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買って平伏しろ!Ⅵこそがアーマードコアだ!!

あれは中学1年か2年の冬休みだっただろうか?
たしか、親に半分没収されたお年玉で何を買おうかと迷っていた時だ。

悲しいことに世間がドリキャスのシーマンがキモいだの、
初期のPS2でキングダムハーツが動かないだの盛り上がっていた頃、
俺はドリキャスもPS2も持っていなかった。
突然親が一切ゲームを買ってくれなくなったのである。

「いや、だいたいずーっと同じだし意味ないでしょ」
「私もゲームやるけどずーっと同じだった、だから意味ない」

じゃあお前が聴いてるアイドルの曲も、お前が見てるドラマも
ずーっと同じだから意味なくね?わけわかんねーこと言ってんじゃねえぞ
とは口が裂けても言えなかったし、言っても話が通じない天然なので
反論もプレゼンもしようがないのであった。
俺の将来の為にお年玉は半分以上没収、お小遣いも貰っていなかったので
金を貯めて新ハードを買うなんてことは不可能
家事を手伝っても賃金をもらえるわけでもないので詰んだオワタ。

とにかく、意味のないと判断された遊びには一銭も融資してくれなかった。

仕方なしに、近所のゲーム屋で初代PSで何か面白そうなゲームはないかな…と
今ではしないであろうジャケ買いをすべく、売り場をウロウロしていた。
子供の頃はクソゲーを掴むかもしれないなどという恐怖心はゼロ
今となっては見習いたい…いや、面白いゲームばかりやっていれば
必然的に面白いのセンスが磨かれるので要らんか、そんな勇気は。無謀だ。

話をソフト選びに戻して…既に大半のソフトがベスト版と化していたので
3本くらい買えるかな…と大好きなアクションゲームを物色するも
ビビッとくる作品が見つからない。

最初はロックマンX6あたりが欲しくて探してたのだが見つからず、中古もない。
X5まではやったが6はやったことがなかったから欲しかったのだが、
ターン制のPPGをやりたい気分ではないんだよなあ…と困っていた時だ。

アーマードコア…?

見たことも聞いたこともないタイトルのゲームを見つけた。
正確には
アーマード・コア マスターオブアリーナ

シリーズ3作目からACの世界へ

ロボットのパーツを組み替えて戦えるのか、しかもロボットが
自分好みの見た目だぞ!

この時は気がつかなかったが、もっと小さな頃、幼稚園上がるかどうか
くらいの頃…か小学校低学年くらいだったか?
自分的にとてつもなくカッコいいロボットが出ている
アニメがお気に入りだった。

そのロボットはファイヤーバルキリーという名だった。

幼いながら機能美的なものを感じたのだろうか

マクロス7の主人公、熱気バサラの機体VF-19改である。
父親にプラモを買って作って貰い、毎日ブンドドデュクシしていた。
ちなみに、幼さゆえストーリーは全く覚えていないし
歌で戦っていたことすら覚えていなかった。
(大人になってから全話見直した)
基本的に幼少期に見たものは絵でしか場面を覚えていない。

当然マクロスのメカデザインが河森正治であることなんて
知らなかったし、興味もなかった。

結局気がついたのは高校生になって創聖のアクエリオンを
見ていた時に強攻型アクエリオンが
登場した際にあまりにも見た目がAC過ぎてそこでようやく気がついた。

絶体絶命のピンチに登場
ハイスピードアクション炸裂

アクエリオン自体がかなりACっぽい見た目なので
かっこいいなあと思って見てはいたんだけれど。

つまり筋金入りなのである。
物心つく前から河森正治のメカデザインが刺さっており、
しかもその10年後、知らずにアーマードコアをジャケ買いしてるのだ。
運命でしかないだろう。

話がそれまくるが、アクエリオン放送時にエウレカセブンも見ていたが、
これもメカデザインが河森正治と知らずに
うわーロボが好きなやつだ〜と見始めていた。
本当に筋金入りなのだ…血に入っているのである。

俺はMoAを一通りプレイした後
強化人間の存在を知り、なんとか初代ACを
友人から借りることが出来、身体の隅から隅まで改造。

初代でないと強化人間になれなかったからか
どこにも売っていない!中古もない!!

結果、
「ははーん、このゲームさては強化人間にならないとクソゲーだな」
と闇落ち。

全前レイヴンを敵に回すが(前前前世)
ポンピングブーストのみのACを再び次世代機でやりたがるのは
コーラル酔いが過ぎる。というか、それやりたいのか?
懐古としか言いようがない、絶対やりたくないだろ。
AC4の時にも同じようなこと言ってる奴が身近に居たが
正直に言うがアーマードコアは昔からな

半分クソゲーだぞ

半分クソゲーだからすぐにエネ残量が枯渇するので
ポンピングブーストでぴょんぴょんし続けなければならないし
サイトを敵に合わせるために常に敵の方を向かなければいけなかった。
グレネードをブッパする時に二脚だと地上で構えなければならなかった。

このせいで全てが遅く、戦闘テンポも悪くなり
スタイリッシュでなく、とりあえずロボをリアリティある設定で
動かしているだけ設定に乗っかり続けているだけ。
動きに説得力がない。ゲームだからいいだろという
妥協が諦めが見てとれる。

あるいはハードの性能的にあまりにも自由に動けてしまうと
それに対応した難易度の敵を設置できなかったというのも
あるだろう。あれが初代PSの限界であり、PS2時代はその延長線上でしかない。
要は我慢してそのようなプレイを強いられていたんだ。
当時はそれが先端だったろうが、今もそれが気持ちいいってどういうことだ?
デジタルゲームはテクノロジーの世界でもある。
しかもアーマードコアはSFが題材なわけで、その世界観のゲームやってるのに。

これはアーマードコアじゃないとか、これはついていけないとか
アーマードソウルやんとか、何を言ってるんだ?
デモンズソウルがアーマードソウルなんだが?頭大丈夫?
コジマ粒子足りてる?代わりに致死量のコーラルを浴びせようか?
おまえは何を言ってるんだ。

そんなわけで4が出るまで我慢して新型ゲーム機がない時代を過ごせていた。

遂にゲームはここまで来た!
と当時は熱くなっていた…

アーマードコア4は全てのレイヴンが求めた至高の領域だと思っていたのに
そうじゃない人間がいたことに驚いた。
え?皆これがやりたかったんじゃないの?この未来を待ち続けたんじゃないの?

君らAMS適正低すぎじゃない?光逆流してる?
いや、俺だって粗製だったよ。
4の体験版を触った時は面食らった。

「操作むずすぎぃ!」(光逆流)

ただ、それがアーマードコアなのだと4のために買ったXbox360の
コントローラーを握りしめながら思った。
引きニート時代真っ只中で時間はあったので毎日体験版のミッションを
(たしか3つあったか?)
クリアしてから別のゲームを遊んでいた気がする。

え?ニートなのにどうやって360買ったかって?
ママンが大事にとっておいた俺のお年玉だよ!将来役に立ったよ!!
サンキューマッマ!!

そして4発売時には俺は意のままにACを動かせるようになっていた
時代遅れの粗製ども、これくらいやってから喚け。
お前らにはノーマルがお似合いだ!

この通り俺は発売前から脳に深刻なコジマ汚染を受けていた、手遅れである。

fAが発売する頃にはコジマ汚染は極まり
各地の発売前体験会に赴いてはドヤ顔無双していた。
これがリンクスだレイヴンども、ついて来れるか…?

来れていなかった。アーマードコア4もfAもアーマードコアの理想を
形にしたはずなのに全然売れていなかった。
所詮アーマードコア、というような売上でしかなかった。
当時、売上厨だった俺は発狂した。

世界が間違えている!修正が必要だ…

そして絶望が訪れる、アーマードコアⅤの発表だ
今回はシステムがかなり変わるということで
体験版が配信された、これが俺にとって良くなかった。

これは…理想のアーマードコアじゃない…どうして。

俺のアーマードコアが…消えていく…面倒なことに…なった…

この兵器でしかない見た目よ

(書き忘れたが、ファンタズマも買ってる
初代だけがどうしても見つからずに困っていたというわけ
ファンタズマの上に乗っかってフィンガー撃つの楽しいよね!)

この体験版をやらなければAC5を買っていたはずだ。
でも俺は買わなかった、すでに取り返しのつかないところまで
コジマ汚染は進んでいたのである。

それから十数年、色々なことがあった。
俺だけじゃない、だれだってそうだろう。
10年は長い、俺は彼女と同棲している、ゲームはというと
毎日APEXやフォートナイト一緒にプレイして楽しんでいる。
この状況、当たり前じゃねえからな!?
その通り、俺は奇跡的に恵まれていた。

ゲームは2人で遊べるものしか遊ばなくなり、アニメも漫画も見なくなった。
その代わりに映画よく見るようになった。
スーパーヒーローものやアクション映画を2人でたくさん観た。
映画のジャンルの趣味は同じだったので、とても楽しい。
観終わった後2人で感想を言い合った、どこかっこよかったとか
どこが泣けたかとか。
とてもとても楽しくて幸せだった。
アーマードコアⅥ 遂に発表!!

は?

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
来年夏発売決定

エイプリルフールじゃないぞ!?

嘘だアーマードコアは終わったんだ…
今更、作るわけないだろ、誰が買うんだ?
アーマードコアだぜ、至高のアーマードコアを作っても
全然売れなかったじゃないか。

俺はすっかり身体からコジマ粒子が抜けきっていた。
今更意味がないと思った、結局は親子だなという感じの捉え方だ。
しばらくして、プレイ動画公開された。

AC4に毛が生えたような感じ…

それが素直な感想だった。
グラフィックスは格段に進化しているが
特筆するほどのものじゃない、けれどパッと見は至高のACの系統だった。
買わないだろうけど、まあ良かったな。こっちに戻ってきてくれて。

今のフロムソフトウェアには圧倒的なパワーがある
彼らは創業以来スタイルを変えなかった、筋が通っていた。
ずっと世界に通用するセンスと誠実さがあったのに
彼らにはお金と時間が足りなかったように思えた。

時間をかけるにはお金が必要なのだ。
時間を短縮する為にお金が必要なのではない。
1つ1つのことに時間をかけるに、どうしてもお金がかかる。
これが物作りの正しいお金の使い方だと、俺は勝手に思っている。

フロムは正しいことをし続けた結果、
エルデンリングで世界征服を完了してしまった。
その世界でまず初めにしたことが、至高のアーマードコアを
完成させることだとは思っていなかったけれど。

半年近く経った時、新しいプレイ動画が発表された。
俺の中にコジマ粒子ではない赤い何かが一気に流れ込んできた。

これは!!これはぁぁぁぁぁ!!!うおおおおおおおお!!

これがアーマードコアだ‼︎俺は遂にこいつを完成させた…
もう誰も俺を止めることはできない…‼︎死ね‼︎

なんだか文房具で再現できそうなファンタズマ

とまで言ったかは定かではないが、そんな強化人間が行くとこまで
行ったような、天国に到達してしまったような
そんな感覚に包まれた。どうみてもfA2です、ありがとうございます。

更にその2週間後…

一度生まれたものはそう簡単には死なない

あまりにも、全てのプライドが、魂が込められているこの台詞。
映像は至高のアーマードコアだ、これは…

結局、アーマードコア6はエグいくらい売れた。
今のフロムの割にショボいというが、アーマードコアだぞ?
国内でパッケージ版が16万本、そこに海外と
Steamが含まれていないし
ダウンロード版も含まれていない。
50万は超えるだろうし、100近く行くか、それも超えるか。
アーマードコアは一つ上の次元に行ったのだ…
あのアーマードコアがだぞ?

ずっとどこかシンプル2000シリーズの中では良作というような
微妙なゲームっぽさを拭えなかったのに唯一無二の存在になった。

いつかこうなりますように。
と願ったことが現実になった、妄想が物質世界に降臨してしまった。
でもゲームは彼女と2人で遊べるものしかやらないから
ずっと待ち続けたレイヴン達、リンクス達、傭兵達、良かったね。
君達のプレイ動画や対戦動画楽しみだよ。
俺?俺はまだ3週目のチャプター3だよw
やっとコーラル砲とった、なんだよこのチャージ攻撃ロマン武器過ぎるだろwww

最後に公開されたゲーム紹介トレーラーを見てたら
もうダメだったよ、レイヴンに戻るしかない。

戻らなかったらバカだし粗製だし駄犬だ
どういう教育受けてるんだって話だ。
色んな人がいるものだが、色んな側にはなりたくなかった。

しばらくコーラル酔いから醒めることは無さそうだ、泥酔である。

一度生まれたものはそう簡単には死なない

本当にその通りだ、俺はジャガーノートの上に乗っかり
ダブルショットガンを撃ち込む度にファンタズマの上に乗っかって
ダブルフィンガーを乱射していた時のことを思い出す。
中学生の頃から同じことををしているのだ、20年以上経っても。

ずーっと同じで良かったよ本当に、変わらなくて。
一度生まれたものがそう簡単に死ななくてよかった。

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