講演が上手な社長に、そのコツを聞いてみると
●そのコツを聞いてみると
経営者としてやり手、なおかつプレゼンも講演も歯切れよく聴いてて巻き込まれる、と定評のある社長(※)に、講演前にそのコツを聞いた時のことです。
「コツ?例えば講演するときって、うまくいかなかったらどうしようって考えてない?だいたいみんなそうなんだよねー。
でも俺は違うから。
来た客をぶいぶい言わせてやろうと思ってやってるから。ははは!」とのことでした。
衝撃的でした。
「うまくいくと思え」とはよく聞くし、「うまくいくと思って疑わない」ヒトは確かにいるかも知れない。でも「ぶいぶい言わせてやる」だとは
どんだけー!と言いたくなります(古いですが)。
●思考は現実化する、とは言うが
「思考は現実化する」というフレーズはナポレオン・ヒルの著書「Think and Grow Rich」の邦題としても有名です。これって一見スピリチュアル、でも実はとてもロジカルな話ですよね。
「うまくいかなかったらどうしよう」と思っていれば例えば喜んでいない観客の顔ばかりが気になり、やっぱり自分の講演ってつまんないのかな、などと不安に思い萎縮し始める。
「うまくいくに決まってる」と思っていれば喜んでいる観客にばかり目が行き、よしよし、喜んでもらってるぞと確信を深め更にノリ始める。
そして遂には両者ともそれぞれイメージしていたとおりの結果を得る、というわけです。
では聴衆をぶいぶい言わせるとはいかほどのものなのか。しかも「ぶいぶい言っている姿を思い浮かべている」という受け身ではなく「ぶいぶい言わせてやる」ですからね!
そこには強固な意志さえ感じられます。
●自分の心の置きどころを探そう
「ぶいぶい言わせてやる」と思っていても目の前の聴衆がぶいぶい言ってなければ、私ならかえって焦ってしまいます。
私の場合「失敗の基準を下げる」ことを意識しています。つまりぶいぶい言わせたりウケをとったりということは端っから望まない。
それどころか「みんなが一斉に寝始めたら失敗」とか「みんなが一斉に席を立って出て行ったら失敗」と考え、そうでなければすべて成功と考えるようにしているのです。
ひとりふたりが寝始めたり、三人、四人が席を立ってもまだ成功です、「一斉に」ではありませんから。そう考えるとリラックスできて、なんだかいい具合にいくのです。
自分に合った心の置きどころを探すことに努めたほうがいい、と捉えたほうがいいんでしょうね。
というわけでその日も聴衆は、社長の講演にぐわんぐわんと巻き込まれていたのでした。
※当時上場準備中、現在東証1部上場。40代
※今回は「講演が上手な人=聴衆を巻き込む講演の出来る人」と定義づけて話を進めました
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