初めて『新PCが欲しい!』人がPCショップに行く前に決めておくといいこと

ゲーミングPC欲しい!PCショップに行くぞ!と意気込む前に、決めておくとそこから先がスムーズになる話をまとめました。

はじめに:この記事は一体何ですか

こんにちは。
 9月に突然PCが故障・昇天し、1週間で新規PCを購入する不幸に遭ったおサルと申します。VR好きの界隈・バーチャルライバーファンの界隈によく居ます。そんな私の周りで最近PCの購入を検討する人がチラホラ出ているので、「そもそも私PCなんて初めて買うんだけど!?」という人のためにPCショップに行く前に決めておくといいことをまとめました。
 PCの専門家というほどではありませんが、幸か不幸かPCの買い替え経験はそれなりにあるので何かの役に立てれば幸いです。

この記事の対象者:「3DゲーをそこそこやってVRとか将来やるかも?」な人向け

 今回の記事は3Dゲーム及び3Dコンテンツにちょっと興味がある、VRは将来的に触るかもしれない人を対象にしています。そういう人に向けて「ゲーミングPCとか初めて買うんだけど店員さんに何を言えばいいの?」というヒントをお伝えします。
(もう少しあけっぴろげに言うと、そういった要望をお持ちの方のために書いたツイッターの投稿を記事にまとめたものです。)

概説:今回はパーツの話、ほとんどしません

 ここではPCを選ぶ上での一般論を書いていきます。(あくまで一般論です。何故なら、PCショップの店員さんなどの専門家さんの方が細かい製品の事情に詳しいだろうからです。だから、パーツの話はほとんどしません。)
 ただ、"一般論"ということは、ここで書かれていることは今後別のPC選びをするときも役立つ筈です。(そうだったらいいな、と思いながら書いてます。)
 そういう訳で、何を考えたらいいか、「予算」「大きさ」「自作」の3キーワードに大別して書いていきます。

①予算:「余裕の値段」「まぁ出せる値段」「限界の値段」を考える。

 PCを買いに行く前に決めるべきいくつかの項目がありますが、最初に決めるべきは【予算】です。

 ちなみに、50万円を余裕でポンと出せる人はこの項目を飛ばしてもらって構いません。PCでどんなことがしたいかの想像を膨らませて具体的にしておきましょう。むしろ、何のパーツを「オマケ」として載せるかを考えるのが楽しいかもしれません。

 「ちょっとした3Dゲームに興味がある。VRで遊ぶ可能性もあるかも」ぐらいの人だと、およそ10万~20万円あればPCをゲットできます。この額はモニタ・キーボード・マウス用代金を3万円として、PC本体("箱"の部分)の代金をそれに繰り込んだ概算価格です。Web広告とかで「ゲーミングPC6万円!!」と売り込んでいるものの大半はモニタ別売価格なので気を付けてください。

【20万円でのPC購入イメージ】:本体価格17万円・モニタ等価格3万円想定
 元々の想定からするとちょっと贅沢をしている価格構成です。
 店員さんのおススメ機能が大体載せられて、VRの準備もバッチリで大抵の3Dゲームタイトルはもちろんヌルヌル動きます。さらに、いずれ手を出したくなりそうな大作タイトルもかなりの画質設定でしっかり動くでしょう。使用時に機能不足を感じる部分があっても軽いパーツの買い足しで大丈夫なはずです。

【10万円でのPC購入イメージ】:本体価格7万円・モニタ等価格3万円想定
 ちょっと無理をした価格構成です。
 本体価格7万円は、メーカーが定めたセットを特定のセールのときに運よく手に入れる想定の値段です。大抵の3Dゲームは動くと思いますが、今後出る最新タイトルを望むと画質を相当落とす必要があるなど少し不自由するかもしれません。また、VR対応には追加の部品(GPUという画像処理ユニット。概ね5万円~1万5000円)を買う必要があるかもしれません。

※注意:
値段については時期によりパーツ相場の変動があるので、少し余裕を持たせています。でも、どんなに安くても総額8万を下ることはまずないと思います。あと、モニタはなかなか値引きがなく、ほぼ固定予算になるイメージです。

 この10万~20万の範囲について、自分の懐事情と相談しつつ『この額は100%出せる』、『ここまでに収まるとうれしい』、『ギリギリここまでは出せる』の3つの金額ラインを決めておくといいです。
 実際にショップに行ったときに店員さんには『この額は100%出せる』 or 『ここまでに収まると嬉しい』の金額を伝えてPC構成を相談することになるでしょう。
 PCパーツの世界はかなり価格がしっかり定まった世界です。大手のきちんとしたPCショップさんで相談をするのであれば、予算を先に提示したからと変にぼったくられたりすることはまずない筈です。むしろかなりスムーズに相談が進むと思います。

これはかなり強くお伝えするのですが、
お財布事情的に「ギリギリここまでは出せる」の金額が10万を割る状態
の場合は、安物買いの銭失いにならないように、
無理せず貯めた方がいいです。
(特にVRに興味がある場合は厳密に推奨スペックが定まっていますので…)

【以下、価格帯についての補足】
 難しい言葉を避けて説明して来ましたが、補足としてPCのランクは大まかに『ハイエンド』『ミドルハイ』『ミドル』『エントリー』ぐらいの呼び分けがされています。
 今回の「3Dゲームに興味があるぐらい・VRにちょっと興味がある人」は『ミドルハイ』・『ミドル』ぐらいの購入イメージでお伝えしています。細かい用語について考えるよりは店員さんなど専門家の人に正確に使用イメージを伝える方が大事なので忘れて大丈夫です。

②大きさ:ゲーミングPC、大概でかい

 次に考えるべきは『置き場・PCのサイズ』です。
 本題の『ケースの大きさ』に入る前に、PCの型について軽く触れておきます。PCには大きくノート型パソコンとデスクトップ型パソコンがありますが、まず最初に結論を言うと、「3Dゲームしたい・VR興味ある」型の人は、よほどの事情がない限りデスクトップ型がいいと思います。
(ノート型のゲーム・VR用モデルもあるにはあります。しかし、「一度買えばスペック向上が不可」「排熱の関係で長時間稼働が厳しい」という2点が最大のネックです。元からVRを使う予定でなおかつ置き場所に困るなどの事情がなければおススメはしません。)

  今回の本題である『ケースの大きさ』ですが、実はデスクトップ型にもサイズがいろいろあります。
 ケースのサイズは候補として大きい「タワー」とそれより少しだけ小ぶりの「ミニタワー」があります。ケースはあくまで入れ物です。なのでタワーがハイスペックでミニタワーがロースペックとは限りませんが、部品サイズおよび排熱効率の関係上ハイスペックPCは大きくなりがちです。

 以下2枚はタワー型の一種の写真です。比較用の十六茶の2Lペットボトルが小さくみえますね。↓

画像2

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 以下2枚はミニタワー型の写真です。タワー型より小さいとはいってもそれなりの大きさがあります。↓

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【サイズの総評】
 ハッキリ言って、タワー型は邪魔です。引っ越しの時に収める箱もありません(梱包用のスチロールも上下しかカバーしてくれない)し、視覚的な圧迫感もあります。
 実際に店舗に行く前に「タワー型PCを許せるかどうか」を決めた上で向かうことで、検討及び購入がスムーズにいくと思います。

 実際問題、「3Dゲームしたい・VR興味ある」人の求めるスペックはミニタワーサイズで満たすことが可能です。ただ、あくまで可能性としてですが、VR使用に踏み切るときにミニタワーだと選べる追加部品に制限が加わる可能性はあります。具体的にはGPUの型番やメーカーの選択肢が少しだけ狭まります。
(また、タワー型だとGPUというVRに必須の部品について、古いGPUを残したまま2本挿しができたり、GPUを交換するとしても凄く強いやつを挿せたりします。)

③自作するかしないか:安くはなりません。

 "自作"という言葉のイメージとは裏腹に、ほとんどの場合、PCは自作しても安くなりません。何故かというと、やってることは「セット購入」を「フルカスタム購入」に変える行為だからです。
 組み上げ工程を省くコスト減よりは、大量納品や仕入れルートの効率化ができないコスト増の方が大きく響いてる、と考えれば分かって頂けると思います。

 それはそれとして、ケースまで含めてPCのパーツを自分で選ぶことでPCの部品についての理解が深まり、部品のトラブル対応能力が上るというメリットはあります。ですので、これを機会にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
 自分で組み上げるといっても、ドライバー以外の工具は基本不要(もしくは同梱されている)で作業難度もプラモデルと同レベルかそれ以下です。身構える必要はありません。
 ショップによっては追加料金を払うことでお店で組み上げて発送してくれるものもあるみたいです。1~2週間かかるとこもあるみたいなので、納期に余裕がある場合の話にはなると思います。

 余談になりますが、自作PCのパーツを買って帰る場合、箱が大きかったりケースがあったりと想像以上にかさばります。可能ならご友人の手を借りる・発送サービスがあればそれを利用するのも一つの手かもしれません。
(パーツを買って帰るとき、異様にワクワクするのは内緒です。)

まとめ:ショップで店員さんに伝えるべき5つのこと

 ここまで、「PCを選ぶ前に決めておいた方がいいこと」を書いてきましたが、まとめていきましょう。
 上記の3ポイントを抑えたら、あとは専門家に相談するのが一番です。大抵の場合はショップで店員さんに聞くことになると思いますが、相談するときに以下の5点を相談するとかなりスムーズに内容を決めれるはずです。

①PCを買うのが初めてであることを伝える:とても大事なこと。店員さんも凄く分かりやすく説明してくれるはず。また、モニタやキーボードがないことも伝えるとなおよいです。
②予算を伝える:『○○円ぐらいのPCがいいです』or『予算は○○円です』と言えばOK。思うようなモデルが無い場合は『××円までなら頑張って出せます』も伝えるといい。お任せにする場合は『ここまでに収まるとうれしい』の方の金額を伝えた方がきちんとしたスペックになる場合が多い。
③自作 or BPO(お店カスタムの既製品)のどちらの方針かを伝える
④将来VRを使う可能性がある場合はそれを伝える:店員さんがVRに詳しくない場合もあるので、要求スペックのページを見せるのがいいかも。Vive Pro辺りの製品を伝えるのが一番選択肢が広そう。注意点として、大抵の現行VR機器はDisplayPort(ディスプレイポート)という名前の映像出力端子を一つ使います。(Quest2などのOculus LinkはDisplayPortを使用せずUSB3.0端子があれば大丈夫ですが、GPUのスペックは必要です。Oculus LinkのページにいけばGPUについても具体的に書いてあります)
もし仮にVR対応のGPUを買わなくても、拡張する可能性を考えながら製品選びをすることになると思います。
⑤タワー型を避けたい場合は伝える:出来合いのモデルの場合はスペックで大きさが決まっていることも多いので少しだけ注意。ミニタワー指定だと控え目のスペックのモデルになる可能性はある。

 今回の説明ではCPU・GPU・電源といった具体的なユニットの話は敢えて避けています。冒頭でも説明したように、使用イメージが具体的に定まっていればおのずとユニットのスペックも決まってきますので、店員さんなどの専門家がいるならその人に聞くのが一番の近道だと思います。
 一つだけ注意するとすれば、メモリについて8GBのものは避ける(16GB以上のモデルにする)ことさえ気を付ければOKです。また、8GBのモデルは店頭でもそう滅多に売ってないので大丈夫だと思います。

 これで大体のことは説明完了です。もし、使用イメージが固まっていない人は、『何のソフトを』『どの頻度で』動かしたいのかもまとめておくと、よりニーズに沿ったPCが組んでもらえると思います。
(例:毎日動画編集をしたい・毎週Facerigを使いながらゲーム配信したい・××というゲームタイトルに興味がある、等)


おまけのはなし:覚えておくといいこと3つ

 店員さんに相談する内容とは異なりますが、初めてPCを買う場合に覚えておくといいことを少し追補しておきます。気にしない人は特に気にしなくても大丈夫です。

①『店員さんに相談する』ということについて
 ショップに入って説明を受けるということは、つまり自動的に「ショップの人に商品説明をしてもらう」ことになります。
 もちろん、お店の人の雰囲気(今後故障でお世話になる可能性も高い)も大事ですが、値段で折り合いがつかない・別のお店を見たいなどの場合は「また考えます」と言っても大丈夫
 お店の人は残念がるでしょうが、ある程度は覚悟の上でやっています。 ですから、特に複数のお店が徒歩圏内にあるシチュエーションの場合は、「自分のパソコンに必要なパーツ」が分かったら別のお店のモデルがあるか見て回ってもOKです。 納得した上で新しいマシンを手に入れてくださいね。

②見落としがちだけど意外と大事なパーツについて
 マウス・キーボードはPCを扱う上で最も日常的に触れるパーツです。店頭に置いてあれば一通り触ってみて、気に入ったものを買うのもいいかもしれません。 (おサルは特にゲーミングでもない事務用キーボードですが、初代PCのときから気に入って13年近く使いまわしてます。マウスはノートPCに付属してきたレーザーマウスですね。)

③Officeなどの"基本ソフト"について
 今回話題にしたゲーム用PCですが、学校の備品や家庭用PCのほぼ全てに入っていた「Officeなどのいわゆる"基本ソフト"」は入っていません。例えばMicrosoft Officeは、買い切り型でおよそ2~4万円します。それだけの予算を部品に振り分けて高スペックを手に入れているとお考え下さい。
 ですのでOffice関係のソフトをやり取りする人は、LibreOffice などの無料ソフトを使うか、追加で予算を組むかが必要になるかもしれません。

最後に:「えいやっ」とやってみよう

 最後に、初めてのPCとしてお話してきましたが、PCデビュー、緊張すると思います。最低でも10万円、安くない買い物です。ただ、安心してほしいのはここでお話をしたタイプのPCは(ほとんどの場合)部品の載せ替えができます。注意深く行えばプラモデルと同等かそれ以下の簡単さでできるものです。だから多少のチョイスミスはカバー可能です。
 だから専門家である店員さんに聞いて最終決定をしたら、「いっちょ試してみるか」ぐらいの気持ちでやっちゃって大丈夫です。
 バッチリのPCが見つかって、良いPCライフになりますように。


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