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ハネムーンはローマで

コロナで今年行く予定だった旅行が全てキャンセルになった。4月に行く予定だった日本も7月に行く予定だったデンマークとアメリカも全てキャンセル。旅行に行けなかったこともそうだけど家族や友人に当分会えないのかと思うと涙が出る。もう3ヵ月以上外出していない祖父母も心配だ。と色々考え始めたら眠れなくなってしまったので去年行った旅行のことでも思い出しながら自分を慰めようと思う。

去年の6月にハネムーンへ行った。初めてのローマ。場所は夫が決めた。「ももこは絶対大好きになるよ」夫のその言葉通りわたしはローマに恋をした。街の至る所にゴロゴロとある柱や石膏像、建物の中に入れば壁も床も天井も様々な色や模様の大理石に囲まれていた。大理石に溺れると言う言葉がまさにぴったりで夢中で眺めた。カメラを向ければ街の至る所が映画のワンシーンのようでシャッターを切るのも止まらない。新婚だった私達にはぴったりなロマンチックで気怠い色気のある街だった。

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泊まったホテルには朝食がついていて毎朝ワゴンに乗って運ばれてくるパンやヨーグルトは見てるだけでお腹いっぱいになりそうな量でエスプレッソもコーヒーもいつもより特別美味しく感じた。なぜかシャワーにはカラフルなライトがつけられていて音楽に合わせて踊りながらシャワーをする夫が可愛かった。

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バチカン市国へも行った。お目当ては勿論バチカン美術館。朝起きれるのか心配で14時に予約したけれど今思えば朝から1日がかりで行けば良かったと後悔している。

システィーナ礼拝堂で『最後の審判』を眺めていた時に目の前で涙を流しながら祈っていた親子の姿が忘れられない。母親であろう女性は壁画を見ながら悲しそうにも幸せそうにも見える泣き顔で跪いて暫く祈った。終わった後夫であろう男性の肩へ顔を埋めた。息子らしい男性もすすり泣く母親の肩に手を乗せて幸せそうに微笑んでいた。その親子の姿に目頭が熱くなるのを感じた。無神論者の私には理解のできない芸術以上の価値が彼女らには分かるのだと思うと少し悔しい気持ちにもなった。

美術館は世界中から奪われてきた芸術品を堂々と飾る姿に少し呆れてしまったけれどそれ以上にその広さと圧倒的な美しさ、豪華絢爛なインテリアにのぼせてしまって帰った後も暫く熱っぽかった。

あんなに芸術品に囲まれた経験は今まで無かっただろう。また必ず訪れたい、今度は朝から1日かけてじっくり楽しみたい。


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ローマ旅行の4日間は毎日30度を超え日差しがとんでもなく強かった。日本育ちの私は慣れたもので短い夏を楽しもうとあっちこっちへ周りたがったが夫には強すぎたらしく全身から汗を吹き出しながら休憩を度々訴えた。確かにノルウェーの"夏"は蜃気楼が見えるようなジリジリした暑さでは無いので夫には相当キツかったかなと思う。私は寧ろ夏らしい暑さと湿気に全身が喜んでいるのを感じたし日焼け止めを塗り忘れても少しくらい焼いてしまえと上機嫌に過ごしていた。

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あとは珍しいものにも出会した。ちょうど泊まっていたホテルの近くを歩いていたらライオットを見つけたのだ。ちょうどその日はどこかのサッカーチームのバースデーだったとかそんな理由で数十人の市民達が集まって歌を歌っていた。パンテオンの前で旗を振り、歌い、赤や白の発煙筒を出して騒ぐ市民達に私は夢中でカメラを向けた。今考えれば危ないし近隣住民からしたら迷惑極まりないと思うが初めて見る光景に野次馬根性が働いて収まるまで暫く側で眺めた。歌って騒いで気が済むとバラバラと居なくなり数十分後には何も無かったようにパンテオンの前は観光客だけのいつもの景色へ戻って行った。イタリア人らしさを感じた夜だった。

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あと忘れないのは蚤の市。あんなに宝物だらけの蚤の市は初めてだった。場所はPorta Portese。ローマ一の蚤の市である。最初入り口を数十分歩いたがそれらしい屋台は殆ど見られずスウェットショップや偽物のブランド品ばかりが並んでいてがっかりしたのだが、その後屋台のお爺さんに場所を聞くとこのずっと先を右手に行けばお目当てのところへ行けると教えて貰い無事たどり着けた。インテリアやデザインの古本に豪奢な金縁の絵画、シャンデリアや洗面台、石膏像まで売っていた。現金をあまり持たずに入ってしまって幾つか欲しかったものを泣く泣く諦めてしまったので次回は現金を忘れない。

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他にももっともっと書きたいことがあるけれど長くなるのでここまでにします。ハネムーンの動画をYoutubeに載せているのでよかったら観てみて下さい🌹

動画はこちら▼

https://youtu.be/tlCflTk9sCw


また旅に行ける日がきますように。


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