マガジンのカバー画像

OS magazine

26
これは、大阪のとある葬儀社で新入社員に向けて一年間にわたり勝手におくりつけていたメールマガジンを、なんの需要もないのに再編集し勝手にアーカイブ化したものである。
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

Vol.25「グリーフケア」

グリーフワーク 愛する家族を喪った家族は、悲しみに襲われます。これは特別なことでも病気でもなく、自然なことです。この悲しみは、悲しむことにより自然に治癒されていきます。 この、遺族の悲しみの営みを「グリーフワーク」と呼びます。 日本では、2005年に起きた福知山線脱線事故をきっかけに、一般に知られるようになりました。遺族に対する精神的ケアの一環として、継続的なグリーフケアが行われたのです。 グリーフケアとは「悲しみのケア」。 最愛の家族を亡くし、悲しみに暮れる遺族に対す

Vol.24「遺体と公衆衛生」

はじめに、葬祭ディレクター技能試験の1級学科試験より問題です。 ⭕️か❌でお答えください。 遺体の約6割は何らかの感染症を有し、また約15%は危険な感染症を有しているというデータがあるので、遺体の取り扱いにあたっては、感染症予防に細心の注意を払う必要がある。 ↓ ↓ ↓ 正解は、 ⭕️です。 碑文谷創『葬儀概論』には次のような記述があります。 『遺体を取り扱う人が注意すべきことは、遺体からの病気の感染です。しかし、医師の守秘義務を理由として、残念ながら事実の告知が

Vol.23「検視」

監察医制度 死体解剖保存法第8条第1項に、政令で定める地を管轄する都道府県知事は、その地域内における伝染病、中毒又は災害により死亡した疑のある死体その他死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き、これに検案をさせ、又は検案によつても死因の判明しない場合には解剖させることができる。とあります。 よくドラマの舞台にもなっていますが、「監察医を置くべき地域を定める政令」により東京23区、横浜市、名古屋市、神戸市、そして大阪市の5地区に監察医を置くこと

Vol.22「死亡届」

死亡診断 葬祭業者が遺体を取り扱えるのは、法律的に死亡が確定した後、すなわち医師が死亡を判定した時点からです。それを証明するのが医師によって発行される死亡診断書または死体検案書です。それ以前には「遺体」の取り扱いはもちろん、「遺体」に対して何らかの処置を施すこともできません。 死亡の連絡があった場合には、必ずこのことを確認してください。 死亡診断書(死体検案書)人は亡くなった時、医師にその原因を特定してもらわなければなりません。 死亡診断書(死体検案書)は、人の死亡を医学