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【menu】スープカレーはじめました。
プロローグ
2016年3月、僕は仕事でひと月ほど札幌に滞在し、スープカレーという存在を知りました。それはまだ、スパイスカレーが文化ではなく流行の走りの頃でした。
それまでルウカレーしか食べたことがなかった自分は、チキンレッグが丸々一本と山盛りの野菜、コク深くスパイシーで体の芯から温まるスープカレーの虜になりました。
大袈裟ではなく、体感的に関西でいうところのラーメン屋ほどの数の専門店がありました。札幌ではスープカレーがカルチャーとして根付いています。
冬は、最高気温が0℃に満たない日も多く、スープカレーが冷えきった体を芯から温めます。
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ORUSPICEスープカレーの特徴
スープカレーはスパイスペーストとスープ、具材で構成されています。
ORUSPICEのスープカレーは、たじま鶏と野菜からとったスープと和出汁のダブルスープです。和出汁は、旨みの強い利尻昆布、原木栽培の干し椎茸、煮干しから取っています。昆布(グルタミン酸)と、煮干し(イノシシ酸)や干し椎茸(グアニル酸)を合わせて使うことで、単独で使うよりも旨みの相乗効果が得られます。
出汁をひく水は湧水を使っていて、水道水を使うより圧倒的に丸い味が得られます。そのまま飲み比べれば味に歴然の差があり、コーヒーを淹れて飲んでみるとよく分かります。
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もう一つのスープは、具材のチキンレッグの煮汁と、トッピング野菜の皮やヘタ、鶏ガラを使用して作っています。チキンレッグを炊いた煮汁も無駄にせず、野菜のクズさえもスープの旨みには欠かせません。野菜を入れれば入れるほど、甘く丸いスープに仕上がります。
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野菜の皮やヘタもスープ作りの大切な材料なので、使う野菜は厳選していて、スープに使うものは無農薬栽培の野菜を使用しています。
現在は100%ではありませんが、将来的に100%無農薬な地元野菜でスープカレーを完成させたいです。
トッピングの具材は、たじま鶏のチキンレッグを使います。但馬でしか作れないスープカレーをやりたいので、たじま鶏にこだわりました。ホロホロに炊いたたじま鶏のチキンレッグが丸々1本のっています。
トッピング野菜は、地元産無農薬野菜を中心にした安心で美味しい野菜を10種以上トッピングしています。
米は100%日本米。ミールスでは食感を軽くするため、バスマティーとミックスしていましたが、スープカレーは日本で生まれたカレーで、出汁を使うことからわかるように、日本人向けのカレーです。よって100%日本米(養父市葛畑産)を使用しています。米の甘味をしっかりと感じます。おかわり無料。
ミールスを経たスープカレー
何度も発信してきたように、ぼくのカレー作りのルーツは札幌のスープカレーです。ネットや本でレシピを学び試作を重ねましたが、カレーを作り始めた当時の自分にはスープカレーのハードルはとてつもなく高く、まずはスパイスカレーから作り始めることになりました。
紆余曲折ありながら店の開業にこぎつけた2023年。スープカレーから始まった僕のカレー作りは、スパイスカレーを経て、南インドのミールス式に行き着きました。一皿で何通りもの味を味わえて、混ぜてこそ生まれる味わいが、ミールスの特徴です。
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ミールスの仕込みは多種多様で大変な手間がかかりますがその結果、スープカレーを作れるレベルに成長させてくれました。
スープカレーには、10種を超える野菜がトッピングされています。スープカレーを作り始めた頃には、これが出来るようになるとは想像できませんでしたが、ミールスを経たことで仕込みも調理も全く問題なくできるようになりました。
繋がるとは思わなかったミールスとスープカレーが繋がったことを感じました。
この冬、スープカレーをやることが、春からのミールス作りに良い影響を生み出してくれることを確信しています。
ORUSPICEのスープカレーへの想い
ORU SPICEのスープカレーは、使う材料を厳選しました。何か一つを厳選したところで意味はないと思っていて、前述したとおり水や出汁材料、具材すべてにこだわりと根拠をもって作っています。
調理についても同様に、最高のポテンシャルを発揮できる量を仕込んでいます。すべての工程を自分1人でやっているため、現時点では大した量は作れないのが実情です。大体1日15食程度です。(腕が上がるのをご期待ください。)
営業日分をまとめて作る方が圧倒的に楽なのですが、営業毎分つくる方が美味しいものを提供できるので、今はそこを妥協できず、毎回作っています。
お願い
生産者さんが心を込めて作った材料を預かって、手を抜かずに仕込んでいるスープカレーなので、絶対にロスは出したくないと思っています。
1日15食も食べてもらえたら僕はとても幸せですが、場合によっては需要が15食よりも多い日もあります。来店時間が重なり混み合う時間も発生します。
スープカレーはオーダーごとに調理するため、4席ほど重なれば、4組目のお客さんは提供にかなり時間をいただきます。
なので、ご予約を推奨させていただいています。
豊岡の中心地から外れた出石でやっているので、わざわざ来てもらって売り切れましたとも言いたくありません。
長い時間お待たせもしたくありません。
僕自身も落ち着いた心持ちで、最高の一杯をひと組ずつ提供することが、お客さんにも僕にもメリットがある、合理的な術だと思っております。
どうか、ご理解、ご了承をお願いいたします。
さいごに
僕が冬の札幌で感じたあの感動を但馬で。
最初はスープカレー専門店をやろうと思っていましたが、やっぱりスープカレーは冬が良い。スープカレーは冷えた体を芯から温め、スパイスが心を整えます。
店をあけて初めての冬が来ました。満を持して登場させます。北海道のカルチャーを責任もって但馬で。
但馬でしか出来ない味を作ります。事実、食材の大半が但馬産。但馬に誇りをもって作ります。
クリスマスにスープカレー営業を3日行いました。
年齢性別問わず、手応えを感じています。
自分が札幌で感じたあの感動を伝えたい。食を通して人を幸せにしたい。笑顔にしたい。
カレーは僕にとって社会とつながる唯一無二の手段です。
スープカレーは冬に食べて欲しいので冬季限定。
気候の悪い但馬の冬ですが、みんながORUSPICEのスープカレーを待ち侘びる冬にしたいと思っているので、なるべく沢山の方に提供できるよう、頑張ろうと思います。
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北海道への敬意を持って
但馬でスープカレーはじめます。
roots and culture
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