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臨床実習で出会った彼のお話

こんばんは🌙

今日はいつかいつか
お話しできたらいいなと思っていた

私に小児の道へ進む覚悟をくれた彼
のお話です👦✨

何年も前なのでかなりうろ覚えですが…


1. 私には小児しかない!

理学療法士を目指したのは自分の怪我がきっかけでスポーツの道へ進みたいと思ったからです。

でも入学してすぐに
自分はこの道じゃなかったかも
周りとの覚悟が違いすぎる
と心が折れていました。

特に解剖の授業が嫌すぎて(解剖系見るの苦手🫀)
1年生の時は理学療法士辞めたいなーって
よく思っていました😂

そんな時、小児理学療法士の道を知り
『ずっと保育士になりたかったんだった!
  小児しかない!』

と思いたち小児の臨床実習に行かせていただくことになりました。

そこで出会ったのが脳性麻痺の彼でした。

年齢はその当時小学生くらいで、
お話が上手にできる車椅子の男の子でした。

小児の理学療法の考え方はすごく難しくて
今までできていたことを取り戻すのではなく
まだ経験した事がない発達や未来を考えて
リハビリをしていきます。

小学生の彼に私は何をしてあげられるのか…
全然わからなくてなんとか搾り出して考えたのが
【座って自分でお着替えをする】でした。


2. 彼とのリハビリの日々

それから彼と私のリハビリの日々が始まりました。

課題はお着替え自体の難しさと
時間がかかりすぎてしまうことだったので
ストップウォッチでタイムを計測しながら
お着替え練習をしました。

初めはリハビリが嬉しかったようで
一生懸命頑張ってくれた彼も
徐々に慣れてくると遊び始めたり
ふざけてしまう日も多く
モヤモヤすることが多かったです。

ある日の練習でいつも以上にさらにやる気がなく、ふざけて遊び始めた彼に、
すごく【イライラ!モヤモヤ😠
してしまった事がありました。


『なんでこんなに言う事を聞いてくれないの?
 もう嫌。お着替え辞めたいな。』


と思いながら車椅子を押して
彼をお部屋に連れて帰りました。

お部屋に着くと彼から、

【今日頑張れなくてごめんね。】

と不意に一言声をかけられました。
その言葉を聞いて、

『私こそごめんね。
 頑張ってたのに怒ってごめんね
😭

と泣きながら彼に声をかけました。

2人でごめんねと言いながら、少し落ち込んで、
でもやっぱり一緒に頑張っていきたいよね。
とお話した1日でした。

帰り道で自分の傲慢さを凄く反省しました。
顔に出ていたことも、
イライラして怒ってしまったことも、
自分の力のなさを彼のせいにしてしまったことも。

実習という必死な環境の中で、
人を大切にすること子どもが可愛いという事を
忘れてしまっていたことに気がつきました。

次の日は自分の気持ちをスッと切り替えて、

彼の人生のために、
彼が頑張りたいと思える環境を私が作り出さなきゃ!


という思いでリハビリに臨みました。

彼も昨日とは別人のように頑張ってくれて、
素晴らしいタイムが出た日だったと思います
(それまでタイムは停滞気味だったので
  かなり嬉しかった気がする!)。

そこからお互い気持ちが変わり、
リハビリも変わり、
最後には病棟で自分で
お着替えの時間を作ってもらえるようになりました!


3. 覚悟をくれてありがとう

【頑張れなくてごめんね】

と言われて、お互いごめんねって反省した日を
ずっとずっと忘れません。
あの日のこの出来事が自分に
覚悟をくれたと思っています。

彼はまだ学生でしょうか?卒業したのでしょうか?
元気なことは風の噂で聞いていますが、
現在の状況は全然わかりません。

数多くいた臨床実習生の中の1人で、
きっと私のことは覚えてはいないと思います。

でも彼と出会ったからこそ、
1年目から小児の道に進むことを
周りからどんなに反対されても、絶対行くんだ!
という気持ちを貫き通せたと思います。

一生忘れられない、
自分に小児の道に進む覚悟をくれた彼との
出会いのお話でした😊

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