未だにロシアは人工芝だらけと言われている件について
こんばんわ。おろしすきーです。
ベガルタ仙台のFW西村拓真選手が、CSKAモスクワへの移籍の報道が出ていますね。ロシアのメディアでも「メディカルチェック後に契約へ」と出ていますが、決定すると本田圭佑選手以来の日本人選手になりますね。ロシアサッカーが好きな私にとっては、とても嬉しい出来事です。
しかし、日本ではロシアリーグへの移籍は、ネガティブな印象をもたれやすいように感じられます。おそらく本田圭佑選手が在籍していた、2010~2013年くらいのイメージが強く残っているからかもしれません。
いろいろ思うことはありますが、一つだけ触れておきます。
ツイッター検索で「ロシア 人工芝」と入力するとわかると思いますが、未だにロシアは人工芝が多いイメージを持たれているように感じられます。
ロシアリーグへの印象をどう感じられるのか、人それぞれであり、ポジティブでもネガティブでも捉えられてもいいかと思いますが、いつまでも本田圭佑選手がCSKAモスクワにいた頃と同じように語られるのは、ロシアサッカーを好む者としては、非常に残念なものです。関心の有無は問わず、重要視されるべきことは、中途半端な印象よりも、少しでも調べれば分かる事実ではないでしょうか?
ということで、ロシアのスタジアム事情に触れたいと思います。
W杯を機にスタジアムは新しく
まず、本田圭佑選手が在籍最終年の2013年のロシア・プレミアリーグのスタジアムから。
2013-2014 ロシア・プレミアリーグ
・アムカル・ペルミ ズヴェズダ(17000人)
・アンジ・マハチカラ アンジ・アレナ(30000人)
・ヴォルガ・ニジニ・ノヴゴロド ロコモティフ
・ディナモ・モスクワ アレナ・ヒムキ(18636人)
・ゼニト・サンクトペテルブルク ペトロフスキー(21504人)
・クラスノダール クバン(35200人)
・クバン・クラスノダール クバン(35200人)
・クリリヤ・ソヴェトフ メタルルグ(33001人)
・ロコモティフ・モスクワ ロコモティフ(28800人)
・ロストフ オリンプ-2(15840人)
・ルビン・カザン セントラル(25400人)
・スパルタク・モスクワ ロコモティフ(28800人)
・テレク・グロズヌイ アフマト・アレナ(30597人)
・トム・トムスク トルド(10000人)
・ウラル セントラルスタジアム(27000人)
・CSKAモスクワ アレナ・ヒムキ(18636人)
続いて、2018-2019シーズンのスタジアムです。
・アンジ・マハチカラ アンジ・アレナ(30000人)
・アフマト・グロズヌイ(※) アフマト・アレナ(30597人)
・アルセナル・トゥーラ アルセナル(20074人)
○ディナモ・モスクワ VTBアレナ(26700人)
◎ゼニト・サンクトペテルブルク クレストフスキー(56196人)
○クラスノダール クラスノダール(34089人)
◎クリリヤ・ソヴェトフ コスモス・アレナ(44918人)
○ロコモティフ・モスクワ RZEアレナ[ロコモティフ](28800人)
・オレンブルグ ガソヴィク(6500人)
◎ロストフ ロストフ・アレナ(43472人)
◎ルビン・カザン カザン・アレナ(45379人)
◎スパルタク・モスクワ スパルタク(45360人)
・ウファ ネフトヤニク(15132人)
◎ウラル エカテリンブルクアレナ(25400)
・エニセイ ゲオルグ(13057人)
○CSKAモスクワ VEBアレナ(30457人)
※2017年にテレク・グロズヌイから、アフマト・グロズヌイへ改称
○◎2014年以降に新築
◎W杯スタジアム
本田選手が在籍した当初から、1部リーグにいるクラブで、同じスタジアムを使っているのは、ロコモティフ・モスクワ、アンジ・マハチカラ、アフマト・グロズヌイの3つのみで、あとの13会場では、ロシア・プレミアリーグでの試合で、本田選手はプレーしたことがありません。
本田選手が離れてから、ロシアでは日本人選手はプレーすることはありませんでしたが、今日までの約4年間でスタジアム建設ラッシュが続き、プレミアリーグだけで10会場、2部に当たるナショナル・リーグで5会場がスタジアムが新築、または改築され、新しいスタジアムに入れ替わりました。
CSKAモスクワのVEBアレナ
W杯の会場にはならなかったものの、CSKAモスクワのスタジアムも新しくなり、2016年からは30457人収容の「VEBアレナ」を本拠地としています。
以前はモスクワ近郊のアレナ・ヒムキ、またはルジニキ・スタジアムを使用していましたが、今はクラブ所有の現本拠地になりました。大手銀行の「VEB」が命名権を取得しており、国際大会では「アレナCSKA」として使用されます。
問題の芝生ですが、全人工芝だった改装前のルジニキ・スタジアムと違い、30%人工芝のハイブリッド芝を使用しています。西村拓真選手の移籍が決定すると、ハイブリッド芝でホーム戦を戦うことになります。
人工芝は2会場
他の会場を調べてみたところ、今シーズンのロシア・プレミアリーグで人工芝を使用する会場は、オレンブルグとウファの2チームのみのようです。ウファは以前、赤星貴文選手が所属しており、人工芝に苦労していたようですが、未だに変わっていないようです。ちなみにアウェーのウファ戦は9/16、オレンブルグ戦は9/30に行われます。
スタジアム建設ラッシュで多くの新しいスタジアムが登場する中、芝生も人工芝ではなく、育成しやすい環境では天然芝、難しい地域だとハイブリッド芝と、ロシアの気候に合わせつつ、なおかつ選手たちがプレーしやすい環境に、徐々にリニューアルされています。維持管理の課題はあるものの、本田圭佑選手が在籍した頃のロシアの環境とは、大幅に異なっているには違いありません。
W杯を開催されたことで、最新鋭の技術がロシアに導入されています。近年、インフラ面での整備が進んでいることから、同じ寒冷地の北欧諸国の選手がロシアへ移籍してくる選手が増えています。4大リーグと言われるリーグでも、環境面で進んでいないリーグ、クラブもあるだけに、今後注目ですね。
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