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手描きイラスト(線画)をAIで着色


はじめに

この方法は、手描きの線画をAIで着色し、最終的に手作業で仕上げる一つの手法として紹介します。AIに関わる技術的な問題や倫理的な議論には触れず、あくまで手描きイラストの工程内にAIを取り入れる選択肢の一つとして解説します。この内容は、すでに手描きで線画を作れる方に向けたものです。

忙しい人のための要約

  • 手描きの線画を用意

    • 手描きで線画を描きます。

  • ベタ塗(マスク)

    • まず、各パーツごとにベースカラーを塗り、マスクを設定します。

  • コントロールネットの適用

    • AIによる着色のために、ControlNet(tile and canny)を活用します。

  • AIイラストを各パーツに適用

    • AIで生成されたイラストを、バケツ塗した部分に各パーツごとにマスクを使って適用します。

たったこれだけの作業です。バケツで塗り、マスクを設定することは、イラストを描く人なら一般的な技術です。また、AIイラストにControlNetを使って制御することも、AI界隈では一般的な技術です。単純な組み合わせではあります。

なぜ、こんな手間をする必要があったのか。

なぜ、私があえて時間をかけてこのような作業を行ったかというと、AIによる出力では解像度が不足し、A4サイズでの印刷や透明処理が難しい場合があるからです。製品として扱うためには、手作業での仕上げが重要となるのです。
手描きで線画を作ったら、享受が回避できるとか、著作権どうとかの話は考えていません。

Photoshopの背景透過処理だと赤丸部分の処理ミスがあることが分かります。AIツールを使えば割と綺麗に見えていますが拡大をしてみると粗が見えてきます。
AIツールによる透過処理でも、髪の毛の隙間など、透過率60%程度でごまかしはしていますが綺麗に線に沿って抜けているわけではないのが分かるでしょう。

そもそも、AIイラストにはベクターレイヤーやラスターレイヤーという概念が無く1枚のイラストとして出力されるためイラストを製品パッケージやゲームの立ち絵に使う際に不都合になる場合があるのです。
ベクターやラスターについては別記事で解説をします。

使用ツール

イラスト制作 CLIP STUDIO PAINT PRO
AIツール   stable diffusion (ComfyUI)
       ※AUTOMATIC1111・Forge代用可能

線画作成

まずは、線画を作成しましょう。AI出力をしている人はここで躓きますが、今回は手描き絵師に向けた記事ですからご容赦を。クリスタのアシスタント等を用いると3Dデッサン人形が使えます。

AIイラストで線画を出力する方法や、とりにく氏のAI-Assistant等もありますが今回はここでは、触れません。
また、線画を描く際はベクターレイヤ―を使用することをオススメします。

画像サイズは使用するAIのモデルによって変わりますが、 短辺720~1024程度が使い勝手がいいでしょう。
4K以上の画質を使用することも可能ですが、その場合のAIツール側の設定は別記事で説明します。
解像度は300DPI以上をオススメします。

ベタ塗作成


ベタ塗りについては、個人のやり方がありますが、このように範囲選択をしてその範囲にバケツで落とす方法は、今回使い勝手が悪くなります。


色をキャンバス全体に入れたものを各フォルダに入れてフォルダにマスクをかけましょう


ベタが終わると大体こんな感じになります。ベタの際は線下まで塗るように心がけて隙間を綺麗に埋めておきましょう。

コントロールネット用の素材を準備


まずはcanny用に階調の反転を行い、白い線の線画を作ります。

tile用の画像は線画部分を取り除いたベタ塗部分だけの画像を用意しましょう

画像の形式に指定はありませんが今回はpngで用意をしました。

コントロールネットを適応してAIで生成

そもそもコントロールネットって何ですか?っていう話は今回は省略します。とにかく用意した線画に沿ってベタに近い色のイラストを生成する作業を行います。

今回は image 2 imageを使用します。事前に用意したtile用の画像から画像を生成します。その際に色の情報と線画情報をそれぞれコントロールネットを用いて制御をおこないます。

画面はcomfyUIを使っていますが、a1111でも問題はありません。tileで制御をしているのでi2iのノイズは0.8~1.0程度の強めでもいいでしょう。


それによって生成されたのがこちらの画像です。しかしこのままでは使えませんので、これをクリスタに入れて修正をおこないます。

AIイラストをマスクに適応して修正

先ほど生成したイラストをクリスタのレイヤーに入れて、それらを各パーツのマスク最上位に入れていきましょう


大体の構造はこんな感じです。

マスクに適応することによって修正作業もかなり簡単になります。
ここでは、指を例にしています。

このようにコントロールネットで制御をしてもノイズが大きくしてるので線画通りに塗ってくれません。これらの細かい部分を手作業で各レイヤ―毎に修正作業を行う必要があります。


それらの作業を行って修正を進めていくとこのように全体的にまとまったイラストが完成します。
今回は顔の部分は細かく修正をしていないのでそのままですが、目のレイヤーや口などを修正すれば線画の表情を変えずに塗ることも可能です。


XのLIVE配信機能を使って後日、操作を流れを実演しますが、その際には細部の描き込みについてもお話をしたいと思います。

追記

もし、私の線画をAIで着色してみても良いがAI関係の環境が整ってないと言う人がいましたらお話を聞かせてください。着色部分のお手伝いができるかもしれません。

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