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Non, je ne regrett rien

初めてのオスロへの旅の最終日。夜今の夫である彼と飛行機へ向かう前に一緒にシャワーを浴びた時にこの曲を聴いた。

No, absolutely nothing
No, I regret nothing
Not the good that has been given
Not the bad, it's all the same to me

No, absolutely nothing
No, I regret nothing
It is payed, done, forgotten
I don't care about the past

With my memories
I light the fire
My pains, my pleasures
I don't need them anymore
I'm done with the loves
and all their troubles
I'm done for ever
I start over with nothing

No, absolutely nothing
No, I regret nothing
Not the good that has been given
Not the bad, it's all the same to me
No, absolutely nothing
No, I regret nothing
Because my life, because my joys
today, they start with you

こんなに今の私にぴったりの曲があるのだろうか。流れてくる涙をシャワーで隠しながら溢れる感情が良いものなのか悪いものなのか分からず困惑した。

フランス語は分からないけれど歌詞は前から知っていた。新しい私、たった1週間前の私が遠い昔の友人のようにぼんやりと所在なく私の前に佇んでいた。

横で一緒にシャワーを浴びる彼の寂しそうな、同時にこの1週間が素晴らしいものだったと言う自信に満ちた優しい笑顔がさらに私とこの歌を結びつけた。

オスロ。息が止まりそうな程凍った街。
東京とは真逆のがらんとした空気も空の色も聞こえる言葉も違うこの街が私の住む街になるのかもしれない。その確信は現実になった。

あの夜のバスルームは今でもはっきりと覚えている。

夜2時。彼の点けたキャンドルの炎がゆらゆらと揺れてもあっとした湿気と異国の頼りないシャワーヘッドから流れるお湯が全身を滑る感覚。
間違いなくあの夜あのバスルームが今の生活のスタート地点だった。

今でもこの歌を聴く度この景色を思い出す。いつか歳を取り過ぎて記憶がぼやけてもこの景色だけはずっと覚えていたいと思う。


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