社会保障改悪と大軍拡政府が「骨太方針」原案示す〜すべてがNになる〜

2024年6月12日【1面】

 政府は11日、経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)を開き、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)の原案を提示しました。原案は、23年12月に閣議決定した「改革工程」(全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋)を「着実に推進する」と強調し、社会保障切り捨ての方策を並べました。他方、「国家安全保障戦略等に基づき、防衛力の抜本的強化を推進する」として、5年間で43兆円の大軍拡に固執する姿勢を示しました。

 原案は「『コストカット』が続いてきた日本経済を成長型の新たなステージへと移行させていく」と述べながら、人件費と社会保障費の削減を強める政策に執着しています。雇用政策を巡っては「三位一体の労働市場改革を進め」て「雇用維持から成長分野への労働移動の円滑化へとシフトしていく」と強調。解雇を自由化して労働者を競わせ、多数者に構造的賃下げを強いる方向を掲げました。

 医療分野では▽3割負担の対象者拡大など「改革工程」に基づく国民負担増▽国民健康保険料(税)の水準統一(値上げ)▽27年度以降の医学部定員削減の検討―などをあげました。介護分野では▽2割負担の対象者拡大▽ケアプラン作成の有料化▽要介護1・2の保険給付外し―などについて26年度末までに検討し「結論を得る」としました。

 一方で軍拡財源を巡っては、赤字国債の増発につながる「決算剰余金の活用」をあげるとともに、「税制措置」=軍拡増税についても「適当な時期に必要な法制上の措置を講ずる」と明記しました。

 そのほか、次世代半導体の量産に向け、特定の大企業へ大規模・計画的に支援金をばらまくため、法制上の措置を検討するとしました。原発に固執し、再稼働や建て替え、次世代革新炉の開発を行う方針を掲げました。

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