レーシックとICLであまり公開されていない話

ネット上の医院公式サイト等では読み取りにくい話を少々

■レーシック(近視、乱視矯正)
 角膜の削り方次第で微調整のきく手術。ただし近視が強度なほど、より深く削るので残る角膜がどんどん薄くなり、追加手術の余地は減る傾向。
 手術手法が多岐に渡り、削る量や術後経過も様々。お値段も様々
 全般に、手術後最低でも1週間は視力が安定しないことがある
 全般に、若干色あせて見えるようになる。
 手術後の近視の戻りがあった場合、角膜の残り薄さが生命線

■ICL(近視、乱視矯正)
 眼球内に挿入するレンズの度数次第だが微調整は効かせにくい。
 手術手法はそう多くないので迷う余地が少ない。
 手術直後から視力は安定しやすいが、慣らしは必要。
 彩りよく見えるようになる。
 手術そのものが大手術で、感染等失敗リスクは眼球内にまで及ぶ。

■ICLはお手軽ではない
 よく言われる「ICLは角膜を削らない」というのは妥当です。
ですが、「ICLはレーシックと違い、眼球内までアクセスする大手術」
「ICLで角膜内皮細胞の減少が引き起こされた場合、それは回復しないし、ICLを引き抜く手術が必要」というリスクはあまり知られていないように思います。
 さらに、眼球内に挿入するレンズが通常のコンタクトに比べるとバリエーションが少なく、丁度いい視力にならないこともあります。私の場合、手術後は片眼で1.5以上、場合によっては2.0見えており随分と「見えすぎ」に苦労しました。とはいえ遠視ではないので近くも見えますし、5ヶ月後の今はすっかり慣れましたが。
 ICLのいいところも挙げておくと、角膜の形状ゆえにICLしかできなかった私でも見えるようになりましたし、角膜の薄さゆえにレーシックが一回しか受けられず近視が戻って困っている方もいます。

■ICLは白内障手術のお隣さん
 ICLはよくレーシックと比較されますが、その効果や術後経過はむしろ白内障手術で人工レンズを眼に挿入する手術と似ています。白内障は高齢者を中心に多くの患者数を抱えており、多くの手術が一部健康保険適用で行われています。
 見えなくなるリスクのある白内障の手術とやらなくてもどうにかなる近視矯正手術を同列に扱うことが適正かはわかりませんが、ICLは少なくとも「マッドサイエンティストや狂気の医者が行う怪しげな治療」ではありません。
 メガネは光学的な限界やレンズ汚れがつきまといますし、コンタクトも眼への貼り付きやドライアイといった負担が避けられません。見え方や負担の理想と現状の差を考慮しつつ、リスクをどこまで許容するか考えて視力矯正手術に踏み切るのは大人だからこそできる判断だと思います。

■ICL手術後5ヶ月以内に起きた弊害(私の場合)
コンタクト長時間装用のような頭痛→一ヶ月程度で軽快
コンタクトのような疲労感→一ヶ月程度で概ね軽快、現在も軽快続く
ハロー・グレア→「光の輪」を除いてなし
「光の輪」→ICLに特有の現象、今もたまに見えるが概ね問題なし

 
■お約束

・私は何ら医療関係の資格を持たない一般人です。ご自身の眼の悩みはご自身で専門の医療機関へご相談ください。
・私はこの記事の執筆にあたり、品川近視クリニックから受けた説明や資料、その他医院がネットで公開している情報を参考にしていますが、医療従事者のチェックは受けていません。また眼の状態は人により異なります。ご自身の眼の悩みはご自身で専門の医療機関へご相談ください。
・この記事は個人的な感想であり、PRではありません。
 私はこの記事の執筆にあたり、品川近視クリニックをはじめとしたあらゆる医療機関、医療機器メーカー等の医療関係者からいかなる種類の利益も供与されていません。
 またこの記事に記した手術に関連する医療機関や医療機器メーカー等の組織に、親族、友人及び知人が勤務している事実はありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?