交換日記5「19歳、夏、トロント」(夏山栞)

せしんさん、toron*さん、お疲れ様です夏山です!暖冬とは言え寒い日が続いてますね。体調とか崩されてないでしょうか。私は引きこもって大人買いした漫画をイッキ読みする週末を過ごしたので風邪とは無縁です。

私もtoronさんって結構アクティブなイメージだったので、この話はとても意外でした。

大阪も楽しい街なんだろうな。出張ではちょくちょく行ってるんですけど、意外と観光をしたことがないのでオススメがあれば是非知りたいです。ちなみに、おすすめの駅弁はベタなんですけど峠の釜めしです!

せしんさんは自他共に認めるアクティブお姉さんですよね(笑)

カナダの話、わかるわかる!の連続でした。実は私も19歳の夏にカナダに短期留学してて、なんだか懐かしくなっちゃいました。


トロントに留学したのは、せしんさんと同じ大学2年の夏です。私、当時は親に頼るのなんてカッコ悪いぜと思っていて(学費と家賃出して貰っといてよく言うよって感じだ)、塾講師とラーメン屋のバイトを掛け持ちして留学費用を貯めたんですね。70万円だったかな。よく貯めたなあと今になって思います。なので、私は飛行機からテンションMAXでドナドナというより睡蓮花でしたね。海外行くのもこれが初めてだったし。夏だぜ!Yeah!

留学中にいちばん仲が良かったのは、スヨンという韓国人の子とメイリンという台湾人の子です。初日のクラス分けテストで20分前くらいに到着していたのが私含めその3人だけで(いや、テストって言われたら念のため早めに来ません?)、そこから何となく仲良くなりました。

スヨンは身長が170センチ近くあるモデルみたいな色白美人で、語学学校では笑っちゃうくらいモテまくってました。二次元以外であんなにモテる人居るんですね。メイリンは150センチくらいの小柄な子で、顔の半分くらいあるでっかい黒ぶち眼鏡がトレードマーク。コンピューターオタクを自称していて、ずば抜けて頭が良かったし英語も得意でした。それと比べると私は本当に平凡だった(身長も普通だし…)んですけど、二人ともまあまあ気が強かったので、3人組の中和剤としてはいい仕事してたかなと思います。

思い出があふれてきて長くなっちゃいそうだ(笑)

結論から言うと、スヨンとメイリンとはあの夏以降一度も会ってないです。お互いFacebookで近況をなんとなく知ってるくらいで、だから「一生の友」なんて呼ぶのはおこがましいんだろうけど、でも、私にとっては一生忘れられないひと夏の友達です。

スヨンとふたりで行ったネイルサロンが嘘みたいに下手くそで、メイリンに笑われたこと。日本では20歳からしかお酒が飲めないと言ったら、面白がったふたりにダウンタウンのパブに連れて行かれたこと。ホームシック、というか日本語シックになってしまった私が黙って2日間学校をサボったら(近くのカフェに引きこもって延々司馬遼太郎を読んでいた)、ふたりに見つかって心配したんだと結構本気で怒られたこと。

安い夜行バスに乗って、三人でニューヨークに行ったこと。「フレンズ」というドラマの話をしながらセントラルパークを歩いたこと。チャイナタウンの店で私が中国語で罵られた(どうやら結構失礼なことを言われていたらしい)とき、メイリンが大声で相手のおじさんを怒鳴りつけて肝が冷えたこと。(一応おじさんを擁護すると、私のトイレットペーパーの使い方が間違ってたみたいです。気を付けます。)

その後、テンションを落ち着けるために入ったスタバでおだやかに戦争の話をしたこと。分かり合えなそうことも、知らないこともあって、結論は無かったこと。

それでも、私たちは確かに友だちだったこと。


カナダ、と聞くと、トロントのあの夕暮れの涼やかな風とふたりの笑顔が鮮やかに思い浮かびます。たった3か月だったけど、こういうのがアナザースカイってやつなのかな。

なあソジュン ニュース見てるかおれはあの夏の握手を思い出したよ

すこしだけ夏のにおいがするようで捨てないでおく異国の切符

ちなみに、この留学中私はイキって金髪にしていたので思い出が美しい割に写真は見返したくありません。若気の至りってありますよね。