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なぜかちょっと本気になった

 さて、財政課では11年の時間を過ごしました。
 11年間、こんなに長くいるとは夢にも思いませんでした。とにかく庁内1の不夜城と呼ばれる財政課。11年、最初3年ほどは、仕事との戦い、自分VS財政課。平成13年度決算が僕の財政課スタートは日本一の赤字決算。財政課4年目ごろからの中盤は、赤字との戦いでした。

仕事のペースが掴めてきた3年

 市役所の仕事は、基本はルーティンワーク。
 でも、異動すると転職したかの如く、部署ごとに仕事内容が違います。
 大体のパターンは、
 1年目はルーティンを回し体験するのに精一杯。
 2年目は、自分でやることができる。
 3年目は、ようやく自分の足で歩める。自分なりの工夫とか、やりたいこと、問題意識が出てきます。

 なんでもそうですが、不夜城と呼ばれ、中に入る前は、誰もが異動を恐れる。そんな財政課でもいざ入ってみると、人間のする仕事。なんとかなるんです。

赤字との勝負

 市役所の財政って、民間企業のように複式簿記になっていません。
 キャッシュフローでいくら入って、いくら出ていく。そんなバランスです。だから借金も入ってくるお金としてカウント。でも借金は、ここまでしか借りれないというふうに国の制度で決まっています。

 毎年度、予算編成の時期にはお金が足りません。
 予算編成では、毎年夏ごろから予算枠を作り始めます。税金がどれくらい入って、地方交付税がどれくらい・・・、そして出ていくお金は、施設の更新が予定されているのか⭕️と❌と・・・あー足りない。それも⭕️十億ベースで。

 そんな見込みを庁内に伝えても、本当に届かない。ふーんって感じでした。無関心。結局、職員一人ひとりは、財政がどうなろうが、自分の現場が守れればOKなんです。

 10月ごろには予算編成を各部局に依頼。当時は、枠予算と言って、前年の予算枠から5%とか10%とかを削減して予算編成を組むこととして、各部局の予算編成が始まります。でもその枠に収めるには、事業を休止や廃止をしないと枠内に収りません。
 はみ出たまま要求された枠予算を毎年無理やり削減する。副市長、市長とレクチャーしていくうちに、やっぱり削減できない予算が復活していく。予算は、収支ゼロで組まなければならないので、無理に歳入を組む。
 なんだか虚しさを覚え始める。

 そんな予算編成が2年連続続きました。
 なぜかこの時に不覚にも思ってしまったんですね。

 このままでいいのか?

 こうして無理して編成した予算は当然の如く、決算では、平成13年度が30億円、平成14年度は32億円の赤字決算。

 平成15年度を踏まえ、平成16年度は黒字決算を目指します。
 公務員の仕事って、言ってみれば赤字でも黒字でも給料は多少のカットはあっても大きくは減らない。
 でも、赤字の市町村なんて、当時は全国1800くらいある市町村のうち20〜30くらいしかありません。
 だから、赤字決算なんて本当はありえないくらいおかしなこと。

 だから、黒字化させて行かなければっていうのはトップには認識があっても、職員にはあまりモチベーションがありません。
 でも、そんな職員を責めないでください。逆に黒字になっても給料が増えるわけでないので。最近でこそ人事評価がボーナスに反映されたりしますが、当時庁内では「頑張ってもなあ」「黒字なんてできるわけがない」とかいう風潮でした。

 どうせ、財政課がなんとかしてくれるだろう そんな庁内の声・・・

 いいえ、どうにもならないんです。
 この頃から、行財政改革が部署として設置され、ようやくそんな動きが始まりました。
 そして平成16年度決算、ついについに、黒字にします。
 枠予算25%カット、職員給与カット

なぜか探究心

 平成16年度に黒字化をした後は、黒字を保っていきます。ようやく人並みの財政に。
 それでも、実は大きな負債やイレギュラーな予算措置をしていたことから、まだまだ財政を立て直しが必要。
 これを伝えたい。共感したい。

 僕は、係長2年で副主幹、1年で課長補佐、2年で主幹である管理職へと昇格していき、自分で自分の動きを決められるポジションになっていきます。
 ここで考えたのは、財政を面白そうに伝えられないかということ。

 うちの市は、どこが多くて、それはなぜか。また、新地方公会計制度といって複式簿記で作ったりして、庁内から、議員さん、市民さんに伝えられるように作り込んでいきます。

 案外こういう情報って、他市比較が大変なのですが、ここらあたりは自分の探究心で進めていきます。

 財政課11年の中盤、普通じゃないfukushin_Ceoは日本一の赤字に育てられました。さて、財政課の終盤戦に続きます。

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