重い腰を上げてアンサーソングの解釈をやるか…①

1.はじめに

この記事は、樋口楓さんが歌う『アンサーソング』の解釈を考えるという内容になっております。
ネタバレが嫌だ!という方や、他人の解釈なんて見たくない!という方は、ブラウザバックをして下さい。
アンサーソング自体は旅行中に沢山のオタクと一緒に拝聴したのですが、その時酒に酔ってたのもあって「これじゃあまともに考えられないな〜」と思って一旦思考を辞めたんですよね。
題材が重すぎてそれからアンサーソングを聴くのを躊躇ってたんですけど、LnPニュージェネのライブで歌っているのを観て、めっちゃ良い曲だし、自分の中で咀嚼して迷いなく聴けるようにしたいな〜という気持ちで、記事を書くに至りました。そんな感じです。

2.そもそもアンサーソングって何?

アンサーソング(英語: answer song)は、既に存在する歌に対する返答として作られた歌のこと。返歌。元となる歌とは別の歌手・アーティストによるものが多いが、自身で「続編」の意味でアンサーソングを作る例も見られる。
ヒップホップにおいては、既成の曲に対する批判的な返答やdisに対する返答としてアンサーソングが作られることが多い。
Wikipediaより引用

…という事らしいです。
つまり誰かから誰かに向けての曲ということですね。
じゃあ誰から誰へなのよ、と聞かれたら、まぁ樋口さんから樋口さんへということになるでしょう。
ただ、どの樋口さんからどの樋口さんへ、を考えるとこれが難しい。
・5年後樋口さん
・いわゆるガワの樋口さん
・いわゆる魂の樋口さん
・そもそも配信を始める前の樋口さん
とまぁ色々な樋口さんがいる訳で。解釈が難航するのは目に見えているので、気が重かったんですよね…

3.歌詞について考える

先ずは歌詞を把握しない事には始まらん。
という事で、できる範囲で書き出してみました。

――――――――――――――――――――――――
 もう知ってんだよ 結局は何も残らない両手なの
 こぼれて無くして まっぴらだ
 目を伏せたまま 眠っていたい

 フレフレ 余裕もない 進め進め 理由も見つからない
 もうこれ以上一歩も 歩き出せないや ライヤーソング

 どっちでもいい なんで泣いてんだ 興味もない
 せいぜい笑って勇気もない
 慣れていくんだって最低な願望 叶えてるだけ

 ポケットの中たたいて粉々になったビスケットです
 魔法なんてどこにもないじゃん
 「疲れたよ」って 精一杯喚いてたって
 「明日に向かえ」って常套句で背中押すんだ
 「痛いよ」聞こえちゃいないね

 「心配ないから」そんな尖った台詞で適当に刺さないでね
 笑顔の塗料尽きかけてる

 耳の奥ぐらぐら煮立ってんだ
 雑言と欺瞞のカクテル
 思考回路切ったら褒めてくれますか? ライヤーソング

 ドゥ…
 ライラライ…ぐらぐら…

 平行線が想像もつかない空想なんだ ライヤーソング
 回答欄の空欄それでも頑張ったんだ ライヤーソング
 不正解だってヒーロー気取りの相聞なんだ ライヤーソング
 望遠鏡覗いてたって見えない 私のアンサーソング

 もがいて必死にすがって 粉々になったビスケットです
 怖くて息もできないじゃん
 今更さ模範解答写してたって
 まるで埋まんない空洞なんだよ
 自分勝手だって
 違うよ わかって欲しいんだ ねぇ逃げないで
 向かい合って痛いだって言えないや
――――――――――――――――――――――――

…という具合です。
正直1番の歌詞はどの樋口さんでも当てはまりそうなのでピンとくる部分が無かったんですよね。
で、2番。
【耳の奥ぐらぐら煮立ってんだ
 雑言と欺瞞のカクテル
 思考回路切ったら褒めてくれますか? ライヤーソング】
この部分ってめっちゃ配信者っぽいな~と思うんですよね。
配信して、いろいろな言葉を浴びせられて疲れた、みたいな。
根拠としては薄いな~と思います。

曲を最初に聞いた時、歌詞の中に度々出てくる『ライヤーソング』という言葉がキーになってくるんだろうなぁと思って。ぐるぐる考えたわけですよ。
ふと気がついたんです。ライヤーのlieって二つの意味があって、一つはパッと思いつく『嘘』。もう一つは『横たわる』とか『伏せる』という意味があるんですよね。
つまり『伏せる人』(本来はそういう意味はないっぽいですが)という意味がライヤーという言葉の中に込められているかも知れない。
動画の最初と最後に机に伏せてる人が出てましたね。『でろーん』の愛称で呼ばれる人です。
樋口さんは特にゲーム配信などで失敗した時に「でろーんちゃん」と自分の事を言っていた事を思い出します。
でろーんとしてのライヤー、仮面を被って配信をする自分を指す意味でのライヤー。

ということで今回は、『配信者としての樋口楓』から『5年後樋口さん』へのアンサーソングと仮定して歌詞の解釈を進めたいと思います。

【もう知ってんだよ 結局は何も残らない両手なの
 こぼれて無くして まっぴらだ
 目を伏せたまま 眠っていたい】
⇒配信活動を辞めたら自分は樋口楓ではなくなるので、何も残らない。できる事なら先のことなんか考えないで眠っていたい。

【フレフレ 余裕もない 進め進め 理由も見つからない
もうこれ以上一歩も 歩き出せないや ライヤーソング】
⇒応援されても、樋口さんは特にやりたいことがあって配信活動を始めたわけではないし、この道で頑張る理由がない。先を目指すのを辞めたいと思ったこともあったのかもしれない。

【どっちでもいい なんで泣いてんだ 興味もない
 せいぜい笑って勇気もない
 慣れていくんだって最低な願望 叶えてるだけ】
⇒辞めたって続けたってどっちでも良かった。配信活動で辛いことがあっても鏡の中の自分はなんで泣いていんだとかいうし、それを人に伝える勇気がない。たぶん、辞める勇気も無くて、嘘でも笑って配信をして。辛いことに慣れるしかない。

【ポケットの中たたいて粉々になったビスケットです
 魔法なんてどこにもないじゃん】
⇒ポケットの中にはビスケットが1つ、という有名な曲から。
魔法、は奏でろ音楽の歌詞にも入っているワード。「あの日かけられた魔法は嘘と暴かれても…」という歌詞から考えて、ライバーになれば別の自分になれるということを示す。Summer Magicもそんな感じの内容だったしな。映像に「彼女はまほうが使えました」「自分以外の自分になることができたのです」というのがある。
本家の歌詞ではポケットを叩くとビスケットは魔法で2に増えるけど、自分はそうはならなくて。
配信者の樋口さんを自分とは別のものとして作り出そうとしたけど、うまくいかなくて『樋口楓』が何なのか分からなくなってしまったのかもしれない。

【「疲れたよ」って 精一杯喚いてたって
 「明日に向かえ」って常套句で背中押すんだ
 「痛いよ」聞こえちゃいないね】
⇒「明日に向かえ」って常套句は誰が言っているんだろう。鏡の中の自分か、ファンか。

【「心配ないから」そんな尖った台詞で適当に刺さないでね
 笑顔の塗料尽きかけてる】
⇒「心配ないから」って言っているのは誰なんだろう。ファン、友達、自分が自分にかけている言葉なのか。
配信者なんて不安定な職業で、誰かに「心配ないから」なんて無責任に言われても受け入れらない。

【耳の奥ぐらぐら煮立ってんだ
 雑言と欺瞞のカクテル
 思考回路切ったら褒めてくれますか? ライヤーソング】
⇒樋口さんのことを叩く人がいるけど、どうやればそれはなくなるんだろうね。
耳の奥=脳を指していると思う。歌詞考えた人天才だな。


【ドゥ…
ライラライ…ぐらぐら…】

【平行線が想像もつかない空想なんだ ライヤーソング
回答欄の空欄それでも頑張ったんだ ライヤーソング
不正解だってヒーロー気取りの相聞なんだ ライヤーソング
望遠鏡覗いてたって見えない 私のアンサーソング】
⇒平行線は想像できない、間違ってるかもしれないけど、『配信者じゃない私はどうなっていたんだろう』と頑張って考えて5年後樋口さんとして配信したということ。どんな生活をしているか分からない平行世界の自分へ、配信者をやっている樋口さんからのアンサーソング。

【もがいて必死にすがって 粉々になったビスケットです
怖くて息もできないじゃん
今更さ模範解答写してたって
まるで埋まんない空洞なんだよ】
⇒配信活動を頑張った結果、色々なものを失ってしまったのかもしれない。
時間は巻き戻らないし、今から目指そうと思っても平行世界の自分にはなれない。

【自分勝手だって
違うよ わかって欲しいんだ ねぇ逃げないで
向かい合って痛いだって言えないや】
⇒色々失った自分が、5年後自分を作って手紙を送ったこと、平行世界の自分は自分勝手だって思うだろうか。そっちの樋口さんはきっと苦労しているかもしれない。配信者としての自分はキラキラしているように見えるかもしれない。平行世界の自分はそんな自分が恨めしいと思うかもしれないけど、こっちもそれなりに苦労をしていて、それを伝える機会はない。

こうして最後まで追ってみると、配信者樋口さんから5年後樋口さんというより、存在しない平行世界の自分に向けた曲なのかも知れないですね。


4.映像について

そもそも歌詞と同じ事を表現しようとしているんだろうか?という疑問がありますが、とりあえず『配信者としての樋口楓』から『5年後樋口さん』へのアンサーソングと仮定して映像の方も見ていきます。
映像のポイントになりそうなところをさらって解釈をやっていこうと思います。

・でろーんとしている制服樋口さん
 0:00の部屋はどの時点の樋口さんなのか。

・信号待ち樋口さん
信号が青でも赤でもその場に留まり、最後は目の前をトラック(障害?)が通過している。
フレフレ…の歌詞と連動していて、一歩も進めないという事を表している。

・街中で佇む樋口さん
多くの人がいるところでも自分の事を樋口楓と気がつく人は誰もいないねということ。

・黄色の仮面の友達
1:56の樋口さんが友達と写真撮ってるシーンと3:32の樋口さんが一人で笑ってるシーンは対比になっている。
仮面を被ってる友達=配信活動を共にしている友達?制服から考えると、学校の友達?
心配ないから…の歌詞から考えると、その人達が「心配ないから」という言葉をかけたのかもしれない。
3:32の樋口さんが夕暮れ=楓色の中にいるので、配信外の樋口さんと配信者樋口さんを表している。

・屋上のふちをふらふら歩いてる樋口さん
配信者として不安定な生活を送る樋口さんを表している。足を踏み外したら、仮面を被った樋口さんが現れる。
歌詞の、思考回路を切る=魂を抜くということかなと思った。配信者辞めたら友達と同じように普通の生活を送るんだろうなという事?

・宙に浮く制服樋口さんと5年後樋口さんのシーン
飛び降り→宙に浮く→大の字で寝転がるの流れ。配信者を辞めようと思ったけど、辞めたとしても、5年後樋口さんのようにはなれない。それを理解して配信を続けることにしたのかもしれない。

・ライブ衣装樋口さんの後ろに映る制服樋口さん
ここめっちゃむずい。流れからして、活動を続けた結果、アーティストとしての自分がいるということを表していそう。

こんな感じかな…映像に関しては拾えてない部分めっちゃあるので閃く事があったら再度考えたい。


5.別の解釈

Summer magicへのアンサーソングなんじゃないかというのがあって。
Summer Magicの中に、
・映像では樋口さんはずっと前へ進み続けている
・この足は止まらないよという歌詞
・こけたっていいからずっと走ってたいよという歌詞
・大の字で寝転がる樋口さん(後に起き上がる)
・続いてく不安定な毎日 楽しみが沢山 という歌詞
・言葉と仲間が背中を押しているからねとちう歌詞
・君と歌うよそれが魔法さ 歌うよ という歌詞
以上から、足は止まるし不安定な日々はしんどいし背中を押されるのは痛いし別の世界の自分は歌ってないし痛いと伝えることすらできないよ!Summermagic解釈違いです!という樋口さんからのメッセージだったのかもしれない。


6.まとめ

後ろ向きな解釈すぎんか?樋口さんがそんな曲を歌うのは私としても解釈違いなんですけど、明るく前向きな解釈はきっと他の人がやってくれていると思うので。こんな切り口もあってもいいでしょうということで。
そもそも、この曲の作詞作曲、動画製作は樋口さんではないので、この曲の解釈をしたとして樋口楓さんについての理解が深まったと言えるかは分かんないんですよね。だから2次創作の解釈をやっている気持ちで行きたいですね。気が向いたら別方面からの解釈もやっていきたいです。

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