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佐原囃子の掛け声

ヨーォイ
オーオイ
エンヨーォイ
コーリャイ
ソーリャイ
サーノイ
キタサテ
キタキタ
ドッコイ
ハーアイ

まだまだ沢山あるし
下座連によってもいろんな種類がある

私の所属している下座連では
楽譜に掛け声の記載があるのは
段物のみだったか
役物の砂切、馬鹿囃子、ひしぎ・花三番叟・引き返しには掛け声の記載なし。
端物では一部の曲で記載があるけれどほとんどは記載なし。

子供の頃から先輩のやっている掛け声を聴いて育ったので、それはもう曲の一部にはなっているけれど、掛け声をかけるタイミングや種類が違うこともあるし、酔っ払ってくればやたらと掛け声かけるひともいる。

そんなに難しく考えることもないのかも知れないけれど、難しく考えがちな人間としては、
昔から
掛け声って何が正解?
言葉(の種類)に意味はあるの?
って、まぁ今でも考え続けているわけです。

その中で少しこういうことかなぁと思っていることをいくつかまとめてみようと思います。

◯1つ目は、譜面に書かれたもうそれは声も楽器の一つとした"曲の一部"としての掛け声。
これは段物の全曲と端物の一部の曲、当方では矢車、剣囃子、津島、吾妻くずし、猫ぢゃ、など。その曲でしか使わない掛け声のものが多い。
これは掛け声中の掛け声、だれがどう思うが掛け声。わかりやすい。ので異論も少ないと思います。

◯2つ目は、譜面には書かれていないけれど曲の段が変わるときに掛けるもの。
これはほとんどの端物で使われるコーリャイとかソーリャイがそれにあたる。

◯3つ目は、笛の息継ぎや大太鼓やツケ、大皮など下方の叩き方が変わるときなどに掛けるオイ、ヨッ、なと。
これらは譜面に書かれたものもあればないこともある。個人的にはこれらは"掛け声"と区別して"合いの手"として考えた方がいいのかなとも思っている。掛け手のセンスに依るところが大きい。

◯4つ目は、曲の変わり目で掛けるもの。段物ならヨーォイ(当方では端物から段物わたりを奏せずに直接変わる場合は端物の掛け声を使うが)、踊りや早調子(ドンツク)に変わるときのヨーイヤサ、中速(中トロ)に変わるときのサーノイなど。
これは下座連によって色々なパターンがある部分かなと思うけれど、それぞれの下座連である程度の形式化がなされているものかなと思います。

◯5つ目は、分類の仕方が変わるけれど、下方みんなで掛けるか、誰か個人が掛けるかでも違うのかなと。
当方では段物は下方全員で掛けるし、端物でもまぁ全員で掛けるようにはしてるけれど、端物で譜面にない部分の掛け声はどうしてもバラバラになりやすい。そして3つ目に書いた"合いの手"はどうしても個人、よくて2名(例えばツケと大皮)とかになる。

色々な物事について考えるとき、カテゴリーに分けて考えると捉えやすくなることもあるので、あくまでも個人的な考えですけど、分けてみました。
まだまだ声の調子(高低)や声色、音量など掛け声に関わる要素はそれこそ無限にありそうだけど、今のところ上に書いたところくらいです。これからも佐原囃子のニッチな部分について考えていこうと思います。

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