目でみる経済学習塾の倒産、過去最多に〜すべてがNになる〜

2024年7月25日【経済】

 過当競争で学習塾の倒産が増加しています。民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、2024年1~6月期の学習塾倒産は26件で、00年以降の1~6月期では12年の23件を超えて過去最多を記録しました。

 6月には、福岡県に本拠地を置き480教室(19年)を運営する個別指導塾スタンダードが福岡地裁に民事再生法の適用を申請。負債額は83億2400万円と00年以降の学習塾倒産で最大規模でした。中小が中心だった学習塾倒産が大手にも広がっています。

 少子化が社会問題になっている一方、学習塾市場には新規参入が相次ぎます。23年は休廃業・解散が113社だったのに対し、新設法人は519社でした。学習塾は小資本から始められる一方、成績アップなど目に見える結果も問われます。最近はネット上で無料の学習素材が多数提供され、生徒獲得の競争相手が増えています。

 また、人材獲得への出費もかさみ、教育費を負担する保護者の厳しい選択に応えることも必要となります。

 東京商工リサーチは「(学習塾市場では)生き残りをかけた競争が繰り広げられ淘汰(とうた)の波が高まっている」としています。

 (清水渡)

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