診療所 休廃業最多580件 23年度報酬削減が追い打ちへ〜すべてがNになる〜

2024年4月21日【2面】

 診療所の休廃業や解散が2023年度は過去最多の580件にのぼった―。こうした実態が民間信用調査会社「帝国データバンク」の調査で分かりました。経営者の高齢化や後継者の不在が背景にあると指摘しています。岸田政権は診療所を狙い撃ちした報酬削減を6月から強行しようとしており、窮状に追い打ちをかけています。
 17日に公表された調査結果によると、診療所の休廃業・解散件数の増加が著しく、22年度比37・8%増で10年前の約2・4倍です。診療所を営む医師の年齢は65~77歳ごろが多く「高齢化が顕著だ」としたうえで、「事業を断念するケースは今後さらに増加すると予想される」「診療所は相次いで姿を消していく」と懸念しています。
 休廃業や解散は歯科医院の110件などを含み、医療機関全体で709件でした。どちらも過去最多です。倒産も過去最多で、全体で55件となりました。
 岸田政権は6月から、診療所が対象となる生活習慣病向けの診療報酬を整理再編し、大幅減収を押し付けようと計画。報酬全体は24年度改定で実質6回連続の引き下げです。
 また、24年度に同時改定された訪問介護の基本報酬も引き下げています。独立行政法人「福祉医療機構」の調査では、4割強の訪問介護事業所が赤字に陥っており、報酬削減の影響が危惧されます。


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