面させる
トランス下で学習をさせる
トランスはある種の麻酔なので耐えやすい
トランス下では目的にあわせて焦点を向けさせる


☆トランス誘導デモの目的
◎トランスを体験させる
・意識/無意識の存在を実感させる
 相手に対するアプローチも自分に対するとらえ方も違って来る
 意識だけではやり方が固くなる
 言葉だけで伝わるはずだと思ってしまう
 言葉で言っても解らない実感させた方が早い
・「自分(人)は変化・学習する」ことを学習する
 催眠に入ってないと思う人が催眠に入ると
 「私って変化するんだ」と知る
 これがインストールされていない人は頑なな人
 知るとこの先の学習がスムーズ
・Eeariy learning set
 大人は頑な
 「私は~な人間である」ということをある時点で思う
 すると固まる
 状態に適応されて人間は固まる
 年を取ると学習が遅くなる
 子供の頃の素直に学習する状況をつくりたい
 例えば自転車に乗る話をする
 素直でやんちゃな気分を想起させる
 学習が起きやすくなる
・暗示(支配M的メッセージ)
◎トランス下で新たな学習をさせる
 サリーのケースはコレ
 新しい思考パターンを引き出す
 抵抗してトランスに入らない人ほど入れたい
 →新しい変化への抵抗が強い
 トランスで牙城を崩すと広がる
 より大きく変化の可能性が高まる

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