労働運動を次世代に オルグ養成プロジェクト、20日に設立総会 | 毎日新聞

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 労働運動や社会運動を組織する若い世代のオルガナイザー(オルグ)を養成する取り組み「次世代オルガナイザープロジェクト」の設立総会が、20日午後6時半、千代田区神田駿河台の連合会館で開かれる。停滞する運動の活性化を目指す。

 呼びかけた労働組合や弁護士、ジャーナリストらが11日に都内で記者会見した。労組でオルグを務める神部紅(じんぶあかい)さんは「労組のオルグは高齢化が進み、時代を担う若手も育っていない。このままでは労働運動や社会運動は先細りし消滅する」と問題意識を語った。

 日本の労組組織率は、1970年代には30%台半ばだったが、2021年は16・9%と半分程度まで低下している。労組の交渉力が低下し、日本の賃金が上がらない理由の一つだともされる。さらに、非正規労働者が増加しているが、労組に組織することが十分にできていない。

 一方、新自由主義経済が幅を利かせ、世界中で雇用が不安定になっている。欧米ではアマゾンやウーバーイーツ、スターバックスなどで10、20代のオルグ中心に労組を作ったり、社会運動と連携して取り組んだりする手法が広がっている。労働運動や社会運動を活性化させる手立てとして注目が集まっている。

 プロジェクトは、労働運動や社会運動を展開する実践論を身につけることを重視。座学と共に、団体交渉や集会の持ち方、労働組合結成などのワークショップ、運動団体でのインターンシップ(就労体験)、ネット交流サービス(SNS)を使った情報発信の仕方などを学べるようにする。また、大学、高校などと連携して、ワークルールを学ぶ授業づくりにも取り組む。賛同する個人、団体から会員を募り、会費で運営する。

 設立総会では、米国のアマゾンなどで組合を結成した経過の報告に続いて、参加者が班に分かれて、プロジェクトで取り組みたいことや現状を語り合う。呼びかけ人の一人でジャーナリストの松元ちえさんは「オルグは労組内だけでなく社会とつながることが求められる。関心のある人はどなたでも参加してほしい」と呼びかける。

 参加無料。事前登録すればオンライン参加も可能。

https://onl.bz/ncCzY7Mで登録できる。【東海林智】

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