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「おろかもの」著名人コメント 一覧

これまで頂いた、「おろかもの」への著名人の皆様のコメントをこちらにまとめて掲載します!


● ちゃんと面白い映画です。それがどれだけ難しいことか。二人の監督のこれからが楽しみです。

沖田修一(映画監督)


● よくぞここまでという素晴らしさ。監督が、「ターミネーター2」の崇拝者だけのことはあるサスペンスフルな躍動する青春恋愛映画。アクション、ホラーを愛する人は信用できる。私は、「ダーティハリー」と「ドラキュラ」を参考に、「ジョゼと虎と魚たち」を撮りました。
村田唯さん、強力だった。

犬童一心(映画監督)


● オーディオビジュアル関連の驚異的な技術力、どこにでも落ちているような物語をゾクゾクするバディムービーに展開させる脚本力、すべての女性を可愛く見せる演出力……こんなのを自主映画でやられた日には我々低予算商業映画組の立つ瀬などあったものではなく、もう歯ぎしりと共にひれ伏すしかありません。

城定秀夫(映画監督)


●「おろかもの」は、決して愚かな映画ではない。むしろ崇高に美しい映画だ。
最低な駄目キャラ達が最高に愛しく見えるショットの数々。抱きしめたくなる女性映画です!

井口昇(映画監督)


● 登場人物の全てがいびつな関係性なのに、どこか美しい人間模様。
そこには確かに愛があって、女性の強さを感じる映画でした。

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Kotoka Izumi(イラストレーター)


● しばしば女性の恋愛はくだらないものと扱われ、「そんな男に引っかかったお前がバカだ」と言われる。
だけど、本当の「おろかもの」は果たしてどっちなのだろうか…
そんなことを考えさせてくれる、そしてとても色んな関係性のシスターフッドが見られる作品でした。
なんでもかんでも「女同士の戦い」にしたがる最近の風潮とはまるで真逆なのが最高です。

石川優実(#KuToo発信者・アクティビスト)


● 兄と妹、兄の婚約者と兄の愛人という4人のありそうでなかった選択を描いた本作。こう書くと兄が中心にいるようだが、兄はむしろ彼女たちの外側にいる。ラスト、誰もが知る映画をオマージュし、そして少しだけズラしているシーンがある。そのズラしが新鮮に映るし、なぜか見ているものにも開放感を与える。「ズラし」とは書いたが、我々があるべき姿にこだわって真ん中を勝手に決めていただけではないのかとも思えてきた。

西森路代(ライター)


● 一人の少女が、一人の女性を通して世界のことを知っていく。
おろかものとは、いったい誰のことだろうか。
彼女たちが結んだ甘美な共犯関係に魅せられて、一番だいすきな人と手を繋いで走り出せるなら、ほかでもないこのわたしがおろかものでいいとさえ思った。

児玉美月(映画執筆家)


● ハードカバーの優れた文学を読んだような充足感と、古今東西の名監督たちの初期作品同様の大きな期待感をいだかせる映画的感動。ともすれば開き直って怖ろしい事を引き起こしそうなダメ人間たちを描く脚本が緊張感に溢れ、登場人物の気持ちを常に捉えようとしているカメラの秀逸さに魅入られる。明らかに狙った演出がことごとく上手くはまった、片時も目が離せない見事な傑作。凄いものを観てしまったと心が舞い上がるばかり。

鶴田法男(映画監督)


● 脚本、演出、撮影、何を取ってもとにかく素晴らしい。面白い。
しかも、作中ではある名作映画への素敵なオマージュが取り入れられていて、作り手の映画に対する愛情までもがひしひしと伝わってくる。
こんな完璧な作品を自主制作で作られてしまっては心中穏やかでいられないじゃないか。
両監督の才能への嫉妬と、自分も負けてられないという気持ちの昂りで心が忙しいです。
2020年の映画は「おろかもの」を観ないことには語れないですね。

中川駿(映画監督)


● 人間のステレオタイプ、キャラ化に抗う「揺れ」がまぶしい映画。
現実社会では、本来「出会ってはいけない存在」同士を、映画の世界では出会わせることによって、人間の本質的な立ち位置を問い直してみせる。それを絶妙な手つきで差し出して見せることが出来ている映画だ。

切通理作(映画評論家)


● 人物関係の斬新さでおかしみを描くのではなく登場する人物各々をしっかりとした「人間」として掘り下げたからこそたどり着いた、おろかものたちの饗宴。だから当然、怒り迷い間違い嘘をつき、愛する。生きとし生ける我々全員、おろかものなのだ。

川瀬陽太(俳優)


● 人間はみんな「おろかもの」ですが、それをいつくしみながら撮っている演出がいい。ユーモラスで、サスペンスさえあるのは、たいしたもの。今後が楽しみです。

内藤誠(映画監督)


● どこにでもありそうな設定から、思わぬ物語展開の方向に観客を引っ張っていく力に、田辺で五冠も納得。外国人の友人キャラクターを介することで、「言葉」が濾過され、関係性を示す言葉に縛られることに何の意味があるのかと改めて考えさせられた。本作はそんなことよりも大切なものは何かを訴えている。

折田侑駿(ライター)


● 世界的にも不寛容で排他的な傾向が強くなっていると言われる国際社会の中で、この不寛容に満ちた物語は、やがて予想外な<和>のあり方を導いてゆく。『おろかもの』が描く日常生活における<和>は、不寛容に満ちた世界が寛容という名の優しさにつつまれてゆく希望を提示しているようにさえ見える。若き世代によるこの人間賛歌は、混沌とした時代だからこそ、まさに今観るべき作品なのだ。

松崎健夫(映画評論家)


● 心底びっくりした。脚本家と共同監督の3人全員が男性でこのようなストーリーの作品が、シスターフッドを称揚するフェミニスト映画だなんて思いもしなかったから。
スラリとした美人なのに愛人関係をやめられず自己評価の低い美沙(村田唯)の姿には、ジェンダー・ギャップ指数が153国中121位の日本における女性たちのリアルで複雑な困難がうかがえる。
そう、この映画にはステレオタイプな人物がいない。果歩(猫目はち)の言動は一見『耐える女』風だが、彼女の眼差しには強く主体的な意思がある。

溝口彰子(視覚文化研究者)   


● この映画は、世間によくある、いや、人間によくある綻びを描いているが、意外にも、幼稚に見えるアプローチが、深い親交に向かっていく。

村田唯という不倫女性を演じる女優の、清潔感がこの映画をかなり際立たせていると思う。
私がこういう言い方をするのも妙だが、演技が上手い。あまりそういうことを気にしないで観るほうだが、ドキュメントと混濁した被膜が出ていて、なおかつ自然だ。
「真人間VSちゃんとしてない人間」という異物がぶつかることで、途中から、長澤まさみプラス堀内敬子みたいな村田唯が、魅力を増していく。

映画の冒頭で、その対立をいきなり仕掛けてくるから、物語に入りやすい。その後も退屈させない作りがあり、関心も、好奇心も、何より未知の、ほぼ無名の俳優たちへの興味が持続する。

小さなことから、共同体を、もっと言うと、日本という国に生きている人間のありがちな姿を、撃っている。

谷岡雅樹(映像評論家・ノンフィクション作家)


● とかく白黒つけたがる世の中にあっけらかんと決別した作品。
感情に溺れず、相手の人間性を見抜いている女性たちの存在感が、ありきたりな流れに陥らず、物語の妙味になっている。
新しい世界の扉を開いた二人のシスターフッドな関係はこれからの女性たちのニュースタンダードになる気がした。

江口由美(映画ライター)


● 彼女たちは、優しいという身振りを演じるのではなく、手を差し伸べて共に生きることで、それぞれの戦争に勝つ。
今も巷の物語に溢れている、女たちを分割し互いに戦わせる父権主義の言説が、『おろかもの』め、と一喝されているので、実に心地よい。

大友りお(日本映画大学教授・文学批評)


● 普段、脳内に深く刻まれたお約束の“パターン”が見事に打ち砕かれていく。それは日常、私達が、いかに“それらしい物語”に毒されているかということであり、『おろかもの』はそうしたものから少しずつずれている。その自由さこそがこの作品の大きな魅力だ。
どの俳優もどのキャラクターも愛さずにはいられない、『おろかもの』とはそんな映画だ。

西川ちょり(映画ライター)

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