声が枯れるまで

一体わたしはなぜ蓋をしてきたのだろう
いっそこの身が滅びるならば
その前にわたしはこの身を使い果たす

あめんぼの足音
アゲハ蝶の羽音
雲の動く音
なんでみんなそんなに忍び足なの
あなたが声を忍ばすから
わたしも思わず息を潜めちゃう

たとえ雷が落ちようと
あなた達は黙って逃げるだけ
あなた達は足音も立てなければ
怒って彼を止めることもしない

そんなあなた達の朽ちた身体が
わたしの心にひとつまたひとつと積もっていく
そして私もあなた達と同じように朽ちていく

それならば
どうせそうならば!

わたしは最後にあなた達を全て吐き出す
わたしは彼らに劣らぬ雄叫びを上げる
たとえお前らが屍になろうともわたしは構わない
わたしはお前らに生の命運など握らせない

わたしはわたしを生かす
わたしはわたしを殺す

2023/10/22 16:51:22

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