これは、ほぼ実話です。

これから書く話は、ほとんど実話です。
ただ、毎日日記として、書いていたものなので、一部記憶違いか、勘違いがあるかもしれません。

4月23日(木)

う〜〜ん、まだ外は暗い、いよいよ今日か・・
裁判所による強制退去の執行日は。まだ、四時すぎやもんなぁ。前に3人おっさんが来た時、八時過ぎに来るって言うとったなぁ。どうしようかなぁ、とりあえずヒゲでもそろか。なんでや?あ、もう七時半や、どうしようかなぁ、とりあえず自転車で、どっかいこ。
 とりあえず、別れた嫁はんの家に行ってみよか。あ、車変わっとる。表札はそのままか。旧姓は嫌がっとったもんなぁ。インターホン、押してみよか?
やめとこ、怖いもんなぁ。どこ行こか、自殺する勇気もないヘタレやし。駅の方へ行ってみよか、あ、焼き肉屋や。前に家族でいったなぁ。なんか泣けてきた、え〜ん。
 あ、あ、あ、あ、あ、なんか目が回ってきた。いったぁー、コケてるやんか。左肘を思っいきり打ってもうた。 
 あれぇ〜、ここどこ〜?てか、ワシなにしてんのぉ〜?はよ家帰らなって、家どこ〜、ちゅうかワシだれぇ〜、え〜、なに〜、え〜、こんな時どうしたらええのん?

そや、お巡りさんや、小さい時オカンから、お巡りさんは正義の味方や。何かあったら、頼りになるって言うとったなぁ。とりあえず交番へ行ってみよ。
 え〜と、あ、おばちゃんいてはる。「すいませ〜ん、この辺に交番あります?」
「ここまーすぐいって、右に曲がったとこにありますよ。」
「ありがとうございます。」

ここを曲がって、ああ、ここかぁ。
「すいませ〜ん、すいませ〜ん」
「はい、どうしましたぁ?」
「あの〜、実は自転車でこけてしもて、何か帰る家がわからんようになってしもたんです。」
「何かお持ちですか?携帯とか財布とか」
「いやぁ〜、何もないです。」
「こけた時に頭とか打ってないないですか?」
「いいえ、左肘はすごく痛いですが、頭は痛くないので、打ってないと思います。」
「自転車を調べてみますね。」
「車体番号から、あなた、Dさんってなってますよ。」
「え〜、私Dって言うんですか?なんか、ようわかりません。」
「登録証に、電話番号画乗っているので、かけてみますね。」
「う〜ん、つながりませんねぇ。」
「ご主人、何か思い出しました?」
「すいません、わかりません。」
「困ったなぁ。どっか、痛いとこないか?」
「はい、左肘が物凄く痛いです。」
「そうかぁ〜、救急車よぼか?」
 その間、お巡りさん達(3人いてました)はいろんなところに電話してました。
「ご主人、そんなに痛いんやったら、病院いくか?」
「いや〜、病院行く言うても、お金は全然ありませんよ。」
「でも、うちでは対処でけへんからなぁ。とりあえず救急車呼ぶわ。」
 で、救急車到着、担架に乗せられて車の中へ、血圧を測ってもらってると、小太りのお巡りさんが乗って来て、言いました。
「オイッ!キミィ!逃げて来たんか?あんたの住んでたマンション、強制執行中やぞ!」
「え〜、何ですかぁ?」
「とぼけてもアカン、逃げてきたんやろ!」
「え〜、そう言われても…」
「いや、そうにきまっとる。正直に言いや、オレもキレるで!」
キレられても、困るなぁ。
「何もわかりませんって、言ってるんです。」
「ウソつくな!正直に言えよ!ホンマにキレるぞ。」
キレたら、どうなるんやろ。いややなぁ。
「すいません、何のことかさっぱりわかりません。」
「チェ、しつこいおっさんやなぁ。しゃあないなぁ、病院いこか、しゃあけど行っても金はかかるんやで。」
「すいません、お金は持ってませんけど、左肘が痛いので、お願いします。」
で、やっと救急車は動きだしました。
その間、何回も血圧を計られました。
病院に着いても、血圧を計られました。
上が230、下が130
「ご主人、コレ無茶苦茶高いでぇ。
とりあえず点滴打つわ。」
そして採血。
 続きは明日書きます。