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福祉車両を解説 我が家がノアを選んだ理由

(2020.7.06 投稿)

今回は福祉車両についてのお話です。

我が家の障害を持つ娘が将来的にもバギーや車椅子での生活となる可能性が高いため、福祉車両であるトヨタ ノア SI 車いす仕様車(タイプⅡサードシート付)を購入したのですが、これによって移動が格段に快適になりました。

そこで、さまざまなメーカーやタイプの中からこの車を購入した理由と、そこに至る経緯をお伝えしたいと思います。同じように福祉車両の購入を考えている方や、福祉車両がどのようなものか知りたいと思っている方々の参考になれば幸いです。

福祉車両を購入しようと思ったきっかけ

当時我が家は中古のトヨタ ポルテに乗っており、障害を持つ娘もまだ3才と小さかったので、まだ早いかなとも思ったのですが、すでに車に乗り降りするたびにベビーカーをたたんでしまったり出したりするのが手間に感じており、将来的にも車椅子での生活になる可能性が高いので購入を検討しました。

車の乗せたり降ろしたりするのが手間でおっくうになり、外出の機会が減るのは嫌だな、できるだけ気軽にいろいろなところへ出かけられる環境を作っておきたいなという想いもありました。

購入するまでの経緯

ボディータイプは?

当初はシエンタかフリードくらいの「プチバン」と呼ばれる大きさのものが良いかと思ったのですが、我が家が大人2人、子供2人(障害児1人、健常児1人)の4人家族で、子供の定期検査入院や、趣味のキャンプなどで荷物も多く積みたいため、少し費用はかさむのですがミニバンタイプの車にしようと決めました。

実際に乗ってみると、やはりこの大きさの車がベストかなと感じます。
3人までの家族でそんなに大きな荷物を積むこともなければ、トヨタ シエンタやホンダ フリードなどでも良いかもしれません。


ホンダ フリード車いす仕様車


福祉車両のタイプは?

我が家では、スロープタイプの車椅子仕様車を選びました。
これは、写真のようにハッチバック部分にスロープが付いていて、人が車いすに乗ったまま乗降できるというものです。

トヨタ ノア車いす仕様車

乗り入れたら車いすを固定して、シートベルトの装着をします。車いすから車の座席に乗り移す必要はありません。

療育施設や、養護学校、スーパーへの買い物など、比較的短距離での使用を想定してこちらのタイプにしました。
長距離移動の際にはさすがにこれではかわいそうなので、車椅子はたたんで、車のセカンドシートにカーシートをセットして乗せるようにします。

このタイプではオプションで、電動でスロープの展開と格納ができたり、電動ウィンチにより車いすを自動で引き上げる機能などを付け足すことができます(我が家では予算の関係などもあり、採用しませんでしたが)。

その他にはリフトアップシート車というタイプもあって、こちらは車の座席が車外まで移動してくるタイプです。
車の座席に座るので、こちらの方が乗り心地は良さそうだなとは思いましたが、車いすから乗り移す手間は発生するので、我が家ではスロープタイプを選びました。車いすごと乗り込めない大きさの車の場合もこちらのタイプになるかと思います。

トヨタ ポルテ助手席リフトアップシート車

ライバル車 ステップワゴン、セレナとの比較

ミニバンの車椅子仕様車ということが決まったところで、トヨタ、ホンダ、日産の国内大手三社へ、試乗と見積もりをそれぞれ依頼しました。

ホンダ ステップワゴン

ステップワゴンは上級モデルであるスパーダのデザインがとてもカッコよかったので、当初はこちらを購入する予定でした。

ステップワゴン スパーダ エクステリア
ステップワゴン スパーダ インテリア

この四角をベースにしたデザインがちょっとガンダムっぽく、車内もスピードメーターがデジタルだったりして、まるでコクピットのような感じで一番気に入ったのですが、、、

なんと、3rdシートに車いすを乗せるタイプでは、このスパーダモデルが選べないとのこと、、、

この時点で選択肢から外れてしまいました、、、

日産 セレナ

セレナは「e-POWER」という日産独自の新しいハイブリッドシステムを開発していて、一度その車に乗ってみたいと思っていたので試乗させて貰いました。

他社のハイブリッドシステムと違って、基本はモーターのみで走行、エンジンはモーターのバッテリーを充電するためだけに使われるというシステムで、モーターのみで走るためブレーキを踏まなくてもアクセルを離すだけで自然と停止してくれるなどの利点があります。

試乗をさせて貰い、確かに新しい運転の体験をしたという感動はありましたし、安全性能なども他社に比べて優れてはいるようなのですが、、、

提示された見積もり金額が高すぎました、、、交渉する気すら起らない、、、この時点で選択肢から外れてしまいました、、、

トヨタ ノア

昔から、技術の日産、販売のトヨタと言われているようですが、トヨタは世界販売台数ナンバーワンでもある日本が誇る大企業ですし、ハートフルプラザという福祉車両専門の展示場があり、そこで専門のスタッフが細かく福祉車両の説明をしてくれます。

他社に比べて、さすがトヨタ、福祉車両にまでここまでしっかり対応しているんだなという印象がありました。
また、スロープ部分の仕様も他社に無い2つの特徴があって、福祉車両としての性能の点もしっかり力を入れて入れていると感じました。

①車いす仕様車はエアーサスペンションが採用されていて、スイッチを押すと車高が下がり、スロープの角度を緩やかにできる

②スロープが前倒れできる仕様になっている

トヨタの車いす仕様車はハイブリット車を選べませんが、これは①の通りエアーサスペンションを採用していることが理由のようです。

そして、最終的に購入の決め手となったのは、②のスロープが前倒れできる仕様になっているという点です。

他社の車では、通常スロープ部分は写真のように直立して収納する仕様になっています。
ところがトヨタの福祉車両では、この部分を内側へ前倒れさせることができます。

これがなぜ凄いかというと、車いすを乗せずに通常の荷台として使用するときに、スロープが直立して邪魔になることがありません。

我が家の場合、長距離移動の際は娘を車いすに乗せるでは無く、車の2列目座席にカーシートをセットしてそこに座らせ、3列目は通常の荷台として使用、検査入院の際の荷物やキャンプ道具など、比較的たくさんの荷物を積みたいので、この仕様が必須だと考えました。

まとめ

我が家の場合、当初はデザインの面からステップワゴンを購入しようとしていましたが、まさかのスパーダが選べないということで諦め、
その後、もし購入可能な金額であればe-POWERのセレナを検討しようと思いましたが、1st見積もりの金額にぶっ飛び、

結果、スロープ部分が前倒れするノアを購入するということになりました。

販売のトヨタだけあって、値下げ交渉も希望通り応じて貰えましたし、我が家的にはベストな選択だったかなと思っています。
この車で娘と一緒にいろいろなところへ出掛け、できるだけたくさんの人やものに触れたり、いろいろな景色を見せてあげることができればなぁと考えています。

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