文房具屋

万年筆のインクを買いたくて
地元の文房具屋へ行った。

地域密着のその大きな文房具屋は
暦通りの営業をする店で、
今日はお盆休みでシャッターが閉じ、
チェーンまで張られて
厳重な閉店体勢だった。

うきうきとした気持ちが途端にしぼみ、
がっかりとしてしまう。
事前にいくらでも調べる術はあったし、
お盆休みの認識が抜けていたのは自分だ。

勝手にやって来て、
勝手に期待して落ち込んでいる。

文房具は大好きだ。
店を見ているだけで楽しいし、
恐らく使わないだろうと思うものでも
欲しくて仕方がないときがある。

だからか目的がある買い物のときには
いつも以上にわくわくした気持ちで赴くのだ。

今日という日が
上手くいかなかった日のようにさえ思えてきた。
どこまで自分勝手なのだろうか。

手に入らないと思うと欲しくてたまらなくなる。
でもあの文房具屋で買うと決めたのだから、
別の大型店へは行かず、ここは我慢。

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