【感想】令和版 現代落語論 〜私を落語に連れてって〜(立川談笑著)

出張帰りの夜、暗い機内でこの本を読んでいて、声をあげて笑ってしまった。落語を「読んでいた」のに。

落語を題材にした本が出ると聞いて、正直に言うとはじめは中身が想像できなかった。だって、落語って演者の声を聞くものでしょ?身振りや動作を見るものでしょ?それを「本」で読むって、こちらに伝わってくるんだろうか。しかも「現代」落語論。それって面白いんだろうか?と思いながら手に取った。

第一章では、著者・立川談笑師匠の来歴を振り返りつつ、著者が考える落語の効用や、そもそも落語とは何か、どう楽しめばよいのかを、私のような”落語から縁遠い読者”にもわかりやすく解説されていた。

メインとなる第二章では、前章で説かれた「落語とは何か」を踏まえたうえで、実際の落語が9題取り上げられていた。
落語は古くからの古典芸能ではあるものの、とはいえ現代にはそぐわない・似つかわしくない部分をこう変えました、と解説があり、元の噺と改作された噺の両方が紹介されていた。
感想冒頭の「声をあげて笑ってしまった」のはこの部分で、落語を「読んでいた」のに面白さがビシビシ入ってきた。元の噺にへえぇ、今の時代にも通じるなぁと思ったり、改作後の噺になるほどなぁ、ここはこの方がしっくりくるかもな、と思ったり。
おそらくはここまでの本の構成から、落語を読んでいるのに「頭の中で声が再生されている」モードに知らず知らずに入っていたのだと思う。

第三章では、作家で俳優の中江有里さんと談笑師匠との対談を通して、現代の落語論を改めて振り返っていた。うんうん、そうだよね、落語も我々の考え方も、変わらないものを大切にしつつ、変わる必要のあるものも、あるよね…。

あっという間に一度読了。
うん、この本は噛みしめるべく、折を見て何度も何度も読んでみたい。
それと近いうちに、身近に開かれている落語会を探して、足を運んでみようかな。

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