視能訓練士軍団誌 2021年1月号

【目次】
□和暦→西暦への変換方法
□ケラトとIOLマスターの乱視軸度のズレ
□複像間距離
□全乱視とは
□視力検査の方法
□片眼での錯視
□閉塞隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障の違い
□核上性眼球運動障害
□C/D比
□GPの輝度
□GPのマ盲
□赤緑試験
□接合部暗点
□膜プリズムの購入先
□優位眼確認
□迷走神経反射
□部分調節性内斜視のアトロピン点眼
□円錐角膜のスペキュラー
□マスク着用時の視力検査
□斜視手術の眼瞼
□眼軸測定機器
□低濃度アトロピン
□乳児内斜視
□塩酸シクロペントレートの散瞳効果
□視力検査
□Aモード
□クロスシリンダーのパワークロス
□ハンフリーの固視不良
□ミドリンPアレルギー
□曲率と曲率半径
□調節性内斜視の治療薬剤
□FAGの実施
□コンタクトレンズ使用者の光視症
‐症例検討‐
□症例検討1
‐国家試験問題‐
□甲状腺眼症の眼球運動制限(国家試験問題)
□マドックスと麻痺筋(国家試験問題)
□プリズム効果(国家試験問題)
□間欠性外斜視と交代性上斜位(国家試験問題)
□網膜対応検査(国家試験問題)
□国家試験のマーキング方法
□国家試験の勉強方法
□試験の勉強方法①
□試験の勉強方法②
‐就職に関して‐
□就職先
□企業への就職
□内定辞退
□視能訓練士の需要
□臨床実習の印象
□新卒からの勤続年数
□就職先の選び方


□和暦→西暦への変換方法

〈回答〉
昭和40年→1965年(和暦 + 1925 )
平成10年→1998年(2000年 +(和暦 -12))
西暦から令和は
2020年→令和2年(下2ケタを足すと2+0で2)
2021年→令和3年(2+1で3)
2022年→令和4年(2+2で4)
2028年→令和10年(2+8で10)
注)2029年まで適応


□ケラトとIOLマスターの乱視軸度のズレ

【質問】
トーリックIOLを使う予定の方で、レフケラの角膜乱視軸度とIOLマスターの軸度が15°くらい違う場合は何が考えられますか?何度か測定しても、他の人が測定してもそれぞれ同じくらいの値になります。
それぞれの機械での原理が違うなどはありますか?


〈回答〉
・マスターとケラトメータの角膜乱視軸の違いに関してですが、不正乱視がある場合は特に測定機器によって乱視度数・軸ともにずれると思います。また、測定点数や角膜中心から測定点までの距離の違いがありますし、測定原理も違いますよね?マスター700ならSS-OCTですし、ケラトメータは赤外光だった気がします。
ちなみにマスター700のケラト測定がオプションのtotal keratometryであれば後面乱視も測定し考慮して全乱視を出していますから、それもまたケラトメータとずれが生じる原因ではないでしょうか。


□複像間距離

【質問】
教科書に載っていないので、複像間距離は何か教えていただきたいです。


〈回答〉
・複像間距離というのは、複像(複視によっておこる像)の距離のことではないかと思いますがいかがでしょうか。


□全乱視とは

【質問】
水晶体倒乱視が過去の国試に出ていたのですが、全乱視ということでしょうか。


〈回答〉
・乱視に関しては臨床に出てもとても大切なので「全乱視とは?」「構成する乱視の種類は」などもう一度教科書で探してみると良いと思いますよ
 (角膜乱視)+(水晶体乱視)+(網膜乱視)=(全乱視)


□視力検査の方法

【質問】
先日、自身の目の不調で近医を受診したのですが、視力をラ環1つでとっていたり眼圧を1回ずつしか測定しなかったりと、自分の務めている施設の検査法と違いおどろきました。
主訴が眼乾燥感と充血だったため検査を手短に行ったのでしょうか?それとも忙しい人気なクリニックさんだと検査を省略するのは一般的なのでしょうか?


〈回答〉
・クリニック勤務です。うちのクリニックは、そのような症状で来院の方は基本的には受付にて検査を希望するか聞いて、希望がなければ直診でカルテ回しています。診察をしてDrが検査オーダーを出した場合は検査もしてます。
・あちこちで働いた経験によりますと、ノンコンタクトトノメーター、一回のところ、二回のところ、とにかく三回のところ、普段は一回だけれどドクター指示があると三回のところ、20以上なら三回のところと様々です。その職場の慣習や、検査員のレベルや、ドクターの考えなどでいろいろなんだろうと思います。
視力検査については、そのときにより、主訴、年齢、レフケラの値などと総合して明らかに1.2見えているなら私も一方向で済ませることも多々あります。また、1.2見えなくても、何度も測っている方で視力変わりなさそうな感触が得られれば、時間の関係で一方向で済ますこともあります。初心者のうちはお勧めしませんが。


□片眼での錯視

【質問】
錯視などで片目で見た状態にのみ立体的に見える絵という物は存在するのでしょうか。
知識不足かもしれないのですが、両眼視の観点からするとあり得ないと考えてしまいます。


〈回答〉
・錯視 片目 で検索しました。有名なドラゴンの模型のやつです。
https://www.mirai-kougaku.jp/laboratory/pages/171117.php
・錯視と関係あるか分からないですが、こちら片眼で立体的に見える動画です。
https://www.google.co.jp/amp/s/nlab.itmedia.co.jp/nl/amp/1510/24/news019.html
【質問者】▶URLわざわざありがとうございます。
両眼視を無くしてあえて凹凸を認識しにくくさせるのを利用したものがあるんですね。
〔追加質問〕▶この片眼3Dって「片眼で見ることで、脳が立体感を補う」とあるんですが、両眼視機能(立体視)が不全の人も立体的に見えるんですかね。
補うってことだから立体的には見えなそうですが、実際どうなんでしょうか
・両眼視差以外の立体情報の、運動視差やぼやけ、大きさなとで表現されているわけですので、立体的に感じるはずです。
両眼視差はあくまでも立体情報のただの一つです。我々のいう立体視不良というのは、両眼視差がわからないだけですね。
・特にこの映像は調節情報がうまく使われています。手前にピントが合うと、背景はぼやける表現が立体感を生み出していますね。
・生まれてから立体視欠如又は不全の方は、立体視感覚が脳で発達していないので正常立体視を持つ方の見え方とは異なるのではないでしょうか。
〔質問者〕▶僕もそう思ったのですが、皆さんがおっしゃることをよくよく考えてみると、ボケやピントによる前後感(立体感)に関しては、片眼でも会得することはできるでしょうし、必ずしも立体感がないとは言い切れない気もします。
ルパンの動画は両眼視機能を必要とせず、片眼のピント感による立体感があるにすぎないため、生来両眼視機能不全の方でも十分に立体感を得られるのではないかと思いました。
・立体視欠如の方でも近づく、遠ざかるといった大まかな前後感覚?立体感覚?は発達していると想像出来ます!
日常生活では得られないような、映像によって立体感を生み出すものが正常立体視の方とは感覚が違えど、立体視欠如の方にも立体視の刺激となっているかも知れませんね。
・私は学生の時に、物の影やボケや大きさなどで、片目でも立体感は得られると習いました。
実は私も眼科的な検査では立体視はいまいちなのですが、それこそ小さいときからなのでそんなものだと思い不自由はありません。ただ球技は苦手で、今思えばボールの距離感がつかめないのだと思います。なので、立体視がいまいちな子の親御さんに説明するときは、「立体視」という言葉は使わずに、「両目で見る力」と言い換えています。先ほどのルパンの画像は、正常立体視の方がどのように見えているのかを知るよしもないので、何とも言えません。スマホの小さい画面で見たせいもあるのか立体的に見えると言われれば見えるなあくらいです。
・正常者は両眼視差を持っていて、そこで単眼になるわけですから、両眼視差情報がなくなり二次元か三次元かの情報が途絶えるため、より大きな変化を自覚します。
一方、初めから両眼視差の知覚がない方は、その変化を感じないので、感動は少ない傾向となります。
・単眼性の奥行き知覚について、こちらですね。
https://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/perception/depth.html
こちらの画像では・相対的大きさ
・線遠近法
・大気遠近法
・きめの勾配  が用いられています。

□閉塞隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障の違い

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