コスプレには正解も間違いもない

キャラに近付ける努力とは?

キャラに近付くためのウィッグやメイク、カラコンテーピング、体型を変えるためのシリコンバストや筋肉スーツ。
あらゆるアイテムが今の時代には存在し、それを使うことが「当たり前」となっています。
そのこと自体は否定しません。
だって便利なアイテムがどんどん増えてるんですから、お財布と相談しながらそのアイテムを使っていくのは悪いことではなく寧ろいいことだと思います。
しかし、そのアイテムを使っていないから、使い方が下手くそだから「間違っている」と決めつけるのは如何なものでしょうか。
私自身、メイクとカラコンには拘りがあります。
しかしテーピングはしません。したくても出来ないです。
ウィッグだけでも時々頭痛がするのにテーピングをしたらずっと頭痛に悩まされてコスプレを楽しむどころではないからです。
ウィッグもわざとアジャスターを使いません。見えないところにヘアピンを仕込んで止めています。
全て頭痛対策です。
これを「間違っている」と思いますか?
頭痛くらい薬飲んで我慢しろと思いますか?
※実際鎮痛剤を使用しても頭痛が止みません。
テーピングが出来ない、その代わりにメイクでなんとかしよう。どこに影を入れるか。つり目やタレ目のメイクはどうしようか。そうやって何年も積み重ねてきました。
今もずっと悩みながら模索しながらやっています。
テーピングさえ出来れば簡単に解決することです、でも出来ないから他の方法を考える。
加工もひとつの方法だと思っています。
しかし、この「加工」が時々「それは必要な加工なのか?」と思うことがあるのも事実です。
「加工したらいいからメイク適当でもいい」「加工するからウィッグはこんなもんでいい」「あ、足りないとこは加工で描けばいいじゃん!」
これは流石にどうかと思います。どうにもならないところを加工するのはわかります。
努力したら、きちんとセットしたら素敵なウィッグになるはずなのに加工アプリで書き込みまくるのはそれは「コスプレ」ではなく「お絵かき」ではないでしょうか。
カラコンが出来ないからカラコン加工をするのは一切否定しません。これは致し方ないことです。寧ろ折角便利なアプリがあるのだから加工使おう!と思います。
カラコンが目にとって良くないのは当然のこと。視力が悪いから眼鏡をして、撮影の時だけ外して写真は加工する、これも当然です。「そのキャラ眼鏡なんてしてないんだけど」と思われたって視力が悪い方(私も相当悪いです)が移動時に眼鏡もコンタクトも付けない方が余程危険です。
後で加工したらそのキャラらしい目になるんだからいいじゃないですか。
それは「間違い」とは思いません。
適当なウィッグ、適当なメイクでコスプレするのとは訳が違います。
努力をしていないわけではない。
そこに「正解」も「間違い」もないと思います。

加工も努力のひとつなのか?

これは私もどうなのかなぁと悩むところです。
加工しすぎて原型がわからない、絵にしか見えないものは「コスプレ」ではないのでは?と思ってしまいます。
ただこれは本人の気持ち、思い入れ次第ではないかと思いました。
「ここまで加工して頑張ってみた!」と思うか「加工があるからメイクやウィッグは適当でいいや」と思うか。
前者の方は素敵な加工をされてる印象があります。
後者だろうな、と思う方ははっきり言ってしまうと「イチから出直してきて」と思うこともあります。
ウィッグはともかくとして、メイクというのは女性ならば普段の生活でもするものです。冠婚葬祭では当たり前にすることですし、仕事でもメイク必須なところもあります。普段のメイクとコスプレのメイク。違うところは沢山ありますが、個人的な印象として「普段のメイクが出来ている方はコスプレのときもきちんとメイク出来ている」と感じることが多いです。男性は普段メイクされないので不慣れなのは当然です。女性でも学生さんならまだまだ不慣れなのも分かります。でもそこを「加工」に頼りすぎず、何度も練習を重ねればもっと素敵なコスプレライフが待っていると思います。最初は誰だって下手くそです。でも、努力を重ねて「ここはいらないかな」「ここは少し影を入れようかな?」と考えてやっていくのは面白いし楽しいと思いますよ。いきなりキレイなメイクじゃなくたって、次に活かせばいいと思います。
加工は便利です。でも加工でメイク全取っ替えしてしまうのは勿体ないです。
男性キャラなのに女性メイクの加工を重ねてしまうのは勿体ないどころではないです。キャラから遠ざかってしまいます。でも「それが私のコスプレ」というご本人なりの「正解」なのかもしれません。
こうなってくると「間違い」も「正解」もわからなくなりますね。

ウィッグの選び方の正解とは?

時々「その色は間違ってる!」「そんな形じゃない!」というご意見を耳にします。そして「うーん、確かになぁ…」と思うこともあれば「そのくらいは大目に見ても…」と思うこともあります。形は素敵なのに色味が違う!ってことよくあると思うんですが、理想の色っていうのは人それぞれ。特に2次元キャラはイラストによって色や形が変わりまくるのでどこに合わせるか、というのは自分次第です。
また、撮影する際、太陽光なのか、蛍光灯の室内なのか、または照明機材レフ板を用意してのスタジオ撮影なのか。これでもかなり色味が変わります。
特に分かりやすいのはダークパープルやダークブルーです。太陽光ではダークパープルはパープルに見えます。室内蛍光灯だとほとんど黒に見えます。ライティングによって全く違うのです。
室内蛍光灯撮影を前提として敢えてダークパープルではなくパープルを選ぶ、ということもあると思います。
寒色は特に分かりやすいです。
さらに言うと漫画とアニメで色が違うこともあります。同じ漫画の中でもセットが全然違う!ということも。
※エヴァのカヲルくんが分かりやすい例です。
100人が見て100人が正解!と思うウィッグというのは非常に難しいです。
同じ金髪でも黄色に近いものから白金まであります。
白金のキャラを黄色に近い金髪ウィッグでやっていたら「うーん…」と思ってしまう、これは私でも思います。
しかし白金でやると、太陽光では真っ白になります。
撮影シチュエーションで色味は変わってしまうのでなんとも言えないところもあります。
ただ、極端に言えば黒髪のキャラを銀髪でやってたら「は?」としか言えないですね。
同じ系統の色味であれば濃さ薄さの問題になるので「間違ってる!」とは言えない場合もあります。
※分かりやすいのは東リベ春千夜現代
「このキャラの色はここのウィッグブランドさんじゃないとない!」なんてこともあります。そしてそのウィッグブランドさんの形だと上手く作れない…なんてことも。
ウィッグはメイクと違って普段から使う、という方ばかりではないので、色味の違いくらいはそれこそ「加工」という便利な機能を使ってもいいのでは?と個人的には思います。
色味についてばかり書き出しましたが、何より躓きやすいのはカットやセットですね。

難関のウィッグカット、セット

今はあらゆるウィッグブランド様がセットやカットしやすい形のものを取り扱っています。どこのウィッグが自分にとって扱いやすいのか、様々なウィッグブランド様を試してみることが何よりも近道だと思っています。しかしながら「このキャラのこの色味はこのウィッグブランドでしかない!」なんてこともあります。逆に「その色味が好きなのに欲しい形のものが取り扱っていない!」ということも。
そこでどこで妥協するか、は個人の技量や好みによるかと思います。
そして何より「特徴がない髪型ほどウィッグが作りにくい」。
これはもう私はずっと悩み続けていますが「感覚」でやってます。あらゆるレイヤー様のお写真を拝見しながらここはこうしたらいいのかな?と学ばせてもらっています。
また人によって「ガッツリ固める」「サラサラ感(ふわふわ感)を残す」というのも好みが分かれるところです。どちらも間違ってないと思いますが「ガッツリ固めないと作れない髪型」があるのも事実。
水ノリ、ハードワックスにハードスプレー、時にはグルーガン。
そこまでしないと作れないものもあります。勿論、見えないところにヘアピン等を仕込んでドライヤーをする等の簡易的手段もありますが崩れやすいです。
外ハネだとその応用も使えないです。
※分かりやすいのは黒執事グレル
かといって、水ノリやハードワックス、ハードスプレーを多用したウィッグは毛が傷むのも早いです。
風を利用した撮影でなびかせたいからこそ固めたくない、という方もいます。
私はどちらの方法も試し、キャラによって変えています。時には友人に相談もします。
あらゆる方法を試して、練習しまくる。ほんのちょっとの妥協をする。でも出来そうなことは試してみる。そんなことを繰り返してやっていくしかないのかな?と私は思います。
今はキャラウィッグを作成してくださる方もいらっしゃるので、どうにもならないときはお財布に余裕があれば頼んでみるのもひとつの手段だと思います。
誰でも最初は下手くそです。それを下手くそだからと「間違ってる」としてしまうのはとても残念なことです。
ただ余りにも雑で杜撰なウィッグでコスプレされる方がいるというのも事実だと思います。前髪カットが左右でズレていたり、左右でサイドが前髪になっているところとサイドになっているところがバラバラだったり、そもそもウィッグがズレていたり、そんなお写真を拝見することもよくありました。
最初は下手くそだっていいんです。カットだって苦手だったら100均に便利な鋤き鋏カッターがあります。髪を切るための鋏、鋤き鋏のセットもお安く売っています。安物のワックスだっていいんです。アイロンやドライヤーが上手く扱えなくたっていいんです。最初は誰でも上手く扱えません。
ただ、カットするときに大胆すぎるカットをしてしまうと「あれ?」ってなることがあります。
自分が「これなら作れそうかな」と思うものから練習していくことが大事だと思います。
今はあらゆるウィッグブランド様が動画で細かく作り方を教えてくれます。同じように作れなくてもがっかりする必要なんてないんです。
ただ、「間違ってる」と決めつけられる前にほんの少しウィッグに愛情をかけてあげてほしいな、と思います。
そしてウィッグセット頑張って上手くなった方、努力している方。「間違ってる」なんて簡単に言わずにどうかその方法をシェアしてみんなで素敵なコスプレを楽しみませんか。
そして下手くそだから上手くならないと諦めている方。どうか諦めずに少しずつでもウィッグと仲良くなりませんか。

どうにもならないこともある

既に自分が完璧に出来てしまってると思い込んでしまってそれで満足されている方には「もっとここをこうしたらいいのにな」「加工おかしいな」なんて言っても思っても無駄です。伝わりません。というか実際には「伝えにくいから言えない」です。なので匿名のメッセージ等で伝えてくる人をTLでお見かけしたこともあります。中には酷く攻撃的なメッセージを送る方もいらっしゃったのを覚えています。でも振り返ってみてください。攻撃的な文章を送られるようなコスプレを満足気に上げていませんか?もっとどうにかなりませんでしたか?
勿論だからといって誹謗中傷のメッセージを送っていいわけではありません。絶対ダメです。
マナーが守れていなかったとかそういうものはここでは無視して、あくまでコスプレのクオリティ、努力の仕方、つまり見た目についてだけ述べます。
例えば「痩せろ」なんてそう簡単に出来ることではないのに言う方もいます。痩せたところで骨格は変わらないのでどうしても輪郭補正の加工が必要になることもあると思います。しかしながら「どうしてそこまでの体型で推しをやろうと思えるのか?」というくらいの体型をされてる方もいます。病気やお薬の影響については仕方がないことですが、コスプレって「見た目でナンボ」なんです。病気を理由にしたって不快と思われたらそれまでです。言い方は悪いですが「ならコスプレするな」と言われて終わりです。太ってたって出来るキャラはあります。似合うはずのキャラもあります。これは年齢にも言えますが歳を重ねたからこそ似合うキャラもあります。やりたいキャラとは違うかもしれません。でも体型が隠せる衣装を選ぶことも出来ます。コスプレするときだけウエストやお腹まわりを絞るアイテムもあります。それでも無理ならそれこそ「加工」で体をしぼる加工することも出来ます。加工は顔だけじゃないんです。年齢だって「加工」でどうにかなります。「加工」はやり方次第で素敵なお写真にしてくれます。ただ、やりすぎは注意だな、と思います。自分でもどこまでが自然なのか?が分かりかねるので悩みながらいつも加工ポチポチしています。

コスプレに「間違い」はやっぱりある

表題と全く逆のことを言ってしまいますが、あると言えばあるのです。でも全て間違ってるとも言えるし全て正解とも言える、そんなぼんやりとした界隈です。努力をしてないコスプレは見ていて不快、間違ってると思われても当然です。でも「努力」って目に見えないので「そんなもんで頑張ったとか言えるの?」って言われる世界です。厳しいですね…。
なので、私は「間違いも正解もない」と思っていますが、誰かにとってはそれが「間違い」なので「間違い」は存在してしまいます。
誰にでも得手不得手があります。私ならばメイクは割と楽しく出来るので得意な方ですが、時々アイライン迷子になりますし、やりすぎることもあります。そしてウィッグカットはとっても苦手です。でも何回も同じキャラをやって、気になったところを直して繰り返して………。そうなるとやはり「正解」なんてどこにもないのです。周りが褒めてくれたら「正解」でもない、自分が納得するまで、理想の写真が撮れるまで、理想のメイクやウィッグセットが出来るまで、人それぞれの「正解」なのでそれは誰かにとっては「間違い」になるのです。

じゃあどうしたら?

コスプレは「自己満足」の世界です。それがお仕事等でない限り、ただの「趣味」です。
ならば「楽しくやろう」とするのが一番だと思います。
イイネが来なくたって、フォロワーが増えなくたって「やってて楽しかった!」の気持ちが何より大切だと思います。イイネが沢山頂けることは嬉しいことですが、そんなことより「その撮影楽しかったからイイネ貰えるのも嬉しい」に繋がると思うのです。
「楽しくない」撮影やイベントの写真をわざわざ上げようとも思いません、加工してるうちにうんざりしてきて「もういいや」って上げなくなります。
私はソロ撮影でもこういうのを撮りたい、こういう写真を撮るためにこういう加工をしたい、そんな風に楽しみながらやっています。
今は人気キャラを次々とやったり、フォロワーが沢山いたりしても、たかがSNSです。いつか誰にも見向きされなくなったとき、あなたには何が残りますか?
ちなみに私には現実で「貞子の人」として活動できた、とても楽しかったという素敵な思い出があります。
素敵なお写真や動画を撮って頂いて宝物と思っています。
「自己満足」の世界だからこそ、何にも残らないカラッポの趣味なら、今すぐお止めになることをお勧めします。世の中には楽しい趣味が沢山あります。
「間違ってる」と思われ、誰かのことを「間違ってる」と思いながら、続ける趣味なんて楽しくないですし、性格が悪くなるだけです。
私はまだまだ模索することが楽しい、シェア出来ることはしていきたいと思うので続けていますが、活動範囲を大幅に狭めています。
シェアする相手も同じように悩む方や親しい人のみに絞っています。
楽しくないことはしたくない、見たくないものは見たくない、それだけの理由です。

コスプレを楽しむこととは?

例え本人が楽しんでいようとも、私にも好みがあるので「このコスプレぜんっぜん好きじゃない」と思うことがあります。「その程度で何故満足してるんだ」と思うことも多々あります。
それはあくまで好みの話なのでそのコスプレが間違っているとは思いません。
ただ、だからこそ自分を見つめ直すためにアカウントを心機一転し、背景の写り込みによる残念さをなくしたくてあらゆる写真の背景を加工し「コスプレ」らしさを意識した画像を作り込んでいます。
時々時間がなくて雑になることもありますが…。そこは反省点です。
勿論、限界もありますし、そのままでも充分なものはそのまま上げています。
アレルギーで肌の調子が悪ければ加工でなんとかなりますし、出来ることを出来る範囲で、そして納得するまで何度でも。
誰にも分からないようなちょっとしたところでメイクを変える等、コロナ禍だからこそ宅コスで出来る練習を重ねています。
宅コスだからこそ出来る、手を抜けるところ、逆に手を加えるところを考え、友人達と撮影するときにはこんな感じになるといいな、というイメージを固めながら何度もメイクをやり直し、何度もウィッグを直しています。私にはそれがとても楽しいです。
そして、そこで気付いたことがひとつあります。
交流系のイベントに行く必要はない、そこでコスプレしたいわけではない。
ソロ撮影だとポージングがきついことがあるので撮ってくださる方がいればどこでもいいので、別にわざわざ◯◯コスみたいなイベントに行く必要が全くない。
あらゆる背景を合成する手段を覚えたので必要な背景があればその素材を撮影しておけばあとはどうにでもなるのです。
まだ落ち着いたとは言えないウイルスの脅威に怯えながら、イベントというものに参加する楽しさが見出だせなくなりました。
勿論素敵なロケーションがあるイベントや音イベは別です。

最後に

キレイであろう、かっこよくあろう、かわいくあろうとする、絶対に面白いことはしないというコスプレイヤー様が大多数ですが、私はイベント3日前に閃いてやった貞子がとても楽しかったですし、面白かったです。そしてその3日間で貞子について散々調べ尽くしました。そこから先も延々と調べ尽くし、貞子について話し始めたら長くなります。
キレイでもかっこよくもかわいくもないけど、面白いことをやろうとは思いませんか。私は長年ゴー☆様のコスプレがしたいと言い続けていますが、誰1人として同じ感覚の方に出会ったことがありません。
イケメンアイドルやキレイなゲームキャラやかわいいアニメキャラもいいですが、時には面白いキャラをやってみるのも楽しいですよ。
キレイ、かっこいい、かわいいを意識しなくてもいい。とっても楽で楽しめます。

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