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愛知県議会 共産党議席ゼロで… 問題 野放しに三菱重工へ手厚い支援 統一協会の関係正さず〜すべてがNになる〜


2023年4月5日【社会】

 愛知県議選では、4年ぶりの議席奪還へ日本共産党の各候補が奮闘中です。いまオール与党となった愛知県議会では、大企業への問題ある支援や、統一協会(世界平和統一家庭連合)との関係を追及することができなくなっています。日本共産党の議席があるとないとでは大違いです。(矢野昌弘)
 名古屋市西区から県議選に立候補した日本共産党の、わしの恵子候補は、県議だった2015年7月に県議会で三菱重工への支援についてこう追及しました。
 「航空機の製造については、三菱重工をはじめ、名だたる大企業の事業である。公費を投入すべきではない」

■百億円にも

 愛知県は三菱重工の国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」開発に、多額の支援をしてきました。大村秀章知事は、「航空機産業全体への支援額は『全部足すと百億円ぐらい』(大村知事)に達する」(中日新聞、2月8日付)としています。
 日本共産党は、15年に12年ぶりに県議会の議席を回復。任期早々から、三菱重工への支援をただし、反対の論戦をしてきました。
 ところが19年に日本共産党の議席がなくなると、三菱重工支援に熱中する大村知事をただす質問はなくなります。逆に、「今こそ、航空機製造サプライヤーに対して特に手厚い支援を行うべきだ」(自民党県議、22年3月)と、支援をあおる質問のオンパレードとなりました。
 三菱重工は県の支援だけでなく、国からも507億円の補助などを得ています。しかし、同社は今年2月にスペースジェットの開発断念を表明。開発で得た知見は、次期戦闘機の開発に生かすとしています。
 愛知県豊橋市から県議選に出ている、しもおく奈歩候補も、県議時代に、「県がなぜ、戦闘機をつくる軍需産業の三菱重工にお金を出すのか。武器や戦闘機をつくる企業に依存するような愛知の産業構造にしてはいけない」(15年10月)と県議会で訴えていました。
 スペースジェット断念を巡っては、経済産業省が検証のための会議を立ち上げると報道されています(「朝日」3月30日付)。愛知県でも、日本共産党の議席回復で三菱重工への支援を検証することが求められます。

■知事が祝電

 日本共産党の議席がない中で、統一協会と県の関係について、県議会でほとんど問題にされていません。
 大村知事は、統一協会の関連イベントに祝電を送ったことが明らかになっています。また県公館で統一協会のダミー団体「世界平和連合」の関係者と面会していました。
 それでも、日本共産党の議席がないなか、22年末までに県議会でこの問題を取り上げた質問は1回きりでした。それも県公館の「面会相手のチェック体制はどのようになっているのか」(無所属〈減税日本〉、22年12月20日)というもの。大村知事本人に切り込むことはありませんでした。


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